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第一話 条件達成

 うるさいアラームが耳元に響く。

 

 午前6時半起床。

 重たい体を起こし身支度を始める。

 弁当を用意している母、お気に入りのマグカップを片手に新聞を読む父と無口な姉。


 制服に着替え、母手作りの弁当をカバンに入れ、家を出る。

 「いってきます」

 

 「いってらっしゃい」

 「気をつけろよ」

 「・・・」


 明るい母に少し寡黙な父、昔はよく口を開いてくれた姉。


 割と恵まれている家族だと思う。


 今日は寒いな。


 冷たい風が俺の皮膚を切るように通る。

 車の通りもいつもより多い気がする。


 なんだかおなかも痛い。

 昨日の生牡蠣が原因か?


 いつも通りの通学路を通り。

 いつも通りの長めの横断歩道を渡る。

 渡りたかった。


 渡るはずだったんだ。


 横断歩道の途中、強い衝撃と体の感覚がなくなった。

 

 どうやら、トラックが突っ込んできたらしい。


 ――まじか、俺死ぬのか?


 痛みより、光と音が俺の体を支配した。


 そして聞こえてくる周囲の騒音。


 周りの通行人の声からアリの歩く音。

 騒音というよりはすべての感覚が研ぎ澄まされているに近い。

 だからこそ、普段は気づかない音もこうして過敏に反応してしまう。

 『死』という状態が迫っているのが、鮮明に理解できた。


 ……状態を確認

 条件と照合します。


 …成功。


 条件達成


 世界移動の資格を獲得。


 ――なんだ、何の声だ?


 無機質でまるでロボットのような声が脳に響く。


 うるさいな。


 長い時間、騒音と痛みが体中をめぐっていた気がする。


 時期に睡魔がやってきた。


 あぁ、死ぬんだな。

 

 まだ学生のうちに死ぬなんて、まだまだやりたいことも多かったのに。

 来世も人間だと嬉しいな。

 そしたら、やりたかったこと全部してやる…。


 意識がなくなっていくのをはっきり感じた。


 …世界移動の資格を確認。


 魂の移動を開始します。


 転生特典 『成長増進』『鑑定』『アイテムボックス』『状態異常耐性・弱』


 前前世からのスキルの引継ぎを開始します。


 『基本属性適正』『詠唱破棄』『魔法創造』


 転生を開始します。


 なんだ、また何か聞こえる。

 

 前前世?

 一体何の話だ。


 それにこの声はいったい誰なんだ。

 

 俺は長いような、短いような、そんな曖昧な感覚の眠りからぼんやりと意識を取り戻していく。


 「おるぬすん」

 「いちきにきだそ。がんけぬいちきにきだそ」


 なんだ、何を言っている。

 わからない、何を言っているかが。


 体を動かそうにもうまく動かない。


 痛みはないか。


 突然、体が浮く感覚に襲われる。


 浮いている?いや違う、抱かれているのか。


 怪我人にするには少し乱暴な扱いけど…まぁ、死んでなくて一安心ってとこか。


 「れぁ!あれをを」


 瞼がうまくあかない、目を開けるのも一苦労か。


 まぶしい光が目を刺す。

 少し痛い気がする。


 目が慣れていき、ぼやけていた視界が鮮明に映る。


 木製の天井、病院にしては不衛生な場所。

 俺の手を握る大きな手。


 おいおい、巨人かよ。


 しかし、次第に状況を理解する。

 俺が小さいというより、自分の手がまるで赤ん坊のようだ。

 いいや、赤ん坊なのだ。


 転生ってことだよな。


 まぁ、しかし記憶を持ったままなのはびっくりだが。

 意外と赤ん坊のころは誰しも記憶があるのかもしれない。

 成長していくにつれて人は前世というのをわすれていくのだろう。


 にしてもここはどこだ。


 日本だったら言葉がわかるはず。

 しかし、言葉がわからない。

 それに、今目の前にいる母親らしき女性と助産師さん?でいいんだよな。


 これが母親か。

 美人だ。 


 となれば、父親はどこだ。


 ドンッ!


 部屋中にドアを勢いよく開く音が響く。


 「あへりせぬえ!?」


 やはり、何を言っているかがわからない。


 状況的に見てこの筋肉質な男が父親だろう。


 にしても、かなりガタイがいい。

 なにか、スポーツでもしているのだろうか。


 顔立ちからは、国は判断できないか。


 言語もまるで聞いたことがない。


 部屋を見渡しても、ここがどこなのかまるでヒントがない。


 ん?


 なんだあれは。


 そこには、丁寧に立てかけてある剣らしきものが。


 いいや、間違いない剣だ。


 レプリカだろうが、本物だろうが。

 なんなんだ、どういう趣味だ。


 『をせせえんほざや』


 なんだ、助産師の人が空の桶に向かってブツブツと囁きながら、手を伸ばしている。


 狂気だ。

 

 その瞬間、助産師の手から青白い円形の光と湯気を出した水が噴き出した。


 俺は理解した。


 ここは、地球では無い。


 剣、そして魔法であろう。


 剣と魔法の世界。

 

 漫画の見過ぎで自分の頭がおかしくなったのかと疑ったが、間違いない。


 俺は、興奮がおさまらなかった。


 なぜなら。

 ここは、みんなが一度は想像したことがあるであろう。


 『異世界』なのだから。

初めての作品なので、グダグダですが。

次話からはもっと本格的に書きます!

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