リアムからの刺客
シリウスの呼吸は肩で息をするほどに上がりきっていたが額の汗を拭うと、再び剣をかまえなおした。
もう、体力も限界に近い。
傷こそ追っていないものの、転がり避けた時についた土が白い服装を茶色に変えていた。
それに比べて、相手のナイフ使いは呼吸も静かで服には汚れている様子がない。
「あぁ、強いな」
最初はのんきだったシリウスの声もけだるそうなものに変わっている。
「なぁ、そろそろやめる気ないか?」
「皇帝陛下からのご命令、あなたに恨みはないけれど悪く思わないでほしいわね」
そう言うと再びナイフ使いの彼女はナイフを振り上げてシリウスを襲った。
「待て、待て、待て!」
シリウスが慌ててナイフを避けて刀のつかで殴りつける。
そして、シリウスはバク転して後ろに下がると、片膝をついてハァハァと呼吸を整えると口を開いた。
「…皇帝からの…命令?ハァ、俺もだちが、ハァ、皇帝に協力してるから皇帝の命令に従ってんだが?」
その言葉で再びシリウスに聞きかかろうとした彼女の剣が止まる。
「くわしく、聞かせてもらえる?」
「あぁ」
シリウスがレオと合ってからのいきさつを話すと彼女も納得してくれたらしくコクコクと頷いた。
「つまり、私は西方教王に騙されていたと?」
話しているうちに、彼女がリアムに皇帝の命令と言われて動いていたことを話してそのような結論に至ったのだ。
まんまと騙されていたことに気付いたショックからか、男勝りな彼女の声もどこか元気がないように聞こえる。
「ま、そういうことみたいだな」
シリウスは多少刃こぼれした「白杉」を見つめながら答えた。
ちなみに「白杉」は魔剣なので多少の刃こぼれは勝手に修復するのだが、それでも持ち主のシリウスとしては気になるのか刀を手ですって「いってぇ」と言って血の飛び出た手を押さえた。
「だ、大丈夫?」
「あ、あぁ」
「ねぇ、となると私と一緒に命令された人がまだ二名いるわ」
「まだ、そんないるのか!?」
「えぇ、確か一人はメイド服姿の人で、もう一人は…」
アルバドは刀を抜いて騎士姿の正統派剣士、ミニックと向かい合った。
周りには近衛騎士たちの死体が並ぶ。
だが、ミニックの鎧より若干地味だが似た鎧を着た騎士が倒れていることから、近衛騎士たちはその騎士たちと相打ちになったことがわかる。
ミニックは表情を変えることなく足元の死体を蹴りつけると、アルバドの前に近づく。
「お前…」
まだ息の残っていた踏まれた近衛騎士が悔しさのにじみ出る声で出せる力を絞って叫んだが、その声は誰にも聞こえない。
「「反逆者が…」」
アルバドと、ミニックの声が重なる。
そして、アルバドは重なったことに不快感を覚えたのか、血の付いた剣をかまえてミニックのことを睨みつけた。
「そんな、睨みやがってよ…」
ミニックもアルバドの視線を不快気に、剣をかまえた。
「…もう一人は、そうだ。ミニックだ。あいつは、放っておくとダメだ。ミニックは悔しいが…私も手も足も出ない剣の使い手で――」
シリウスとナイフ使い、レムはロッツェル伯爵邸へ夜道を駆ける。
アルバドはミニックと剣をかまえ向かい合い火花を散らす。
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