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雨のリズム  作者: 海来
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[1] プロローグ [リク]

プロローグ [りく]


「タカ、忘れ物はないの。試験会場まで1人でホントにいいの、母さんの車、出そうか」

「いいよ……電車の方が時間、正確だから」

「そお……じゃっこれ、お弁当。今日の模試も頑張れるように母さんも頑張って早起きして作ったのよ。しっかり食べてね」

「んっ……ありがと、行って来るね」

 これは、我が家では恒例の心温まる朝の風景。成績良し、スポーツ良し、性格良しの松田家の長男タカと、その母の二人で織り成す親子愛。

 兄貴の方は少々? 手に余しているみたいだけど、母さんはそんな事、夢にも思わない。

 ハハハ……クサイ芝居見てるみたいだよな。

 そう言って笑ってる俺は何者かって。俺、俺はァ、この松田家の何も期待されてない次男、名前は一応あるさ、リクってんだけど……

「リクっ、いつまで髪の毛いじってんの。遅刻するわよ……もーだらしないわねェ、シャツはズボンに 入れなさい。あんたも、お兄ちゃん見習って少しは身ぎれいにしてよ。まァ無理かしらねぇバカだから。顔だっけは男前なんだけどねぇ。まっイイワ、はい、オベント」

「よくもまぁ、そんだけ自分の息子コケにできんなァ、ところでさァ俺の弁当は頑張って作ったの。お母様」

「はいはい、バカが治りますようにって愛情込めて毎日作ってるわよ。早く行きなさい」

「ヘイほー分かりましたよーダ」

 これも我が家の恒例、バカ息子と母の親子愛? 期待はされてないけど、それなりに母さんの愛情ってのは感じてるんだよな。勿論、オ・ベ・ン・トだって美味しいぜ。特に豚肉とピーマンの甘辛炒めは俺の好物さ。一週間に一回は入ってる。

 母さんも言ってるけど、これでも結構男前で学校でも[笑顔が癒し系]って女子にも人気有り! 母さんも俺の笑顔でコロッとっ騙されて欲しいんだけど、逆にニヤニヤしてって怒られるんだよな。

「いってきまーす」

 バッタ−ン。おっと勢い良過ぎたかな。

 俺って、かなり元気な方だし、あんまり悩みって言う物もないんだけど、よく出来る兄貴に期待してる母さんのキラキラした目を見てると、たまには俺にもキラキラしてくれって思って淋しくなる。

 えっマザコンだって。男は皆マザコンだー、と叫んでみるものの、これでも結構悩んでたりするんだよなァ。

 そのせいか、最近変なものを見るようになった。

 理想の女、と言うか女の子。

 黒い髪が背中の中ほどまで真っ直ぐ伸びてて、真っ黒なマツゲの大きな瞳が俺の事をジーと見つめてる。それも、期待を込めたキラキラの瞳でだぜ。

 そりゃあイケメンだから、期待に胸膨らまして見つめてる女子がいてもおかいくないさ。

 でも、その女の子は変なんだ。いつも見るのは雨の時で、俺を見つめる真っ黒なマツゲに囲まれた瞳は、夕立の時の空の色って言うか、雲の色なんだよ。そんな色の目、見た事ある。服装もコスプレかなお姫様みたいなワンピース着てて、それに、雨が止むとスーと消えちゃう。

 それって、幽霊なんじゃないの……って俺もそう思うよ。そりゃあ、しゃっべた事なんかないさ、怖いからさァ。

 でも、姿形だけじゃない、全てが俺の理想だって解るんだ。

 思い込み、運命、これって一目ぼれ。笑いたけりゃァ笑えばいい、だけど、彼女の瞳は俺を待ってるって言ってる……。

 ほら、今だって俺を見つめてるんだ……

初めて小説を書きます。未熟者ですが、頑張って書きたいです。どこまで世界がひろげられるのか不安ですが、応援して戴けると嬉しいです。

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