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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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最近のメリルの近況報告

皆さんこんにちは!


私はメリル。


カスバール首都にあるセスターゼスの宮廷で薬師の傍、アースポントに魔力を提供する仕事をしてる。


半端強制的にね!


でも色々あって最近はまぁ、私も協力しようかなって気にはなってるんだけどね?


それより聞いてよ。


この前突然現れて周りを騒がせた私の伯父ことデズロさんと、隣の国の元皇帝様。私になんの挨拶も無く帰っちゃったの! 酷くない? 話によると、突然空に吹っ飛んで行ったらしいよ? ダイナミックかコラ。


「・・・・まぁ、また来るって行ってたんでしょ? 気長に待てば?」


来た時はそこまで感じなかったけど、やっぱり皆デズロさんを頼りにしてたみたい。落ち込み方が半端ない。


アースポントをサクッと二つも作っちゃう人だもんね?

そりゃ惜しいよねぇ。だが、不服である。


「何よ? 私じゃ不満だとでも?」


「め!めめめめめ滅相もございません!!」


めめめ? なんだ、明らかに動揺してるよね? あん?


「・・・その辺りで許してやれ。それで、アースポントに魔力は注げそうなのか?」


「はい。しかし、試してみて改めて、メリル様がどれ程に優れた方なのか再確認させられました」


まぁね、私は凄いわよ? 今更気付いたの? 遅いよ。


「どういう事だ?」


「まず、一人では全くアースポントを満たすことなど出来ません。恐らく何回か繰り返す、もしくは数人で魔力を注がなければいけないのです。そして、時間もかなりかかります。そうしている間にも、魔力は消費されてしまいますから、常に魔術師がついていなければならなくなります」


そうなのよねぇ。

でも、あまり引っ付いてると、その人の魔力が全て吸い取られて危険だからそれも出来ないしねぇ。


「・・・・そうか。では、魔力を持つ者を集めなければならなくなるな。しかし、人をそこまで雇う程の余力がないな」


「別に暫くは私一人で三つとも満タンにすれば良いのでは?この前試したら余裕だったけど?」


ザワリッ。


ん? あれ? 何その顔。

あんたら本当に私の能力の事ちゃんと理解してなかったんじゃないの? それで土下座とかしてたの? 阿呆なの?


「三つを満タンに満たして・・・・余裕、なのですか?本当に?」


「そだね? 問題はなかったわね? 相性が良いのかもね?」


リディが渋い顔してるから、このくらいにしておこ。


リディってやたらと私の心配ばかりしてる気がする。

巻き込んだのはリディなのに、今更じゃない?

リディのよくない所だと思う。中途半端なんだよね。色々さぁ。


「各領地からも順調に安定した税の徴収が行えるぐらい国も回復して来ております。魔力が強い人間を雇い専門の部署を設けては? 準備が整うまでは、メリル様のお力をお貸し頂くという事で」


「そうだな、考えてみよう」


カスバールね、大分緑が増えたんだよ?


あんなに黒い大地が広がってたのに、今では半分以上は緑が見える。まだまだ少ないけど、順調に回復してるんじゃないかな?そういえば最近あんなに煩く付きまとって来たブリッツォ。私の所に来なくなったんだ。不思議に思ってクリオルに尋ねたら笑って誤魔化された。なんだろね?


折角だし少し様子を見に寄ってみるか。


「え? メリル? どうしたの珍しい」


いや、そりゃこっちのセリフだよ。どうしたのあんた。


「何コレ。・・・・新薬の研究?」


私も見た事がない配合式だわ。興味深いわね?


「・・・・今、宮廷内にある医療書全てを書き直している所なのよ。私達が使用していた本は何度も誰かに手を加えられて使い物にならなくなっていたようだから。その中にあった配合式の一つよ。何の式だと思う?」


風邪薬、ではないわねぇ?

傷を回復させるものでもなさそう・・・それに、この文字は・・・・・。


「・・・・・ん?これ、人間に使う物じゃない? 植物の栄養剤か何かの薬?」


「正解。土壌の穢れを無くし植物に栄養を与える事が出来る薬らしいわよ。でも、一部の式が欠けていて分からない。コレを私は今考えている」


それはいいわね。


この薬が出来上がれば、カスバールの腐った土地が蘇るかも知れないね。そうすれば、人が住める場所が増える。


「・・・・メリル」


「ん? 何?」


「私は、元々薬学研究者だった。人手不足で医療官に就いたけれど、きっとずっとこの仕事を見下していたのね」


そういうもんかな? 確かに似ているようで少し違うもんね? 私にしてみたら、薬学も医療も同じ事だけど。


「私、愚かだったわ。どちらだろうと目的は同じよ」


「そうだね。そう思うならいいと思うよ?」


カッカカカカカカカカッ!


「因みに私の見解はこう。どう思う?」


「私より先に解くのやめてよ!! メリルの馬鹿!」


いや、解けたかどうかはまだ分かんないよ。

それはブリッツォが確かめて。


さて、そろそろ屋敷に帰らないと。


・・・・・ちゃんとお留守番出来てるかな?



「チェシャ〜! もっと高く、持ち上げて」


「貴様!この私をこき使うとは恐れ多いぞ! このくらいか?」


「もうちょっと〜。やっぱり俺、変幻する?」


「だ、駄目だ! あの女に怒られる!」


えっと? あの二人何してんの?


チェシャ、プルプルしながらシャミを高く持ち上げてるけど・・・何してる?


「ただいま。この状況・・・・どうした?」


「あ! メリルお帰り〜」


「わっ! お、おいコラ!」


うん。シャミは可愛いね?

でもいきなり高い所から飛び込んで来るのはやめて。

勢いで背後にぶっ飛んじゃうよ? 私、体小さいんだから。


「あのねぇ! キラキラの馬車がいくつも宮廷に入って来たよ?何だろね?」


へぇ? そんな豪華な馬車宮廷以外に存在するんだね?

ここに来たって事は珍しくお客さんかな?


勿論ちゃんと入り口から入って来る真っ当な客人の事を私は言っている。


「お帰りなさいませメリル様。全く、また騒々しくなりそうですわね?」


「そうなの? テニアはアレが何なのか知ってるの?」


あれ? もしかして知らないの私とシャミだけとか?

んーーー?


「・・・・リディ様の婚約者候補の方達ですわ。と、申しましても、元々はナ・・・チェシャの、ですけれど」


ほう? そういえばこの人元皇太子殿下だったね。

今も一応殿下には変わりないけど。


「それは気の毒に。アイツらの相手は欠伸が出る程つまらんぞ? 妃候補から外した筈なのだがな? 懲りずに押しかけて来たのか」


そっか。リディもそろそろ妃を探さなきゃいけないんだねぇ。大変だ!


・・・・そんな事を呑気に考えていた私を、後の私は殴り飛ばしてやりたい。何故、先手を打っておかなかったのか。


「リディ様には心に決めた方がおられます故、あなた方は妃候補にはなれませぬ」


「そんな! 一体ここにいる者以外誰を召し上げると申すのですか?」


どう勘違いしたらそんな展開になるのか、私は奴等に問い詰めたいと思う。


「この国の宝。大魔術師のメリル様でございます。いずれその方が、この国の妃に迎えられるのです」


ざっけんな!! 誰がいつそんな事を了承したの! 私は誰とも結婚しないし、恋なんてしないって言ってんだろが!

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