表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第3章 翔ける想い
144/194

ディアナは溜息を吐く

「久し振りですクララ様。お元気でしたか?」


本当にお前には心底肝を冷やされた。

そもそも最初からお前私を巻き込む気満々で連れて来たのに、結局自分が陛下に思いっきり目をつけられたな?


今では立派なリディ様の婚約者。

未来のカスバール皇妃様だ! やったなクララ!

ざまぁみろ!


「酷いですわ! こんな状態の私を嘲笑いに来たのですわね! ニヤニヤして・・・正式に皇太子妃に迎えられたらまずディアナを不敬罪で処してやりますわ!」


「そんな口一杯頬張りながら言われてもなぁ。クララ・・自業自得って言葉知っているか?」


一応役目を与えられてここに来ていたのに、お前は毎日何もせずムシャムシャムシャムシャと・・・役目を果たせ!

伯爵令嬢!


「・・・もう、ここには来ないかと思っていましたわ。家族は反対されなかったのです?」


「ん? 宮廷で働くと言ったら泣いて喜んでた。これで婿を探さなくても体裁が整うだとか、なんだとか?」


「・・・・貴女の親も、大概ですわ」


「お互いなぁ。お前の父親まさかの事態に最早土気色だったからな? バレた時点で覚悟はしてたんだろ?」


「そうらしいですわね? まぁ結果当初の予定通り私が妃になる事が叶ったのですから、子々孫々まで祀って頂いてもバチは当たりませんわね?」


ん? 何言ってるんだ、このお肉令嬢め。

寧ろお前の父親はこの奇跡にリディ様を祀り上げたいと思っていると思う。よくぞこんな娘を引き取ってくれたとな! 調子に乗るなよ?


「なんだ、ディアナも来ていたのか?」


「リディ様! 今日はこちらに?」


あれ? 何故メリル様がいらっしゃらないのにこちらに来ているのだろう? それに、いつもなら仕事が忙しくて抜け出す暇があまり無いと聞いていたのだが?


「ああ。クララがこちらに居ると聞いたからな。お前テゼールの料理が本当に好きなのだな?」


「あ。陛下も食べられます? 追加、頼みましょうか?」


「いや、気にするな。そして食べるか喋るかどちらかにしてくれ。淑女としてのマナーを守ってくれ」


「ですから、私も人前ではこんな事しませんわ。今は見られて困る者はおりませんので」


「居るぞ! 今目の前にな! お前の女性らしさは何処に行った? 装うつもりすらないのか?」


おや? この二人、意外と上手くいっている?

クララも前より更に素を出しているし、リディ様も前よりクララに親しげ? な感じだ。


これは、リディ様の意識の変化なのか?

クララを正式に妃にすると決めたからなのかも知れない。


「全く、口を拭け。ソースが付いている」


「ム? むふぉむふ」


・・・・いや。これは、子供を躾けている親?

お前自分をいくつだと思ってるんだ。


その手に掲げているナイフとフォークを置いて自分で口を拭けよ。当たり前の様にお世話されてるんじゃない。


ん?マリオーネ様? 何故二人をジッと見ているのです?


「陛下? いらしたのですか? 何か飲み物をお持ちしましょうか?」


「テゼール」


「なんだマリオーネ? どうした?」


「「・・・・・」」


ん? なんだ皆急に立ち上がって。

クララ最後の1つを思い切り口に詰め込んだな?

え? どうした?


「テゼール」


「・・・・・だから、なんだ?」


「テゼール。私はクララとディアナに用がある。悪いがこのまま連れて行くぞ」


「あ、そうですか。分かりました」


クララ。お前も散々ご馳走になったのだから何か一言って・・・あ、声が出せないんだな? 詰め込み過ぎて両頬パンパンだもんな。いや、お前本当に恥を知れ。


「ディアナ。そのまま振り返るな」


なんです小声で。

クララも激しく頷いているが、一体?


「一体何ごとです? あのお二人、何かあるのですか?」


しかし、特に何かしていた訳でもないしな?

確かに少しマリオーネ様の様子が変ではあったが。


「クララ。来るタイミングを間違えたな。マリオーネはああ見えてテゼールをとても愛しておられるのだ」


それは、いい事なのでは?

それに、あのお二人は夫婦ですので、当たり前ですね?


「ここに来てから、あの二人。落ち着いて二人だけで過ごせていないらしい。マリオーネも忙しく働いている。近くには、メリル達がいるから頻繁に二人の所に来るだろう?それに加え最近は()()だ」


・・・・・・ああ。納得しました。

邪魔なんですね? イチャイチャするのに私達が居たら。

そして、先程クララの口を仲良さげに拭いていたリディ様を見てとても羨ましくなったと?


え? 子供なんですか、あの方。


「私とした事が・・・危なかったですわ。危うく二度と美味しいお食事が食べられなくなる所でした。リディ様ファインプレーですわ!」


「放っておいた方がクララの為には良かったようだな?まぁいい。二人に用があったのは本当だ。少し聞きたい事があるのだが」


「おや? 珍しい。私も関係する事でしょうか?」


「ああ。ディアナと同じく公爵家の以前メリルを襲った疑いで呼び出した令嬢が居ただろう? 使用人を使い宮廷に近寄らないように仕向けた者だ。結局犯人は複数人の悪巧みで、主犯は別にいた為、謹慎と宮廷入城を禁止でおさめたのだが、最近彼女の様子がおかしいらしいのだ。何か知らないか?」


あ〜あの無駄にプライドだけ高くて今だにナシェス様にご執心の? 前は彼女が一番皇妃になる可能性が高いと言われていたらしいね? ナシェス様は全く相手にしていなかったらしいが?


「さぁ? あれ以来我が家も関わりを持たないようにしておりますので。その情報は、何処から?」


「子供の頃の友人があそこで勤めていたのだ。メリルの事件の時、そこの仕事を辞めてこちらに来いと言ったのだが、恩があると言って今だに屋敷で働いている」


「クララが、狙われると?」


「いや、まだそこまでは。ただ、気を付けておいた方がいいだろうな」


そうですね? 私も正直コレが私達の国の皇妃とかどうなんだと思う。他国にあらぬ誤解生みそうで困る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ