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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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メリルは薬室を掃除したい

ッスッスうざい!(byメリル)

「うん!広さ的にも場所的にもここが一番いい!宮廷からも適度に離れてるし、ここに決めるわ!」


ここの宮廷、ここまで案内されて気づいたけど使われてない部屋多いよね?


こんなに部屋が空くなら、部屋数少なくすれば良かったのに。勿体ない。


「へぇ?こんな所に調剤室がある屋敷があったんッスね?でも、ここだと宮廷からも通うの面倒じゃねッスか?」


「通わないわよ。私ここにずっといるもん。わざわざあっちになんて帰らない。面倒くさい」


「え?でも、身の回りの世話とかどうするんッスか?」


「そんなの必要ないもの。身の回りの事ぐらい自分で出来る。貴方も私の事ほっといていいから。私、殆どこもりきりで薬作るから暇なだけよ?」


何よ?その微妙な顏。なんか腹立つわぁ。良からぬ事考えてたっぽいわぁ。


「うーん。本当はすぐ調合に入りたいけど、まず部屋を片付けないと・・・。庭もついてるから畑も作らないといけないし・・・・ブツブツ」


「はは!流石に畑は1日じゃ無理じゃないッスかね?中掃除するのに使用人呼びましょう」


「よし!取り敢えず全部洗い流そう!ちょっとアンタどいててくれる?」


お父さんには絶対普段生活魔法は使うなって言われてたけど、この広さを片付けてたら一日中かかっちゃうもんね?

パパッといっちゃおう!


「はい!洗浄するよ!ウオッシュ!!」


ビュンッ


ザザァーーーー!!!ビシャン!


「い!?」


「ハイハイじゃあ洗い流したのを乾かすよ?ドライ!!」


ガタガタカタガタガタ。


「お、おおおおおお?ええええ?」


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!ビュン。


「うんうん!壁も床も綺麗になったね?じゃ取り敢えず最低限の家具と道具を・・・・・」


ん?何よ?この人さっきから邪魔だなぁ。

用がないならそこに立たないでよ。

そこ出入り口なんだけど?


「メリル様って魔法でそんな事も出来んッスか?」


「え? 今の? うん? なんで?」


「な、なんでって・・・普通ああいう生活魔法は道具を介してじゃないと使えないって、俺聞いてるんッスけど?」


「みたいね? でも、そんなの面倒じゃない? 物を仲介しない方が早いし私は操りやすいもん。何か問題が?」


「・・・・・いえ。ないッス」


「あ、じゃあさっき運んで来てもらった荷物入れるの手伝ってよ!魔法でも運べるけど万が一道具が割れたら嫌だから慎重にね?」


この人急に大人しくなったけど何? まぁいいか? 黙って荷物運んでるし、ほっとこほっとこ!


この部屋の中にある階段の下が地下室ね。

そこも後で洗い流さないと。


「メリル様って普段どんな薬を作るんッスか?傷薬とか?風邪薬っすか?」


「そうだよ。でも、傷薬はともかく風邪薬は毎年病状が違うでしょ?だから毎回それを調べて、私は新しい新薬を開発する。あと、個人の体質に合った薬なんかも作ったりしてるよ?とにかく薬と呼ばれる物は何でも作る」


「・・・・・あのー・・・それ、何気に凄くないッスか?」


「まぁ私天才だからね?それくらいは当たり前でしょ?」


「・・・・・・・え?天才ッスか?自分で言う?」


何だよ、その不審そうな顔はぁ?


「昔ここで働いてた天才薬師がいたでしょ?聞いたことない?」


「そんな話聞いた事ありますけど・・・俺達産まれる前の話ですよね?」


「でしょうよ。だって、その人私のお母さんだもん」


だーかーらー?なんなの? その顔。

信じてないでしょ?


「宮廷薬室長マリオーネって呼ばれてたみたいだけど。知らないの?」


「ーーーーーーーーッな!」


何故絶句?お母さん、もしかして何かやらかしたのかな?

宮廷には近寄らないって言ってたもんね?あり得る。


「天才薬師マリオーネ様の娘ぇ!?メリル様が!?」


「そうだよ。てっきり知ってると思ってた。私の村の事調べてたから」


「た、大変ッス・・・これは、大問題ッス・・・」


もう、これじゃ部屋の片付けがいつまでたっても終わらない。


無視しよ!


「メ、メリル様!俺がやります!俺がやるんで貴女休んで下さいッス!」


あとこの人。ッスッス煩い。

黙れッスッス!!


「なんでよ!別に自分の事は自分でやれるわよ!なんなの一体さっきから!!もう!」


これだから人と関わるの嫌なのよ!とにかく面倒い!

空気読むとか面倒い!!

アアーー!!早く村に帰りたい!!


「やっぱ今からでも村に帰ろうかなぁ。・・・・うざい」


「か・ん・べ・んして下さいッス。俺の首飛んじゃうッス」


え?そうなの?それは流石に可哀想ね。

じゃあこの人がいない時に逃げ出そ。そうしよう。


「・・・分かりました。じゃあ、もうここに全員呼びますよ。身の回りのお世話は最低限させて頂くッス。その方がメリル様だって薬の調合に専念出来るんじゃないッスか?」


確かにそうだけど、それだと逃げ出す隙が失くなるじゃない!嫌だ!


「・・・・私、普段あまり人と接する生活送ってなかったから、人に沢山出入りされるのはストレスなんだけど?」


「じゃあ最低限に抑えますので・・・・」


チッ!しょうがないなぁ。

まぁ取り敢えず薬草が扱えるだけまだマシか・・・。


「分かった。でも、嫌だったら出てって貰うから」


「あざッス!」


うざい!!ッスッスうざい!!

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