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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
後日談&番外エピソード
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汚れた大人達

「それは、浮気だな」


「そうですわね? シャミ、残念ですが、それではメリル様と結婚は出来ませんわ」


え? 浮気? 何それ。

俺浮気なんてしてない。


「で、でも。今までだってメリル以外に、チューしたよ?」


確かにエドにチューしたけど、それは、はげます? 意味でしただけだよ? それなのに、浮気なの?


「だってシャミ、メリル様と約束したんだろ? メリル様以外とはチューはしないって」


「ハッ!!」


言った・・・約束した。

俺、すっかり忘れてた・・・・。

え? じゃあ、俺浮気? 浮気したの?


「あ、メリル様」


メリル! 違うよ?

俺浮気してないよ?

好きなのはメリルだけだもん。


「シャミ。残念だけどしょうがないね? 結婚は出来なくなっちゃったけど・・・家族にはなれるから、それでお互い我慢しようね?」


「メ、メリル・・お、俺。でも・・・」


「大丈夫だよ? 恋人や夫婦にはなれないけど、シャミとは今まで通りずっと一緒だよ? 書類上の記入が私の夫から弟に変わるだけだからね? しかも弟なら直ぐになれるよ? 手続きは弟の方が面倒じゃないの」


家族になれるのは嬉しい。

嬉しいけど、そうじゃなくて。

俺メリルの事守りたいのに。


「でも、そしたらメリル・・・俺以外と結婚する?」


「ははは!! しないしない! その必要はもう無いからね? リディが皇妃を迎えれば私が誰かと結婚する必要ないし、そもそもその話はとっくの昔に無かった事にされてるから! だから、シャミは不安にならなくて大丈夫だよ?」


そうなの?

でも、テットとテニアがさっきから怒ったような笑ってるような・・よく分からない顔でこっち見てるよ?


メリル勝手に決めてない?


「私、誰ともけっ・・・」


「シャミ!」


あ、エド?

ごめんエド。

俺エドにも悪い事しちゃった。

もしかして俺の所為でエドも結婚できなくなっちゃった?


「気にすんな シャミ 。そもそも結婚は子供の出生を明らかにしたり、住む所を決めたり国の決まり事を管理しやすくする為にあるものなんだってよ。だから、俺達平民はそこまで気にしなくても大丈夫なんだぞ? シャミが本気ならメリル様の弟になんてならずにメリル様の恋人になればいいんだよ」


・・・・そうなの?

確かに、夫婦は皆子供がいるもんね。

今の俺じゃメリルと子供は作れない。

・・・・そっか。


「お前もう10歳だろ? 大人の言いなりになんて、なるなよ。自分の事は自分で考えろ。分からないなら調べろ。何でもかんでも信じるなよ。大人だって間違えるんだからな?」


「・・・エ、エド」


「ですよね? メリル様」


エド? 何か怒ってる?

もしかして俺また何かした?

皆なんでこっち見ないの?


「簡単に約束なんてすんなよ。シャミを馬鹿にすんな」


「え? エド? 何が? 俺馬鹿なの?」


「違う。それより俺今から兄ちゃんの所に字の勉強しに行くんだ。シャミが読みたがってた童話を読むからお前来ねぇ? あれ、大人向けの本だから難しくて読めなかったろ?」


「え!? 行く! 凄いエドあれもう読めるの?」


「元々兄ちゃんが字の勉強してたから、俺も小さい頃から習ってたんだよ。シャミの方が俺より覚えが早い」


わー!? 凄いなエド。

剣の才能もあるって言ってたし。

俺の友達って凄い。


「あ、先に行っててくんない? 兄ちゃんが用意してくれてるから。俺メリル様とテットさんに用事あるんだ。直ぐに行く」


「え? うん?」


そんなの待ってるのにな?

あ、クリオルが待ってるから? 待たせちゃうもんね?


「・・・・俺、メリル様もテットさんも尊敬はしてるけど、シャミに関してだけは絶対許さないからな」


「・・・・エド」


「シャミには言わない。でも、これ以上シャミを振り回すなら俺はあんた達を許さない。子供だからって舐めんな」


「・・・肝に命じておきます」


でもそっか。

俺とメリルが結婚しても意味がないんだ。


じゃあやっぱり俺が男になるか、ずっと結婚しないでメリルの側にいる事しか出来ないんだ。


「ねぇクリオル。俺どうやったら男に戻れるんだろ?」


「そうだねー僕もアンドロギュヌスに関しては詳しくないからなぁ。シャミは、メリル様以外とは結婚する気ないの? 例えば、周りにいる男の子と結婚したいとか」


周りの男の子?

最近は、エドの知り合いの子と遊ぶ事あるけど、特にはないなぁ。


「・・・・・全く、メリル様も困った方だね。可愛がるのはいいけど、これじゃあなぁ」


「?」


「ごめんごめん! なんでもない。この本だよね? シャミもそろそろ、ちゃんと字を読み書き出来るようにならないとね? エドもうこの本一人で読めるよ?」


そうなの!?

なんだかちょっと悔しい。

俺エドに負けたくない!


「お待たせ〜ごめん遅くなった」


「エド。失礼な事してないだろうね?」


失礼な事?

エドはいつも礼儀正しいよ? 多分。

テットがそう言ってた。


「俺は間違ってない。大人って狡い」


「・・・・まぁ。あの三人には、いい薬にはなったかもね? じゃあ始めよう」


「エド? メリルに何か言ったの?」


俺、早く大人になりたい。

だから一杯勉強して大きくなる。


「シャミとずっと一緒にいるのはメリル様だけじゃないって言っただけだよ。俺達親友だろ?」


それで皆を守れるくらい強くなる。

エドと並んで歩けるくらいに!


「うん!」

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