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追放から始まる逆転劇  作者: 匿名
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魔力を吸う剣

ドラウンに刀の作成を頼んで、ちょうど七回目の朝。


その間、特に何かあったわけでもなく、俺は平穏でのどかな日々を過ごしている。


ユリウスからも特に依頼はない。


平和すぎて…そして退屈だ。


「起きるか…」


最近は、教会の十時の鐘に起こされることもしばしばあったが、今日は刀をもらう日。


ベットから起き上がると、手短に顔を洗って魔法の杖を懐にしまう。


「ようやく、一週間たったな」


会えて声に出すのと同時に、カーテンを勢いよく開ける。


冬だというのに、今日の日の光はとても暖かい。


それでも、冬は冬、北風は吹き込んでくる。


十一月となると朝は寒さが厳しい。


「さぁ、剣をもらいに行くか」


浮きたつ気持ちを押さえながら、ドラウンの武器屋へと向かう。




ドラウンの店の前に立つと、看板が新築されていることに気付いた。


前は黄ばんでいた看板が真っ白に塗り替えられて、墨で「ドラウンの鍛冶場」という文字が描かれている。


ドアを開けて中に入ると部屋の四隅に作られていた大きなくもの巣が取り除かれてきれいになっていた。


奥の一段上がった床を見ると、掃き掃除でもしたのか、歩くと足あとが付きそうなほど白くなっていたほこりだらけな床も木のきれいな色を取り戻していた。


「親父、いるか?」


土間から声を出すと、一段上がった部屋の奥から刀を持った親父が走ってきた。


「刀の方はどうだ?」


「安心しろ。人生で一番の出来になっていやがる」


自信ありげな声で言うと、親父は黄金で飾られた黒い鞘から剣を取り出した。


和刀と呼ばれるもので、湾曲していて、日の光など当たっていないはずなのに光を放つ。


「この剣は、魔力を注ぎ込めるよう魔鉱石製にしてある。問題ないと思うが、注ぎ込んでみてくれ」


「あぁ、分かった」


親父から刀を受け取った途端、ピッタリと手に収まる。


魔力を…そう思う間もなく、剣にゴッソリと魔力を持っていかれる。


「うっ…」


俺の押さえていた魔力さえ、ものすごい速度で注ぎ込まれた刀には、ピキピキと音をたてて亀裂が入る。


だが、そんなこと気にならないほどに膨大な赤いオーラをまとう。


力が吸い込まれる…。


その吸い込み方はとどまるところを知らない。


刀を握る腕には激痛が走り、脈打つ速度が速くなる。


「これは…!?」




ドラウンは状況が理解できないのか、呆然としている。


だが、その間も刀は魔力を吸い込み、オーラは強さを増す。


「剣を握る手が…放せない。親父、剣を…剣を放させてくれ…」


その言葉を残し、レオは気を失った。




夕日が沈む。


朝日が昇る。


レオは、三日三晩気を失っていた。




ここは、どこだ?


目を覚ますと、そこは畳の和室だった。


なんだ、これは?


背中の妙にふかふかとした感触、それはベットではなく布団という物だった。


横には刀が置かれていた。


握って、みるか。


いや…だが、また魔力を…。


腕の激痛を思い出ししり込みしているうちに、親父の声が飛んできた。


「あんちゃん、目、覚めたか?」


声は、奥の土間のほうからだろうか?


「あぁ、おかげさまで魔力も回復した」


「そうか、なら良かった」


親父がお茶を二杯おいたお盆を持ってこちらにやってきた。


「ほら、これでも飲んでゆっくりするといい」


掛け布団をまくって、湯気の立つお茶をゆっくりと飲む。


お茶は、苦みが強くてお世辞にもおいしいとは言えない。


「なぁ、あんな剣は初めてなんだが、親父は何か知らないのか?」


「そうだな、俺もあんなこたぁ、初めてだ」


「理由は、分からずか…」


「そうだ、あんちゃん、剣について少しばかり調べてみたんだが、どうやら神代には、こういう剣が数本はあったらしい」


「神代か…」


神代とは、今からおよそ千年ほど前の世代の事。


その頃は、魔法で世界の文明レベルは今よりも高かったとは、言い伝えでしかないが、世界各地に伝わっている。


「だが、神代の技術なんて大戦で失われたはずなんじゃないのか?」


大戦とは、有名な話だ。


正式名称は人魔大戦。


かつては今よりも優秀な魔法使いが多くいて、更には科学というものの発展により世界は今以上に繁栄していた。


そんなある日、当時八人いた魔王たちが一斉に人類に宣戦布告した。


今となっては、昔過ぎてきっかけなど正確な情報は伝わっていないが、とにかく、大戦は二十余年にわたって続き結局、魔王八人の死と人間が人口を半分に減らすことによって大戦は終わった。


その時、人間側は人的だけでなく技術的にも想像を絶する被害を受けて、当時の技術は失われていたはずだ。


親父はうなっているばかりで答えてくれない。


ふと、横に置いてある刀に目が行く。


「親父、刀はもらっていくぞ」


覚悟を決めて、横に置いてある刀を持つが、魔力は吸い込まれない。


「持っても平気なのか?」


「あぁ」


鞘から抜いて剣を見る。


すると、急激に俺の魔力を吸った衝撃で入っていたひびがきれいに消えていた。


「ひびが、直っている?」


「みたいだな。この刀は自己再生している」


「まるで、生き物のような…」


「親父、俺の方でも調べてみるが、何か心当たりがないか調べてみてくれ」


「分かった」




そうして、俺は「ドラウンの鍛冶場」を後にする。


向かう先はユリウスの寝所。


帝宮の書庫には何かしら情報があるだろう。

読んでくれてありがとうございます。

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それではまた次回。バイバイ~!、

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