謎の三人衆
通路を進むと奥には小さな部屋があった。
そこには、大剣を背負った女と槍を大事に持っている男がいた。
大剣を背負った女が言った。
「遅かったわね。待ちくたびれちゃったわよ」
すると、ミックは、
「すまん。ってかメロン、ほっぺに米粒ついとる」
そう言うと、メロンと呼ばれた女は顔を真っ赤にしながらほっぺに手を伸ばす。すると、ミックは、
「嘘や、嘘。ほんまにひっかかるとは思ってへんかったわ」
部屋の空気が変わった。
メロンが大剣を構える。ミックは回避態勢に入る。
しかし、槍を持った男の一言でまた、空気が戻った。
「なあ、そろそろ本題にはいらないか?」
そう言われて大剣を背負いなおしたメロンとミックが席に座る。
「そんじゃあ、単刀直入に言うわ。」
ミックがそう言うとメロンと槍の男がミックのほうを見る。
「『魔の世渡り』と殺りおおた。でも、逃げられてしもた。」
そして、ミックがこっちを見る。
「彼らは、『魔の世渡り』に『駒』にされそうな所を保護した。男の方は『青柳』っちゅう名前らしいからこれから『ブルー』って呼ぶは、女の方は『鈴女』ちゃんや、彼女のことは、そやな、『ラク』って呼ぶ事にするは。そして、彼らをウチらの仲間として迎えてくれるか?」
そう言うと、メロンが言った。
「私は別に構わないけどゴンはどうなの?」
ゴンと呼ばれた槍の男は答えた。
「別にどうでもいい。ブルーは俺が戦い方を教えるからラクの方はどっちかがやってくれ。」
そう言うと立ち上がり俺のそばに来た。
「ついて来い。お前には戦い方を覚えてもらう。」
ゴンはそう言うと別の入口らしきとこに入って行った。俺は、その後を追いかけていった。
「ゴンの奴、ブルーを戦士にするきやな」
ゴンとブルーがいなくなった部屋でミックが言う。
「ラクはどっちが面倒見るの?」
メロンがミックに聞いた。
「ウチが見よか。彼女には、銃を使う才能があるさかい育ててみたいんよ」
ミックが答えるとメロンが言った。
「変な事したらただじゃおかないからね。リンちゃんはしっかり見張っといてね」
メロンがリンに向かって言った。リンは首を縦に振る。
「それじゃ、『エレメント』を渡そか。ラク、手出しな」
そう言ってミックは胸に手を当てて呪文を唱え始めた。ミックの胸が光る。ミックが胸から手を離すと一つの石が落ちた。
「それが『エレメント』や。それを胸に当てて『ドレイン』っていいな」
言われるがままにそれをやる。
すると、石が光の粒になり、私の胸に入り込む。
痛みといえない痛み。
そんな痛みに襲われながら自分になにが起きたかを理解した。
自分の手に拳銃が握りしめられていた。ミックが言う。
「その銃はお前の魔力を弾にして打ち出すさかい、使いすぎたら死ぬで。」
ミックはそう言うと
「帰ろか」っと言って私に言う。
「メロン、今日はウチんとこ泊まっていかへん」
ミックが言うと、
「そうね。あんたがラクに手を出さないか、見なきゃね」
メロンが答える。
この後にメロンがミックの所に来ることはなかった。