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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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メリルは子供を治療する

「どれどれ?ちょっとおでこ触るから静かにしててね?」


「はーい」


久しぶりのまともな患者だわぁ。

どれどれ?


フォンッ


おーーー片方の肺が真っ黒になってるねぇ?

こりゃ苦しかったでしょうに。見たところ、この子の兄もここの医療官っぽいのにちゃんと処置出来てなかったみたい。ここの医療官は無能ばかりなの?


「こ、これ、は?文字?いえ・・・なにかの数式ですか?」


「そ、この子に必要な薬の成分を分かりやすいように、この子が形成されている体の中の配合式を書き出すの。それを見て薬を調合する。これは私のお父さんが発見した方法よ。うん!これなら今ある薬草で何とかなるわね。テット!これ持って来て」


「えー?ここを離れるんッスか? 一応俺メリル様の護衛ッスけど?」


「え? じゃあアンタはここでは役立たずだね。ここに護衛は必要ないよ?つまり邪魔」


「はーい! 持って来るッス。・・・・シクシク」


なんだアイツ。

結局行くならいちいち口答えしないでよ鬱陶しいなぁ。

最初から素直に言う事聞きなさいよ。面倒だから。(辛辣)


あと、さっきからこの子の兄が私をメッチャガン見してくる。何?私に見惚れちゃった? わかるわかる!

気持ちは分かるよ? でも、気が散る!!


「あんまジロジロ見ないでくれない?不快」


「ハッ!も、申し訳ありません!初めて拝見するやり方なのでとても興味があって・・・失礼しました」


あ、そっちね?

わかるよ。私も医療に携わる人間だからね?

新しい技術があると聞けば飛びつくよ?


「これは会得するのにちょっと時間がかかるわよ?人の体内に自分の魔力を極微量流して中の状態を調べるの。体の組織の構造をある程度理解してないと難しいし、魔力のコントロールも必要になる。もし、出来るようになりたいならまず自分の体で練習したら?」


「え?僕でも出来るんですか?」


見たところ必要な魔力も持ってそうだし大丈夫じゃない?


「いきなりは無理よ。まずは自分の中の魔力を自分で操作する事から始めたら?・・・そうだなぁ。ちょっとおでこ触るよ?」


ウォンッ


お?この子結構いい魔力持ってるね?

得意なのは水属性かぁ。いいじゃーん?


「貴方水属性の魔法が得意そうだから、それを利用するといいよ。例えばこの器の中に水を作り出す練習でもしてみたら? ただ作るんじゃないよ? 一度自分の体の中に魔力を通わせる。それをちゃんと感じる事が出来るまで続けるの」


あれ?言ってる意味分かんなかったの?何故困惑顔?


「メリル様が、私に術の指南を?よ、よろしいのですか?」


「え?指南なんてしないよ?私はやり方は教えるけど後は自分でなんとかして?付きっきりとかめんどい」


「メリル様、採ってきたッス!」


「遅いよ。もっと早く持ってきてよ」


「酷いな!! 俺薬草に詳しくないんだからしょうがないッスよ!!」


本当にテットは使えないなぁ。

テニアなら言ったら即時に用意してくれるのに。

でも、いつも側にいるのはテットだからなぁ。うざい。


「よーし。もうこのまま作っちゃおうかな。治療しながら薬作るから、その間話しかけないでね?集中させて」


「あ、じゃあ俺達は外に・・・」


「えーと?クリオルだっけ?貴方はここに居て見てなよ。勉強したいんでしょ?質問は治療が終わった後、簡潔にして。同じ事は二度は言わないから私」


「え!?は、はい!!」


よーし!じゃあちゃっちゃと治療しちゃうよ?

ちゃんと見ててね?私は分かりやすく説明なんてしないから。


ヴォオン!!


まず、体の汚染物を分解して破壊された組織の構成をし直して、あーここの成分が足りないからコレは薬で補って、ふむふむ!よし!できた!


「・・・・・あれ?体が・・軽い」


「はい、コレ飲んで。10日分あるから毎日忘れず飲む事。飲みきったらまた私の所に見せに来て。リディに言っておくからここに来ても大丈夫よ」


「・・・・あの?これで、治るんですか?」


「恐らくね。でも油断は禁物だから。そういえば貴方はどうなの?同じ物口にしたりしてない?」


面倒だから纏めて見てあげるわよ。ちょっとこっち来い!抵抗するんじゃないぞ?ゲヘヘ。


「メリル様、そんな顔で迫ったらそりゃ逃げますって。怖い。怖いッス」


「失礼な!! 診てやらないわよ?」


「ぜ、是非診て下さい! すみません!! つい!」


あーん?

じゃあなんで逃げてんだコラ。オラー!ツン。


ウォンッ


「・・・・・・・あん?」


「メリル様?どうしました?」


ちょっと待ってなんなのコレ?なんで貴方の中ぐちゃぐちゃになってんの?


「クリオル。最近体に合わない薬飲まなかった?何この出来損ないの羅列式」


「薬、ですか?いいえ?あ、でもそういえば栄養剤だと言って渡されたポーションを・・・え?僕おかしいですか?」


「え?じゃあ貴方こんな出来の悪い代物飲まされたの?ちょっとソイツどこにいる?」


「え?ブリッツォ様ですか?あの方は今日は医療官の講義を・・・」


「はぁあああああああ!?」


ちょっと待て。

こんなデタラメな薬作る奴が人に講義?


こんな中途半端な事する奴が?


・・・・・許せん。


「行くよテット。その薬師医療官長とやらに一言、言ってやらないと」


人を実験体にするなら最後までやりきれよ。

中途半端が一番嫌いなの私。


「説教タイムだこの野郎」

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