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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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テットは腹を立てる

あの人が凄い人だって事はもう分かってるんスよ?


事情だって知ってるし、俺達の事信用出来ないって言うのもまぁ、理解は出来てます。でもさぁ。


「メリル。ご飯食べよう。シャミとご飯食べよう」


「んーーーー?ああ?もう、こんな時間かぁ・・・しょうがないなぁ・・・」


なんでそんなに扱いが違うッスか?

子供だから?シャミが子供だからッスか?


俺が調合中に部屋に入ろう物なら罵詈雑言の嵐ッスよね?

それなのにシャミはいいの?なんで?おかしいッスよね?


しかも、なんでシャミにだけ、そんな、蕩けるような笑顔?お前は誰だ。最早別人ッス。


「シャミもう一人で寝れそう?私のベッドじゃ狭いでしょ?ちゃんとシャミの部屋あるから、今日はそっちで寝てみない?」


しかも、シャミが来てからシャミと一緒に行動してるから、わりかしメリル様規則正しい生活送ってるッス。


だから、本当なら喜ばしい事の筈なんッスが。


「おれ、メリルとねたい。だめ?」


「駄目じゃないけどぉ〜ずっとは駄目だよ?」


なんなんっすかね?

なんか、こう・・・・メリル様がシャミを甘やかすの見てるとモヤモヤ?イライラするんすよね。


やっぱ待遇の違いッスかね?


もっと俺にも優しく接して欲しいッス!

陛下の方が俺に数倍優しいッスからね?


「それにね?私シャミのお母さんじゃないからミルクはあげられないよ?なんか、申し訳なくなるんだよね」


「ちょっと待ってメリル様!なんの話?なんの話っすか?ま、まさかあげてるんすか?え?嘘でしょ?」


「だから出ないわそんなもん!!出ないものどうやって与えりゃいいのよ馬鹿じゃないの?」


そうじゃねぇーよ!

そんな事聞きたい訳じゃない!

いくら相手が子供でもこれは聞き流せない!!


「シャミは子供といってもミルクを与えるような歳じゃないッス!今日からは別々でお願いします!」


あ、それはちゃんと理解出来てるんすね?

安心しました。それに、そんな事習慣にされたら大変ッスからね?俺陛下にそんな事知られたら叱られちまう!


「・・・・・ねちゃだめ?」


「うーん。そうみたい。やっぱりシャミ男の子だし。私、年頃の乙女だし?」


なんか納得出来ないッスけど突っ込まない!!

俺は突っ込まないッスからね?

ややこしくなりそうッスから。


「どうしても我慢出来なかったら来てもいいから。暫くは頑張ってみようか?シャミは偉いから出来るよね?」


・・・・いや。だからその顔は・・あんた誰?


「・・・できる。がんばれる」


「ウンウン偉いね?ん?ハイハイ」


チュウッ。


「ちょっと!!メリル様!?」


「あん?何だよ煩いなぁ」


うぎぃーー!!よくそんなにコロコロ表情切り替えられるッスね?なんッスか?俺あんたの親の仇か、なんかなんすか?俺もう転職したい!


「そういう所ッス!普通子供相手でもそんなベタベタチュッチュしないッスから!!シャミの将来が心配ッス!」


「別にいいじゃない。それでシャミが満足なら。何をそんなに騒いでるのか分かんない。実はテットもされたいとか?」


「何言ってんッスか? 冗談は顔だけにして下さい(真顔)」


「あーん? どういう事だコンニャロ。アンタが言うな!」


頭痛いッス。

メリル様なんでシャミを引き取ったんだろ。

特に子供が好きそうには見えなかったけどな?


「けんか?メリルいじめられてる?」


逆だ逆!

俺がいじめられているッス!

ん?なんだこのガキ、なんか、目の色が変わった?


「違う違う。仲良しだよ?私はテットの事、大好き」


・・・・・・・は?

この女。今なんて?


「そうなの?ほんとに?」


「そうだよ。大人は人前ではあまり仲良くしないの。テニアとテットは私と仲良しだよ?」


いや、仲良くはないッス。

なんなんッスか急に。気持ち悪い。


「テットは大人だからシャミみたいにされるのが恥ずかしいだけなの。だからこんな事言うんだよ?シャミは気にしなくて大丈夫だよ?」


「そうなの?テット、メリル好き?」


あははは。

え?ないッス。


「大好きッス!」


でも俺汚い大人だから簡単に嘘つけるッス!

なんか話し合わせないとまずそうなんで合わせときます。


「・・・・そうなの・・よかった・・・」


まぁ、俺も別に子供が嫌いとかではないッスから。

普通に接するくらいは出来るッスよ?

ただ得意ではないッス。


それにしてもシャミを連れて来てた商人調べたらとんでもない奴だったすよ。


奴隷制度が完全廃止にされて数年。

法の網を潜り抜けて貴族や金持ち相手に裏で手広く商売してやがったッス。


あんな数の奴隷をどうやって集めて来たんすか・・・いや、まぁそう簡単には無くならないッスよね?


「テットにもする?なかよし?」


ん?なんすか?話今聞いてなかったッス。


「しないよ?大人になったらしないの」


「・・・・・・うそついてる?なかよしじゃない?」


大分ここにも慣れたけど、情緒不安定なガキッスね?

他の人間に任せれば良かったのに。


「はぁ〜。テット」


「ん?なんッスか?」


チュッ


「ほらね?仲良しでしょ?」


「・・・・・・・・・」


「ほんとだ。良かった・・・メリル安全」


「そうだね?私もシャミも安全よ?さ、支度して寝ようね?」


「オレがんばる。ひとりでねる」


「うんうん偉いシャミ! 頑張れシャミ」


バタン。


「・・・・・・・」


ダァーーーー!!いきなり何しやがる!あのアマァア!!

お、おま・・・いくらなんでも危機管理能力がなさ過ぎッス!!俺は子供ッスか!シャミと同じ扱い・・ではない!


絶対違う!

アレは最早壁にするのと同じレベルだったッス!

酷い!俺歴代の彼女達にもこんな扱いされた事ないッス!


「はーーーやっと寝たわぁ。シャミと居るとあっと言う間に時間過ぎるんだよねぇ。体にはいい生活だと思うけどさぁ」


「・・・・・何か、俺に一言ないッスか?」


謝れ。一言謝れば納得するッス。


「ん?何が?・・・・ああ!アンタ本当嘘下手だよね?もっと上手くやってよ。シャミ納得させるのに手間取っちゃったでしょ?」


いや、いやいやいや?

俺の所為ッスか?それであの扱い?ひでぇ。


「あの。俺これでも一応年頃の男なんすよ?ああいうの、冗談でもやめてもらえますか?」


「え?ほっぺにチュウしただけでしょ?蚊に刺されたぐらいで流しなさいよ。乙女かアンタ」


コイツ・・・マジでデリカシーないッス。

俺の繊細なハートは悲鳴を上げている。


「そんな事してると、いつか自分も同じ目に合うッスから」


「?ほっぺにチュウくらいなんともないけど?」


違う!!俺が言いたいのは、そんな事じゃないッスから!!

もう、この人誰かどうにかしてくれないッスかね?

本当心底疲れるッス!!


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