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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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リディは何故か休まされる

「ハァ。本当に嫌になるわ」


「なんだ。今度は何があったんだ?」


などと聞いてはいるが、実はちゃんと知っている。

メリルお前ブリッツォに付きまとわれているみたいだな?


「私は静かな場所で薬を調合したいだけなのに・・・なんでどいつもこいつも私に干渉してくるの?最近ではここの医療官共が日替わりで私の所に押しかけて来るんだけど?余りに煩いから出禁にしてやったわ」


「ならいいじゃないか。来なくなったんだろ?」


「そしたらブリッツォの奴、クリオルまでこちらに来れないようにしやがったの! クリオルがこっちに来れないとエドも来ないでしょ?エドはシャミと仲良くしてくれるからとても助かってたのに!! 小悪魔天使が私の仕事の邪魔をする!」


大変そうだな?

そして平和だなお前。

私は毒殺されそうになって大変だったんだがな?


まぁそれもメリルのお陰で免れたがな。

だが、犯人は未だ分かっていないから安心は出来ない。


「一杯になったわね? 終了! じゃあリディ座って」


「は? 何故だ?」


「何故じゃないよ。診察よ診察! 薬も持ってきたから。そこ座りなさいよ!」


「いや、何故お前が? 私の体の事ならここの者に診せればいいだろ?」


「ざっけんな! あんなのに診せられるか恐ろしい! アンタ一応この国の一番偉い人よね?万全を期しなさいよ! グダグタかよ!」


意味が分からないしお前こそ口の利き方、気を付けろ。

お前も今言ってたが、私はこの国で一番偉いんだ。

偉いんだぞ?


ウォンッ


「・・・・ふんふん?うん、大分良いね?体の中綺麗になってきてる。あーーーでも、疲労が半端ないわね。寝不足でしょ?酷いわねコレ」


それは昔からだ。

別に病気ではないし、ほっておいてくれ。


「・・・睡眠薬は、やめた方がよさそうね。今、少し仮眠したら?私が寝かしつけてやろうか?」


「余計な事はしなくていい。アースポントに魔力を満たしてくれるだけで私は満足だ。それ以上をお前に求めたりしない」


そもそも、この間のポーションの件だってメリルのお陰で大分助かった。


宮廷で働く人材も少しずつ確保出来ているし、各地方の状態も把握出来てきている。


助けがいる場所の優先順位が明らかになっただけでもこちらの効率が上がり大助かりだ。


これ以上メリルの手を借りるのは逆に危険だ。


「別に、私が勝手にやってるんだからいいじゃない。はーい横になって」


「おい! いいと言っているだろう! 触るな!」


何故か体に力が入らないぞ?

お前私に一体何をした!ゾッ。


「興奮しないで。すこーし休むだけ。30分ぐらいで起こしてあげる。それまで私もアンタについてるから安心しなよ」


いや、そんな事言っているのではない。

寝てる間に刺客に襲われるとか、そんな事は心配していない。何の為にドアの外でラフィネラとテットが控えてると思ってるんだ。


「あ、枕がないと寝れないの?我儘。流石皇様。ソファーでは不満ですか?ほうほう?」


腹立つな貴様。

女じゃなければ、その舐めた顔潰してやるのに。

・・・いかんいかん。冷静になるんだ。


「ま、いいかぁ。ついでに頭痛の治癒もしてあげる。ほぃ、ここに頭乗せて〜」


「・・・・・ちょっ・・・と、待て。お前コレは流石に」


これは、見る者が見れば誤解される構図だぞ?

何で私はメリルに膝枕されているんだ?


「治療して暫くはスッキリするけど時間が経てば、また症状が出るから、酷くなるようなら薬出すわ。はい、目を瞑る〜」


お前、あんなに私を拒絶していた癖に最近なんだかグイグイ来るな?なんなんだ?どんな心境の変化なんだ。


ん・・・・なんだか、凄く心地が良く・・・・。


・・・・・・・・・・・すやり。




なんだ?やけに、頭がスッキリと・・・。




「あ、起きた。グッスリだったね? どんだけ寝不足なんだって話よ」


「・・・・・・・ここは?」


「寝ぼけてる?あはは! アンタまさか寝起き悪いの?」


私は何をしていたんだった?

頭は今までにないくらい軽いのに、思考がうまく働かない。


「リディ?大丈夫?ちょっとやり過ぎたかなぁ?慣れてないから体がビックリしちゃったかもね?」


あ、おでこに触れる手がとても気持ちいいな。

少し、冷たくて撫でられると心地いい。


「あーーー・・・気持ちいい。もう、少し・・そのまま」


「・・・・疲れてたんだね。大人に囲まれて毎日大変でしょ?気も張り詰めるだろうし。私なら無理だわ。考えるだけで鳥肌が立つ」


柔らかいな。

でも、もう起きないと。


政務が滞ってしまう。そう・・・政務が・・・ハッ!!


「リディ? 目が覚めた?」


「なっ!!」


ガバァ! ゴチン!


「いだぁ!!」


「デェ!」


しまった! 思わず勢いで体を起こしてしまった!

おい! 大丈夫か!


「私の素晴らしい脳みそが破壊されたらどうしてくれんの! ちょっと?」


「すまん、驚いて・・・っというか半端強制的にお前が私を休ませたんだろうが!完全に意識が落ちてたぞ!」


「スッキリしたでしょが! 目も覚めたならサッサと仕事行けば? まったく! 治療してやったのにこの仕打ち。流石皇様。不遜だわ」


だーかーら! お前がそれを言うな!


「お前、ただ治療したいだけだろ?何となくわかって来たぞ!」


「それが何か?私の好きにしろって言ったじゃない。文句あんのか!」


だから何でお前は皇帝の私よりも偉そうなんだ!!

その態度お願いだから外ではやめてくれ!


私が舐められるからな!!

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