辺境城主、スローの覚悟
ロギア帝国の辺境の城主スローは、数マイル(一マイル=二キロ)先に陣を張るネルシス連邦軍の威厳を思い出し、ため息をついた。
ネルシス連邦軍の兵は予想以上に多く、最新式の魔石製の武器を持っている騎士が目立った。
それに比べ…残念なことに自軍は壊れかけの武器を持っている兵が多く、とても敵うとは思わなかった。
「く…こんなことから税を私用に使うべきじゃなかった…」
元々、のんびりとしていて気の弱かったスローはため息交じりにつぶやいた。
「あぁ、もうだめだ」
やけになったスローは酒瓶から直接酒をぐびぐびと喉に流し込んだ。
「あっつ…」
なにせ、温めた酒を飲んでいるのだ。
熱さに、また現実に戻されたスローはため息をついた。
父の代から仕えている忠臣、メルーの進言に従い、衛兵たちを雇い入れたが、それでもこの城や周辺
に配備されている兵は五千にも満たない。
それに対し、ネルシス連邦軍は十万を超す大軍。
今朝、帝都から軍が出発したという伝令を受けたが、なにせ、援軍も十数万の大軍勢。
進軍には時間がかかるうえ、下手な細い道を通るわけにもいかないので、遠回りをしなければならない。
それを考えると少なくとも、十日は、いや最低でも二十日はかかる。
とても、城を守りきれる気などしないスローは、気の弱さを酒でごまかすように、もう一度からの酒瓶を仰いだ。
酒瓶から滴り落ちた一滴の酒が喉にポちゃんと届くと、もう冷めてしまったと思っていたのに、熱く、スローは少しの間、真顔になっていた。
そして、覚悟を決めたように立ち上がると、部屋を後にする。
帝都のはずれの迷い森では、黄色く光る猫の目を持ったフクロウがホーッと鳴く。
月は真ん中を過ぎたあたりにいる。
「まったく、今日は遅くなっちまったな」
帝宮を脱出したレオが、宿の自室のドアを開けると衝撃的なものを見た。
椅子に悠々と座っていたのは、”あいつ”だったからだ。
読んでくれてありがとうございます。
「あいつ」とは一体!?
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それではまた次回。バイバイ~!




