三人はブチギレる
R15指定。
残酷な表現アリ。
「それにしてもメリル様酷いッス。よりにもよってチェシャを俺に任せて何処か行っちゃうなんて。これじゃあ女の子も口説けないッス」
「お前リディの騎士の癖に不真面目だな。あの堅物の事だからつまらん人間しか側に置かないと思っていたが、珍しい事もあるものだ」
あんたに褒められてもリディ様は喜びはしないっすよ。
いや、褒めてはないのか?
「そういえば首輪してるのに最近は離れても平気なんっすね? どうなってるんっすか?」
「どうも持ち主が操作出来るようになっているようだ。
今は制限は解除されているらしいな。だが、これは確かにメリルに繋がっている。私にはここから出ている鎖の光が見えているからな。これを辿ればメリルの所まで行けるだろう」
へぇ? それは便利っすね?
俺はそんな物付けたくはないけど。
「テット? 兄様も、こんな所で何をしている?」
「あ、陛下。メリル様見ませんでしたか? 」
「メリル? お前、またメリルを見失ったのか?」
うっ! だってメリル様がチェシャから目を離すなって言うから。その隙に居なくなるとは思わなかったッスよ。
「アースポントはまだ満タンだから、クリオルの所にでもいるのではないか? 兄様、貴方はあまりここに来ない方がいい。私の邪魔をしたい、と言うのであれば話は別ですが」
ちょっと? 今ここで兄弟喧嘩とか、やめて下さいね?
俺じゃ立場的に止めるの難しいッス!
「いや? 邪魔をするつもりなど毛頭ない。そもそも興味もないからな?」
喧嘩以前の問題だった!! お話にならない!
本当にこの人が皇帝継がなくて良かったッス。マジ勘弁ッス。
「・・・・そうですか。そうでしょうね」
絶対零度の眼差しを向けられてますね。
気持ち、分かります。すごく分かりますが、正直こいつにそんな感情を向ける事自体、時間の無駄だと思うので、やめましょう。コイツはただのオブジェか何かだと思う事にしましょう。
「おい。今あちらから、ここに居るに相応しくない兵士が目に入って来たが? なんだアイツは」
いやいや、それを言うならあんたもな? もう屋敷に一度置いて来ようかな? コイツ。
「兄様? 勝手に何処に行かれるのですか!」
「お、おい? チェシャ!!」
なんだアイツ! 急に走り出したッス!
意外と早いっ!あ、そういえばあの人これでも武術や剣術は一通り嗜んでいるんだったか?
それでこの美貌とか、無駄にスペック高いのやめてもらえませんかね? そのどれか一つでも常識的素養に作用すれば良かったのに!!
「だぁあああ!! チェシャ! 止まれ! とまっ・・・」
バァアアアン!!
なんだ? あの部屋に一体何があるっすか?
ん? 数人の兵士がこんな狭い部屋で何を・・・・。
「・・・・・ムグッ?」
「なっ!! なんだお前! どうして、人が・・・・」
・・・・・・・ちょっと待て。どういう事だ?
なんでメリルがこんな所に?
「な、何をしているお前達・・・・メリル?」
こいつ等・・・・メリルを押し倒して何してやがる!
「くっくそ! お前等さっさと・・・・ッ!」
ザンッ!!ゴトリ
「即刻その汚い手を離せ。コイツの様に胴体と首を斬り離されたくなければ」
「ヒィッ!! あ! 貴方は・・ナシェス、さ、ま?」
「兄様! やめろ!」
いや、リディ様。チェシャの行動は正しいッスよ?
だって、メリル。お前そいつ等に何された?
ドゴスッ!!
「・・・聞こえなかったッスか? 即刻手を離せって言ったッスよ? あ? 聞こえなかったッスか? じゃあそんな役に立たない耳は必要ないッスね? 潰していいッスね?」
「ち、違っ!! あ、俺たちは・・・な、なんで?」
「ブハッ!! イテテッ! こんにゃろう・・・思いっきり殴ってくれちゃってまぁ・・。あーあ。服も下着もボロボロじゃない・・・・・・・」
「「「ブチリッ」」」
「ん? あれ? なんでリディまで居るの? 」
あー。そういう目的ッスね?
そういう目的で連れ込まれたんッスね?
・・・・・メリルお前何やってんだ!!
「一人だけ残しておけ。後は殺しても構わない」
「だ、そうッス? チェシャ、全員は殺さない様に」
「フンッ! 気に入らんが仕方あるまい」
はーい! じゃ、事件の真相を詳細に包み隠さず教えてくれそうな奴は手を挙げなさーい! あと、汚い手でメリルに触った奴もな! いち早く処す!
「ちょっと三人共? 少し冷静になってよ。取り敢えずコイツらそのまま捕まえて牢に入れて。口止めする為に殺されでもしたら首謀者が分からなくなるでしょうが!」
「お前、どうでもいいがその格好をなんとかしろ。仕方がないから私のマントを貸してやる」
は!チェシャの癖に気が効きやがる。
いけないッス。
思わず頭に血が上ってまともな思考力がなくなったッス。
「ありがと。あと、これも外して。魔力を抑える拘束具。これが付いてても魔法使えるけど、上手く操作出来なくなるから」
ザシュッ!!
「ぎゃあああああああ! た、助けてくれぇ!」
隙を見て逃げようなんて無駄ッスよ?
お前等一人たりとも逃がさない。
ここでメリルに何をしやがったのか洗いざらい吐いてもらうっすから。
「それでは・・・誰かの策略で襲われたということか?」
「だね。チェシャを連れて来ておいて良かったわ。下手すると宮廷を破壊しかねなかったからね?」
つまり、拘束具を付けられて魔力を上手く操作出来なかったからされるがままだったって訳ッスか? ざっけんな!!
「お前っ・・・・・!」
「阿呆かお前は!! そんな事の為に体に傷など付けるな!構わず魔法を使え!! 宮廷など壊れてもなんとでもなる!だが、お前はそうはいかない! 何よりも自分を優先しろ!!」
「・・・何を大袈裟な。こんな事で一々熱くならないでよ三人共」
この人、自分が何されたか分かってるのか?
複数の男に押し倒されて服や下着を引き裂かれてたんだぞ?なんでお前そんな冷静で、いられるんだよ!!
お前はそれでも女か!!
「こんな事、外では日常茶飯事だったわよ。女はいつだって男の欲の吐き出し場なの。相手が子供だろうと関係ないのよ」
「ーーーーーなッ!」
メリル・・・お前、本当に・・・今まで一体どんな目にあってきたんだよ。
やめろよ。
「・・・・・・メ、メリル」
「目を背けたくてもこれが現実よ。今も日常的に被害に遭っている者は多い。弱い者は、すぐに殺され生き残っても酷い傷を受けて生きていかなければならない。あんな場所に住んでいて、ずっと清いままで居られる方が奇跡に近い」
そんな冷めた目で、俺達を見るなよ。
まるで、俺達まで、責められている気分になる。
正直、そんなものと同じ男と分類されている、なんて思うとかなり傷つく。例えメリルがそのつもりが無くても。




