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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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シャミはデズロに抱っこされる

「うん! 美味しかったぁ! エルハドご飯も食べずに魔物倒すのに夢中になるからさぁ?ご飯食べそびれたぁ! 戦闘狂め!」


「何言ってる。お前も実はノリノリだっただろう。ノリノリで好き勝手に魔法をここぞとばかりに連発していただろう? 私一人の所為にしないでもらいたい」


俺、シャミ。

今日はメリルの親戚? が訪ねて来た。


この大人なのに子供みたいに喋る人がメリルの、お父さんの、おにいさん? なんだって。ふーん。


「アレ? 子供がいる。誰かの子?」


「いえ。元々奴隷商人に捕らえられていた子で今はメリル様の弟子としてこちらにおります。シャミです」


「そうなんだ? おいでおいで〜?」


なんだろ? あ、抱っこしてくれるの? あれぇ? この人なんだか凄く気持ちいい。


「シャミ?へぇ・・シャミが自分から抱きついて行くなんて珍しい・・・」


「あーこのくらいの子は可愛いねぇ? 僕にはもう一人大きい息子がいるんだけどね? その子も子供の頃は可愛いかったなぁ・・・今も可愛いけど」


「お前の可愛いは当てにならんな。巨大な動く石の塊に対しても可愛いとほざいていたしな?」


「僕の中の芸術的センスがそう思わせるんだよ? ほらぁ僕天才だからぁ?」


「言っている事の意味がわからない。そしてお前に芸術的センスなどカケラも感じられない。人をおちょくるのも程々にしろ」


もう一人の男の人は、とても大きくて強そうな人だよ。

実はこの人隣の国のとても偉い人なんだって。えーと・・・どれくらい偉いのって聞いたら、リディ様ぐらいって言ってた。あれ? でも、リディ様ってこの国で一番偉い皇様だよね? どういう事だろ?


「えーーーと。こんな粗末なお食事で申し訳ありませんでした。本当に、私の食事などで良かったのですか? 宮廷付きのシェフもちゃんとおりますのに」


「いいのいいの! 勝手にお邪魔したのはコッチだし! それに俺達見つかった途端どの道そっちに行かなきゃならないでしょ? そしたら嫌でもその料理食べるだからぁ。僕かしこまった料理嫌いなんだよねぇ」


そうなの?

俺、ここのご飯しか食べた事ないからよくわかんない。

どう違うんだろう?ナデナデナデ。うん、気持ちいい。


「それで、デズロさん私に用事って? 今まで一度も会った事、ないよね?」


「そう! 僕も一生会わないかと思ってた。実はさぁ、ちょっと厄介な事になってね? それに、メリルの作った薬が絡んでるんだ。それでメリルの意見を聞きたくて。本当はテゼールに会いに来たんだけど、どうも行き違いになったっぽいんだよねぇ」


「あ、そうなんだ? なんだぁ、お父さんに会いに来るつもりだったんだね? ちょっと安心した」


メリルやっと笑った。

なんであんな怖い顔してたのかなぁ? この人とても気持ちいいよ? 側にいるとホワホワするよ?なんだろコレ。


「実はな? ティファが、君の姉が、ここにいた時に君から貰った秘薬を使用したらしいのだが・・・」


「え!?あの超最高傑作をお姉ちゃん使ったの!! 聞きたい! どれ程の効果だったのか是非、事細かく教えて今すぐ!!」


「・・・・・・それが・・・」


「え? 何その反応。まさか、何も起きないなんてあり得ないよ? あれはお姉ちゃんの身体を知り尽くした私がお姉ちゃんの為だけに作った二度と作れないであろう作品! 最高傑作なんだからね!!」


メリルはお薬の事になると人格が変わるらしい。

いつもより元気になってウキウキ楽しそう。

メリルが嬉しいと俺も嬉しいな。


「ティファは、使っていないんだ」


「・・・・・・・・はぁ?」


「致命傷を受けた女の子に使っちゃったんだ。それで、生き返ったんだけど・・・その副作用なのか、今死にそうになってて大騒ぎになってるんだよねぇ〜」


バタンッ!

あ、メリル? 倒れちゃった。大丈夫?


「・・・・・・あ、・・あの阿呆・・・やりやがった」


あ、メリルがキレた。

俺、耳押さえた方がいいのかな?大丈夫?


「メリル様。落ち着いて下さいッス。その、秘薬とやらの説明を求めたいッス」


「説明? アンタさ? 他人の内臓をいきなり自分のと交換されてまともに機能すると思う? それぐらいの衝撃よ?」


「あ、分かりやすい説明感謝ッス。でも例えがグロい!!」


「あの女ぁあああ!! あ・れ・ほ・ど!! 注意したにも関わらず! お前のその耳は飾りかぁ!!」


メリル。メリル落ちついて?

そんなに足で床を蹴ったら床が抜けると思う。


「・・・つまり、ベロニカの体内はぐちゃぐちゃになってるって事だね? 命は吹き返したけど運良くって感じかな?」


「いや、あの秘薬はそういうものなの。死にそうな程、体を酷使した時、身体を復活させるように作った。お姉ちゃんが使えば問題なかったけど、他人が使ったから命を吹き返す事を優先に薬の羅列が組み替えられた可能性がある。こればかりは、私が直接その人を見ないと分からないよ。どうするつもり?」


「・・・・うーん。一応聞くけど、メリルサウジスカルに来るつもりは?」


「ない。っていうか行けない。今私がそんな事したら大変な事になる。それに、私も行きたくないもん」


・・・メリル? どうして、そんな顔するの?

なにか嫌な事でもあったのかな? 俺、メリルに撫で撫でしてあげるよ? そんな悲しそうな顔、しないで?メリル。

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