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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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メリルはリディの兄に会う

ナシェス・ディムレム


リディの兄で皇太子殿下だったがその資格を剥奪され、現在離宮に軟禁されている。

ティファを自分の物にしようと暴走し、ティファに逃げられた男。

「はぁ〜お茶・・・美味しーい」


「そうか。それは良かった」


あ? こんにちは?私メリル。

最近居心地が良くなっちゃってアトレイア様の所にちょくちょくお邪魔してるんだ。え? いや、この前私が泣きっ面で帰った後ここから飛び出して行っちゃったでしよ?

流石に失礼だったかな〜? と、思って謝罪に来たらね?そんな事はいいからお茶とお菓子をお食べって出されて食べたらそれはもう驚きの美味さでね? こりゃ皇族の人ってやっぱお茶もお菓子ですらも私達とは口にするものは違うなーってガッついてたら、またおいでって言われたから最近は通ってる。


それにね。ここ、凄く静かで落ち着くんだよね。


「アトレイア様はずっとここに一人でいるの? 暇じゃない?」


「少しは仕事もする。だが、そうだな。殆どここから出ない」


へぇ? 元皇様なのになんだか可哀想。


私、皇様ってもっと贅沢してるイメージだったんだけど。

いや、着てるものとか食べてる物はそりゃぁ私達よりは良いものだよ? でも、全然派手じゃないというか、慎ましいというか。・・・えっと、ん? そうそう! 今こちらに向かって歩いて来る人みたいな煌びやかな服とか着てそう・・って、あれ? お客様ですか?


「・・・お久しぶりです」


「お前、何故こんな所に?」


この人誰だろ。

無駄に見目麗しいな。


薔薇を背負ってても違和感ないぐらい存在が派手派手しい。無駄に。


「・・・・この者は?」


おい。不審者を見る目やめてよ。

私からしたら貴方が不審人物だから。


「彼女はメリル。アースポントに魔力を注いでくれている。我等に協力してくれている薬師だ」


「アースポントに?では・・・・・」


「あの〜? アトレイア様こちらの方はどなたでしょう?」


ん? 何? なんでそんな驚いてるの? 人の顔見下ろさないでくれない? 不愉快。


「・・・お前まさか、私を知らないなどと、言うつもりではないだろうな?」


え?知らん。


「えっと・・・・何処かでお会いした事ありましたっけ?」


流石にこんな派手な顔の奴、一度見たら忘れられないと思うよ? え? なんで絶句?


もしかして、本当に何処かで顔合わせた事あったかな?

うーん? 実は私の近所の住人だったとか?


煌びやかすぎて変装してたら気付かなかったとか?

いやいや? これは幻惑魔法でもかけないと無理でしょ?

だってこの人そこに立ってるだけで目立つもの。隠密とは一生縁がないタイプよ? きっと。


「全く似ても似つかないが、やはり姉妹なのだな? この私を知らないなどと。私はナシェス・ディムレムだ」


「・・・・・え。じゃあ、貴方リディの?」


「そうだ。私の息子でリディの兄だ」


「・・・・・・・・・・・・・」


似てねぇええええええええ!!

全くカケラも似てない!!

え? 私とお姉ちゃんぐらい似てない!!ん?


「あれ? じゃあ、お姉ちゃんを取り返そうとして失敗したのって、貴方?」


「・・・・なんだ。それは知っていたのだな? わざわざ私自ら迎えに行ってやったものを、アッサリと振り払い、逆に笑顔で罵倒されたぞ。清々しい程の拒絶が逆に気持ちが良いぐらいだった」


何故ウットリ顔?

なんだコイツ気持ち悪いな。そりゃ拒絶もされるわ。


「それで? お前は離宮から出る事を許されていない筈だが?」


「デズロ様に呼ばれたようで。やはり私を殺す事にしたのですかね?」


殺す? お姉ちゃんを取り返そうとしたから?

いくらなんでも、そこまではしないでしょ?


「まさか! なんでデズロさんが貴方を? お姉ちゃんを取り返そうとしただけで?」


「ティファはデズロの実の娘だからな? 私がティファにした事が許せなかったのだろう」


おい。ちょっと待て。

二度目の初耳話に私の優秀な頭脳が追いつかない。


「・・・・・・実の、むすめ・・・」


「待て。ナシェス」


「私達もデズロ様から知らされるまで知らなかったが、ティファが生き別れた娘だったとは・・・やはり彼女のあの強さは親譲りだったのだな」


デズロさんの娘? え? でも、デズロさんはお父さんのお兄さんだよね? じゃあ、もしかして私とお姉ちゃんって・・・・本当は姉妹じゃなくて・・・従姉妹なの?


「ん? 待てよ? ではお前はティファの本当の妹ではないのだな? それでは似ていなくて当然だ。比べるまでもなかったな?」


「ナシェス!!」


「・・・・なによ。・・・・みんなして、なんなのよ」


じゃあ私はずっと皆に騙されてたの?


お父さんにもお母さんにもお姉ちゃんにも。


私一人だけ家族だって思ってた?


「メリル・・・ナシェスの言葉を鵜呑みにしてはいけない。ちゃんと事実を確認しなさい。ナシェスがデズロと会う前にデズロと話しておいで?」


アトレイア様。


なんだろう。この人に言われると妙に気持ちが落ち着くんだよね? ・・・そうだよね。ちゃんと聞いて来よう。

大丈夫。今度は飛び出して行ったりしない。


「テット!!」


「はいはーい? お茶会は終わりましたか?」


「デズロさんに会いに行く。今すぐ」


なんだよ〜。何笑ってんだよ!腹立つなぁ。


「ええ。何処にでもついて行くッス。行きましょう」


「なんだ? 途中で席を立つとは無礼な女だな?」


この人と話してると、ここが皇宮だって思い出すわね。

実に皇族らしくて、不遜だわ。

あと、アトレイア様とのお茶の時間を邪魔されて少し気分が悪くなったから、一言いいかな?


「貴方、女性に全くモテないでしょ?」


「・・・・・は?」


「女性の扱いがまるでなってないもの。リディの方が数倍マシ。無駄に派手な顔面な割に女性のエスコートもまともに出来ない男なんて、女性に振り向かれないのは当然だわ。ましてやお姉ちゃんをそれで振り向かせようなんて論外!」


何キョトンとしてんだよ。テットおいコラ!笑ってんじゃないわよ?笑うの我慢してるけどバレバレなんだよ、 この軟派男が!


「自分が完璧だなんて勘違いしてるから失敗するのよ。一度その無駄に高い自尊心、見直したら?」


あーーーーースッキリした!

さ。スッキリした所でデズロさんに会いに行こう!

今なら冷静にデズロさんの話、聞けそうな気、するわ。


「な、なんなんだあの女!! 初対面の癖にこの私にあの態度!! 私が女にモテないだと!! そんな訳ないだろうが!!」


え? それ本気で言ってる? 戻って言い返すの面倒臭いから

心で悪態だけついとくね?


アンタ絶対一生結婚できないよ。いや、マジで。

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