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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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メリルは冷めている

メリルは、恋しない。恋をしない主人公って一体。

「あは! あははははははははは!!」


「え? 同時に? それはちょっと酷くありませんか?」


大爆笑ね? そんなにおかしい? 私が結婚しないと断言された事がそんなにおかしいのかな?


「伯父さん。笑い過ぎだから。そんな腹を抱えて笑うような内容ではないから?」


「え? メリルさん? 今僕の事伯父さんって言った様に聞こえたよ? どうしたの突然」


デズロさん真顔だね?

うん、思いの外ダメージを与えられたみたい。

それは良かった。わざとだから。


「どうしたもこうしたも、私の伯父さんでしょ? だからそう呼ぶ事にした。伯父さん、いい歳なんだからそろそろ落ち着こうか?」


駄目だよ? そんな涙目で私を見ても無駄だよ?

そんなに辛いならエルハド様に慰めてもらってね?

私は伯父さんを甘やかさないよ?


「ちょっとテゼール!! メリルに何、吹き込んだのさ! 素直な良い子だったのに! お前の所為で反抗期に突入したよ?」


「いや、メリルはこれが地だ。今までは手加減されていただけだ。目を覚ませ、そして少しは反省しろ。お前、エルハドと恋人だと宮廷中に広まっているぞ」


「・・・それについては突っ込まないでくれ。もう、放置で構わない」


そうだよ。どっちだっていいよ。それよりも突然登場したりいなくなったりする方が迷惑。本当騒がしい。


「婚約者、ねぇ? まぁ確かに私このままだとリディの側室にぐらいはされちゃいそうだよねぇ。面倒だな」


「メリル様ドライッスね? メリル様の乙女心は行方不明なんすか? 男性にトキメイた事ないんすか?」


「え? ない。あ、でもエルハド様はカッコイイと思うよ。エルハド様なら私結婚してもいい」


「「「は?」」」


「それは嬉しい申し出だが、生憎私は愛する妻がいるからなぁ。メリルはメリルだけを愛してくれる者と添い遂げることをお勧めするぞ?」


これよ。エルハド様のこの包容力の半端なさ。

この人本当に凄いよね。そもそもあのデズロさんを受け入れられる事が全てを物語っているよね?普通の人間には到底出来ないよ。過労死すると思う。


「そうだよメリル? それにエルハドにはもれなく僕も付いて来るから、メリル苦労するよ? やめておきなよ」


「お前ちゃんと分かっててやっているんだな? 本当に性悪だな? エルハド、今からでも遅くない、コイツ何処かに捨てて来た方がいいぞ?」


「まぁまぁテゼール? 落ち着いて? エルハドも変わり者だから真剣に心配する必要ないと思うの。寧ろ虐げられるぐらいで丁度良いバランスがとれていると思うの。つまりね? この二人の相手をするのは、時間の無駄なのよ?」


・・・・・お母さん。皆黙り込んじゃったからその辺で勘弁してあげて? 私も流石にフォロー出来ない、というか面倒だからフォローしない。


「メリル様のご両親って中々強烈ッスね。ご親戚一同様って感じッス」


あん? あんたそれ今すぐお母さんの前で言ってみろ。

百倍になって返って来るから。再起不能なくらいボコボコにされるからな? 私なんか甘い方なんだよ? 本当私ってば優しいよね? もっと私に感謝しろ。


「恋人がいればいいのかなぁ? 私結婚するつもりないからなぁ・・・・伯父さん達みたいなパターンなら良かったのに。あ! じゃあさ! テニア私と婚約しない?」


「え! わ、私ですか?」


「うん! テニア私の事嫌い?」


多分テニア恋人も居ないし作る気もないよね? じゃあ私と恋人って事にしちゃえば取り敢えず私に手は出せないのでは? 男が駄目だとなったらリディと無理矢理婚約させるのも難しくなるだろうしね?


「き、嫌いではありませんが・・・申し訳ありません。それは、ちょっと・・・」


アレェ? 振られちゃった。おかしいなぁ、テニア結構私の事好きなのではと踏んでたんだけどなぁ。


「そっか。やっぱり年齢差が気になる? 私子供っぽいもんねぇ」


「ち、違いますわ! そ、そうではなく! あ、あの。私女なのですけれど?」


「え? うん。勿論分かってるよ?」


「・・・メリル。そういう話は皆の前でするものではない。相手に気遣いなさい」


ん? あ、もしかしてバラしたらまずかった?

でも、テットも気付いてたよね? 他の四人もそういうのは気にしないからいいと思ったんだけど、駄目だったみたい。


「ごめんテニア変な事言って。気にしないで」


「・・・・・い、いえ」


うーーーーん。

リディがそんな事言い出すって事は、もう既にその話進んでるって事だよね? あとは私を説得もしくは嵌める準備が始まってるんだよね?


ふむ?


「じゃあシャミは?」


「「は!?」」


「シャミが私の婚約者ならかなり時間を稼げない? シャミはかなり魔力が強いし、変幻できるから、子孫を残す意味でも価値がある。身分差もないし、問題ないのでは?」


ん? 皆目を剥いてるね? そんなにおかしいかな?


「シャ、シャミって・・・今」


「確か、9歳くらいか? で?メリルは・・・」


「17歳。まぁ・・・・・シャミが大きくなれば、問題はないが」


問題はシャミになんて説明するか、ね。

シャミだって育てばやっぱり誰かに恋する事もあるだろうし、その時上手いこと行くようにしなきゃだしなぁ。


「あの。素朴な疑問いいっすか?」


「ん? 何テット」


「なんでメリル様の相手にテニアやシャミが出て来るのに俺の名前は上がらないッスか? 一番現実的だと思うっすけど?」


コイツ阿呆なの?

そんな事出来るわけ無いだろが。


「テット? これは時間を稼ぐ前提の話なんだよ? 君がメリルと婚約なんてしたら周りは眼の色を変えて妨害しに来るだろうね? 君もメリルもとても危険な目に合う可能性が高いし、それなら婚約して直ぐに結婚までしてしまわないといけない。じゃなきゃ効果がないから」


「あーー成る程。逆に相手を焦らせてしまうッスね?」


そうだよ。私は誰とも結婚しないんだからさぁ。


「じゃ、俺と結婚しちゃいます? 俺別にいいっすよ? 俺も誰とも結婚するつもり、無かったですし?」


「あら? 堂々としたプロポーズね?」


「いや。だってどうせ死ぬ迄メリル様の側にいるんですよ? 呼び方が変わるだけで俺がする事は変わらないッス。俺の仕事はメリル様を守る事なんで」


んー。まぁ、悪い案ではないけどさぁ?

それだと一つ問題が発生するよね。


「そんな事したらテット女の子と遊べなくなっちゃうよ? いくら仮面夫婦でも浮気されるのは面倒だからなぁ。本来の目的も果たせなくなるし、やっぱり却下」


「メリル様の中で俺って一体どんな下衆野郎なんすか? 流石に結婚した後まで女の子追いかけ回したりしないっす! 俺一応常識人っすよ?」


「いや、だからね? それだとテットが余りに不憫だと思うの。だって私、結婚しても夫婦生活送るつもりないから」


「・・・・・メリルって。かなり変わってるよね。本当に誰にも恋した事、ないの?」


ない。そして興味もない。

そんなものが無くても私は生きていける。


「それって、生きていく過程でどうしても必要な物? 邪魔にしかならないと思う」


「・・・テゼール。お前、どんな育て方をしたんだ? ティファもだが、何故ああなる」


「分からない。何がいけなかったんだろう・・・」


しょうがない。シャミには悪いけど第二案でいかせてもらおう! もうそれで暫くは婚約話を突き返す!!

文句は言わせない! シャミは正義だから!

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