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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第3章 翔ける想い
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テットは歯がゆい

「なんでって。貴女が一番好きだからよ」


あのさぁ。

簡単に言ったな?

ブリッツォあんた本当に流れるように口にしたなソレ?

そしてメリル様、普通に考えてたな?

いや、考えなくていいから。

好きでもない男と付き合ってどうすんの?


「ブリッツォ。次メリル様を連れ出す時は誰か他にも護衛をつけて下さいッス。勝手に連れ出されたら困るのはこっちなんすからね?」


「あら? そうなの? ()()()自身が困るんじゃなくて? 」


「もしかして探しに来たの? メモ、気づかなかった?」


気付いたから来たんだろが。

アンタ本当に自分の立場を理解してんのか!

しかも、こんな、恰好させられて・・・。


「テット?」


ムカつく。

なんだかわからないけど無性に腹が立つ。

お前なんでいつも他の男に仕上げられた状態で俺の前に現れんの? イライラするんですけど?


「どちらでも同じッス。連れて行きますので後はお一人でどうぞ?」


「あ、そう? メリルまた来ましょうね?」


次はねぇよ。

この先メリルが恋人を作るとしてもお前はない。

お前みたいなだらしない男にメリルを渡してたまるか。


油断してた。

ブリッツォは手が早い。

メリルに執着していたのは知っていたが、メリルが上手くあしらっていたから、アイツは無いと勝手に思い込んでた。


「テット? そんなに怒んなくても、ブリッツォだってそれなりに魔法が使えるから強いわよ? それに、私も・・・」


「なんなんッスか? その恰好」


「え?」


「その色、全然似合わないッス。ティファさんの真似ッスか?」


なんでメリルはそんなに隙が多いんだよ。

お前、危険な場所で暮らして、それなりに危ない目に遭ってきてるんだろ? 男が危険だって分かってるんだよな?


「な、何よ・・・それ」


「着飾るなら、もう少し自分に見合った服にして下さい。じゃないと、周りが勘違いするッス」


いや、はい。

これはもう。

どう考えても、俺が悪い。







「・・・・俺、最低」


正直メリルの仕上がりが余りにも可愛らしく、通りすがる男共が皆振り返るから思わずあんな事を口走った俺は最低の男だと思うッス。


アレ〜? 俺女性には基本的には優しい、はずなんだけど?

そして何故俺はこんなに焦っているのだろう?


「テット」


「うひゃ!」


「・・・え? 何その声。面白いわね? 驚いた?」


驚いたッス! あ、ちゃんとテニアが直ぐそこまで送ってくれたんすね? ん? テニア? 俺、目が悪くなったんすかね?

今一瞬テニアが、中指を立てた様に見えたッス!


まさかねぇ? あはは! オイ!


「もう、いい加減機嫌を治しなさいよ。悪かったってば! そんなに怒るとは思わなくて。ブリッツォとはそれなりに付き合いも長いし、大丈夫かと思ったの。次からは気をつける」


う〜ん。違う! ちょっと違う!

相手がリディ様とかラフィネラだったなら恐らくこんな風に怒ったりしなかったと思う。しかも、目の前であんな所見せつけられたら、さぁ?


「・・・いえ。俺も大人気なかったッス。折角のデート中お邪魔してすみませんでした」


「・・・・テット」


あれ? メリルなんでそんな悲しそうな顔するんだ?

言い方が冷たかったか?


「・・・私、誰にも恋しないって言ったでしょ? 別に、そんなつもり無かったし」


「そうですか。まぁどちらでも構いません。次からちゃんとして貰えば大丈夫です」


いや違うだろ? なんでそんな突き放した言い方するの俺?

メリルが、戸惑ってるぞ。コレ。


「そう。分かった。気をつける」


「あと、昼間の事ですけど」


「あ、もういいよ。テットが大丈夫ならそれで。じゃ!」


待て。直ぐ済む。さっさと話終わらせる癖、やめよう。

不本意だがあのまま誤解されるのは嫌だからな!!


「何よ! 腕掴まないで!」


「アレ、嘘だからな」


「はい?」


メリルって魔力は無限大の癖に筋肉はゼロだな。

やっぱり少しは筋肉つけろよ。


ちょっと引っ張ったくらいで簡単によろけるとか、心配でしょうがない。


「凄く、可愛かったから。ちょっとビックリした」


「・・・・・・・・・はい?」


あ。コレは全く分かってないな?

うんうん。そうだよなー? 知ってた!


「あの恰好で護衛も付けず男と出かけるのはな? 襲って下さいって言ってる様なものだからやめて欲しい。なんで俺が怒ったのか、正しく理解してくれ」


「・・・・・えっと・・・・うん?」


お前やっぱり肉もっと食えよ!

全然理解してないだろ? 肉だって重要な栄養素だぞ?

栄養剤にばかり頼るんじゃありません!


「そんな、如何わしい恰好では、無いと思うけど?」


「そう言う事じゃないッス! こういう事ッス!」


だぁああああ! もうこの子なんなんだ!

これはテゼールさんにメリルを再教育して貰わねば!

あと、メリルのほっぺすべすべのモチモチだな?


そして、コレは本気でテニアに殺されて変幻したシャミの餌にされるかも知れないな?


「な、何? なんで?」


「メリルだって前に俺にしただろ? こういう事されたくなきゃ二度とすんな!」


くそー!! 俺の我慢が・・・。

でも多分もうメリル、俺をクビには出来ないと思う。

俺は知っている。お前、()()の事好きだもんな? 卑怯だけど俺は開き直るぞ!


「え? どういう理屈?」


俺も自分に突っ込みたい! 何してんの俺!!

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