九尾狐(男)×雪女×氷柱女
雪女と氷柱女が鬼神の神社へ訪れた時のお話。九尾狐くん視点なので読みづらいかもしれません。
「ねえ、早く通しなさいよ!」
「そうよ、私達は鬼神様に会いたいの!」
「いえ、そういう訳には…」
僕は言葉を選びつつ二人をなだめる。
鬼神様はうるさい人(まあ厳密に言えば人じゃなくて妖怪だけど)がお嫌いだし、この二人は何か相談があって来てる訳じゃなさそうだからね…。っていうか、今日で何回目だっけ?この人達が来たの。そろそろしつこいなぁ。正直言ってウザイ。
「聞いてるの?もう勝手に入るわよ」
「あ、駄目です!それは__」
「騒がしいな。俺に何の用だ?」
…え、鬼神様が出てきた!?
「キャー!!鬼神様ぁ!」
「そんな狐なんて見てないで、こっち向いてー!」
ちょ、駄目だって!そんな事言っちゃったら…。
「折角出てきてやったというのに…。耳障りでしかないな。黙れ。あと貴様、愚種の分際で俺様に指図するな。殺されたいのか?」
デスヨネー、やっぱり。でも多分今日は機嫌が良いんだろうな。もし機嫌が悪かったらこの2人は今頃、確実に首と体が繋がってないだろうから。鬼神様はお強いけど、殺戮を好むのが厄介だ。後処理は僕がしなきゃいけないしね。え、番の片方が居るって?…僕はあの子の手を汚させたくないんだよ。
おっと。話が逸れてしまった。えっと、二人は…。
「ガクガクガクガク」
「ブルブルブルブル」
目を向けると、恐怖に震えている姿が見えた。うーん、どうしよう。今何を言っても反応してくれなさそうだな。でもこのままここに放置しておく訳にはいかないし…。
「鬼神様、このお二人どうしますか?」
「そうだな…。縛って庭の木に吊るしておけ。後で俺も行く」
「…あい。」