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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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テゼールは断言する

「つまり、私達にもここに留まれと?」


「勿論強制ではない。ただ、メリルはまだここから出す訳にはいかない。私が許したとしてもきっと他の人間が彼女を手に入れようとする。貴方達の住処は既に住めない状態になり、薬草畑もメリルが焼いてしまった。どちらにせよ暫くはこちらに身を置いてこれからどうするか考えてはいかがだ?」


全く。

デズロのお陰でメリルがこいつらに見つかってしまったではないか。あの阿呆め。やはり旅の途中で置いてくれば良かったか。


「そうねぇ。ここも人手不足みたいですし? 久し振りに宮廷で働くのも良いかもね? 懐かしいわぁ」


妻のマリオーネは若い頃ここで働いていたが余りの悪政に辟易してここから逃げ出している。


妻の事を知る者もまだ残っているのに、本当に大丈夫なのだろうか?


「それは助かりますが、宮廷の仕事を貴女がする必要はありません。お二人はあくまでメリルの保護者として保護されている、という形になります。宮廷で働くとなると、色々と貴方達を利用しようとする者がいるでしょうから」


「あら? それは働かなくても変わらないですわ? ふふふ」


はぁ。マリオーネが興味を示したな。

これは、ここに留まる事に決定だな。基本彼女が決めた事が覆ることは、ない。


「では、こちらに身を置いて頂けると考えてよろしいか?」


「はい。娘も心配ですしね? なるべくメリルの近くで暮らせる屋敷を用意していただけます? 勿論調合室完備お庭も広めがいいわ!」


「では、早速住まう場所を確保させよう」


「そういえばデズロ達はこちらで部屋をとっているの? 邪魔でしょ? 私達が住まう場所に連れて行きましょうか?」


おい。それは流石に物申す。

アイツと毎日顔を合わすなんてゾッとする。


「いや。決して邪魔では・・・一度デズロ様と相談して決めて欲しい。こちらはデズロ様の望むように配慮しよう」


こちらでもあちらでも甘やかされているな。

私はここに着くまでの道中アイツらの様子に驚愕した。


ん? 様子を知りたいか? やめといた方がいいぞ?

純粋にデズロを張り倒したい衝動に駆られる。


アイツ、昔からあんな感じだっただろうか?






「あ〜歩くの疲れた。僕先に飛んでってもいい?」


「駄目だ。お前一人で行かせたら何処に飛んでくか分からん。サウジスカル内ならともかく、ここでは許さん」


「あ、あの。エルハド様。私歩けますので大丈夫です」


大丈夫じゃない。

ベロニカはなるべく歩がない方がいいだろう。

カスバールは平坦な道が少ないからな。

馬車や馬が使えないのは病人を運ぶのには不便だ。


「エルハド。僕も抱っこして」


「しょうがないな。こっち側に来い」


「「え?」」


想像してみてくれ。左手でベロニカを抱え、右側にデズロを抱えた絵面を。正直、ドン引きだ。特に右側ぁ!!


「エルハド! そうやってデズロを甘やかすな! お前まさかこれまでずっとそんな感じでデズロの要求を受け入れ続けたのではないだろうな!?」


「・・・・要求? 何の事を言っている? 私がコイツを運ぶ行為は要求ではなく最早日課だが?」


「なんなのテゼール? 一々突っかかってくるのやめてよ。サッサと行こう! しゅっぱーつ!!」


おい! いいのかこれで! フィクス! アイツのアレをサウジスカルの人間は皆許してるのか!!


「・・・デズロ様。貴方またそうやってエルハド様で暇を潰すのやめて下さい。あと、エルハド様ベロニカを俺に渡して下さい。絵面が酷い」


許してなかったな。安心した。

君がまともで、私は本当に心底安堵した!


「別に構わないぞ? 一人だろうが二人だろうが私は問題ないのだが?」


「貴方がとんでもなく丈夫で体力が底知れないのも分かっていますがそういう事を言ってるんじゃないんです。エルハド様も帰ったら説教です。二人して陛下達に説教してもらいますから!」


「「え?何故?」」


似た者同士か!!


ゴホン。いや、まぁそんな感じでここに辿り着いた訳だ。

だから、アイツとはあまり接点を持ちたくない。



「ふふふ! デズロの意思なんて関係ないけど?」


マリオーネ!! お前は強いな? お前だけだぞ? ここでアイツにそんな態度をとれる者は。本当我が妻ながら尊敬する。そして、怖い。他国の陛下の前だからな? 自重してくれ。


「あともう一つ。メリルが私の妃候補として名が上がる可能性が高い。場合によっては一時的な措置として婚約者として迎え入れるやも知れない」


「・・・・まぁ、その可能性は考えておりましたわ」


なんだと? あの子は皇族などとは縁のない子だぞ?

妃など務まるわけが無いし父親としてそんな事容認出来ないぞ!


「だが、現実問題メリルが私の妃になる事は難しいし、私も考えていない。そもそも本人が拒否するだろう。それでも、その話は付きまとう。私が正妃を迎えたとしても、側室にとな。だから、その前に私はメリルを誰かと婚約させたいと思っているのだ。だが、その・・・私からその話をする事を私は躊躇っている」


・・・・なんだそれは。

うちの子では不満なのかこの男。可愛いだろうメリルは!

しかもとても頭の良い子だぞ! なんだマリオーネ! 何呆れた顔でこちらを見てる? ハッ!


「出来れば娘が望む相手と、と仰りたいのですね? つまり、あの子にそのような相手がいないのかと?」


「そうだ。どうだろう? 心当たりはないだろうか?」


私はあの子が生まれてからずっとあの子を見てきた。

そして、確実に言える事が一つある。


「「あの子は誰とも結婚しません」」


そもそも、男を好きになどあの子はならない。

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