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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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テニアは仕事が欲しい

はーい。

強烈キャラ追加されまーす。

「お前はもう此処では使わない。他の仕事場へ回してもらえ」


「それは何故でしょう?伯爵様」


皆様御機嫌よう。

私はテニア。


伯爵家でずっと侍女を務めて参りました。


今回私を使って下さっていた旦那様の息子様がこの屋敷の後を継がれるにあたり大幅な人事異動・・・所謂首切りが行われ、私もその中の一人らしいです。


本当意味わかりません。

私かなり使える人材ですのに。


「お前が側にいては俺の気が休まらない。俺は仕事から帰って来たら休みたいんだ。お前の顔を見ると家でも仕事をしている気分になる。不愉快だ」


だ、そうです。

理解不能ですわね?

本当にあの男、侍女を何だと思っているのでしょうか?


私達は主人の身の周りのお世話をするのが仕事ですわ。

つまり年中仕事をしている訳です。それなのに、主人の前で寛げなどと。それが出来ないのか気にいらないなどと。


本当に意味不明。謎の生き物ですわ。


「テニア。すまないね?私の屋敷も手が足りていてね・・・こんな事なら最初から私の屋敷に連れて来るのだった・・・あの馬鹿が・・・」


「そんな。勿体ないお言葉ですわ」


しかし困りましたわね。

どこも人手が足りていて、仕事をする場所などないですわ。


もう、宮廷でのお仕事は諦めて、何処かの領地のお屋敷にでも求人を申し込んでみようかしら?仕事求む!


「そういえば・・・最近宮廷での新しい魔術師様のお世話役を探していると耳にしたのだか、大変かも知れないが、君なら務まるのではないかい?」


あら?そんな大役私に務まるでしょうか?

しかも魔術師様なんて、範疇外ですが・・・。




「いやぁー!!いやいやいやぁ!!絶対帰る!もうこんな所うんざりなんだから!」


「落ち着け!だから今、薬草を取りに行っていると言っているだろう?何故それが待てないんだ!!」


「待てない!!私は今すぐ作りたい物があるの!それなのに、こんな所に閉じ込められてる所為でそれが出来ない!!サッサと此処から出しなさいよ!馬鹿!」


私。今とんでもない物を目にしましたわ。


恐らくあの方。あ、今猛烈に駄々を捏ねてらっしゃる女性ですわね?


あの方この国の陛下に馬鹿と、()鹿()と言い放ちましたわね?


「・・・・・メリル。あと少しの我慢なんだ。それと、今日こそはアースポントに手を当てて欲しい」


「嫌よ!何でやりたくもない事、私がやらなきゃいけないのよ!あんなの私じゃなくてもいいじゃない!!」


これは、ある意味修羅場ですのね?


私、一応案内されて通された筈ですのに全くこちらに気づいておりませんわね?さて?困りましたわね。


「いい加減にしろ・・・こちらが黙っていれば好き勝手に・・・」


「陛下! お初にお目にかかります。お取り込み中、私などが口を挟む事、お許し下さいませ」


あら、やはり全く気付いておりませんでしたわね?


よく分かりませんがこの方、陛下に無理矢理連れて来られたご様子ですが、恐らく此処まで言われて陛下が我慢されている、と、言うことはとても大事なお役目があるのですわね?分かりましたわ。


「今日からメリル様付きの侍女に任命されました。テニアでございます。以後お見知り置きを」


「え?私付き?そうなの?」


まだ求人段階でしたが、これは恐らく他の者では務まりませんわ。私、難しいお仕事ほど燃えますの。


「メリル様?貴女は、とても優秀な方だと伺っておりますわ。貴女は数百年に一度の逸材。この国の救世主だと伺っております」


「・・・・・え?そう、なの?」


挿絵(By みてみん)


「はい。故郷が破壊され、お辛い気持ちを律っしてこの国の人々の暮らしの手助けをする。その美しい心根に私、いたく感動致しました。貴女は私達弱き者を支えて下さる女神様ですわ」


間違ってはおりませんわね?私詳しい事はわかりませんが、強ち間違いではないのですね?周りの人間が頷いておりますものね?このまま押しますわよ?


「メリル様。どうか貴女のご慈悲とお力で、少しばかりお力をお貸しくださいませ。お辛いのなら私が側でお支え致しますので」


「え、えー?いや、そんな大袈裟な・・・ただクリスタルに触るだけでしょ?別に大したことじゃないよ?」


「そうなのですわね?流石メリル様!!天才ですわ!!そんな事メリル様以外誰も出来ない事ですわ!ではお力をお貸し頂けるのですわね?」


「え?えー?天才って〜まぁ間違いじゃないけどぉ〜そんなに言うなら・・まぁ今回は・・・」


ふふふ・・チョロ・・ゴホン・・素直な方でよろしい事。

それに、とてもお可愛らしい。


私、こんな可愛らしい女の子のお世話する事、ずっと夢見てましたわ。弄りがい、ありそうですわね?


「では、私もご一緒させて頂きますわ。メリル様の勇姿を是非とも、この目で拝見させて頂きたいですわ!」


「え〜?しょうがないなぁ?本当に大した事じゃないんだよぉ?ただクリスタルに触ってるだけなんだからぁ?そんなに見たいの?」


「是非!メリル様!!」


「はーい。じゃ、俺が場所案内するッス!レッツラゴー!」


ギィイイ。バタン。


「「「・・・・・・・・・」」」


ブチリッ!!


「なんだ今のは!! 何で私の言葉には従わないのに他の者の言葉にあんなアッサリと!!私を舐めきってるのか!! あの女ぁあ!!」


念の為メリル様のお耳、さり気なく塞いでおきますわ。


それにしてもラッキーでしたわ。あんな伯爵家のむさ苦しい馬鹿男に仕えるよりも、この方に仕える方がよっぽど楽しそうですわね?


「また、強烈なのが来たなぁ」


取り敢えず仕事を円滑に行う為にも、この男とも上手くやらないといけないですわね?私、男は好きませんが仕方ありませんわ。


「宜しくお願い致しますわね?どうぞお手柔らかに」


失業して一日で新しい仕事をゲット出来るなんて、私本当自分が有能すぎて怖い。


いざ、エンジョイライフですわ!

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