リアムとメギキュラ
リアムの居城のワイプ・メーン城は標高千メートルの山の上に建っている。
普段、リアムは山の近くの大地にある教会兼城の役割をするロベストロフ城に住んでいるので、この城は実質リアムの私物だ。
リアムは赤と白の派手なローブを揺らしてバルコニーの椅子に座ると、メイドが差し出した紅茶に手を出した。
温かな紅茶からは一筋の湯気が上がる。
「此度の戦、勝てると思うか?」
リアムが後ろに立つメイドに声をかけると、そのメイドは「私ごときが意見することではございません」と前置きをしたうえで意見を述べだした。
「ですが、しいて言うならば、帝国軍が有利だと思います」
「そうか…」
リアムは、回答に何が不満なのか、ため息をつくとバルコニーのはしに歩いていき下を見つめた。
今日は空の分厚い雲に負けないほどの濃霧が数十メートル下にかかっていて一番下までは見えない。
「軍は、出発させたか?」
リアムが問いかけたのは先ほどからいるメイドではなく、ちょうどいま入ってきた教皇軍の大将軍だ。
その大将軍はリアムの休息を邪魔しないよう無言でいたので、気づかれていたことに少々驚きつつも口を開いた。
「はい、ご命令通り教皇軍四万、全軍を帝国軍十万と合流させ辺境に向かわせました」
その答えを聞いたリアムは満足気に頷くと、胸元から魔法の杖を取り出した。
その杖は黄金細工が施されていて、豪華けんらん。
「よくやった」
数十年にわたり蓄えられた白いひげの隙間で底知れない腹黒い笑みが浮かんだ。
次の瞬間、大将軍は血も出さず、バタリト倒れた。
「一番弟子に、悪いところを見せたな」
一番弟子、そう呼ばれたメイドは邪悪な笑みを浮かべて「お気になさることはありません」と答えた。
「こやつも、馬鹿なものよ。儂が大将軍にまで取り立てたというのに貴族連中から賄賂を受け取って長年情報を流し続けるとはな」
「えぇ、まったく」
先ほどまで、問われても謙遜していたメイドがリアムの意見に同調する。
彼女は本来の姿に戻っていた。
頭には黒い湾曲した角をはやし、腰からは黒いとげのある尻尾をはやし、手の甲には契約の証が。
彼女は悪魔、メギキュラ。
読んでくれてありがとうございます。
この話は後から付け足しました。
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それでは、また次回。バイバイ~!




