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追放から始まる逆転劇  作者: 匿名
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鍛冶屋ドラウンとの出会い

ポーチ屋を後にした俺は、表通りから少し離れた武器屋に向かうことにした。


町の所々に地図が張り出してあるので道には迷わない。


アダバルトから聞いた話だが、表通りに大きな店を構えているところは量産型でやっているので、こういう奥まったところの方が武器の質がいいらしい。


コンコン、コンコン。


少しさびれた武器屋のドアをノックする。


「入っていいか?」


返事は帰ってこない。


ただ、キーという刀を研ぐような音はする。


「いるのなら、開けてくれないか?」


次はもう少し声を大きくする。


「…」


だが、返事は帰ってこない。


不在…ではないが、反応はない。


別の店を探…刀を研ぐ音が止まった。


「入れ」


ガタのきたドアを開けると、黒板を爪でこするような不快な音をたててドアが開いた。


開けると、土間になっていて全体にほこりが充満している。


その真ん中では、はちまきを巻いた一人の老人が一心不乱に刀を研磨していた。


「…」


見渡すが、所々くもの巣の張られた部屋の中には錆びた武器や鎧はあるものの、新品は老人の傍らに置かれている数本の刀だけだ。


本当に、店か?


そんな疑問を抱いたものの、敷居をまたいで店内に入ると、老人が立ち上がった。


「武器が欲しいなら、店の裏の武器庫から勝手に持っててくれ。代金は結構だ」


「代金は結構?」


気になったことを問い返すが、その老人は既に研磨に集中してしまっていて何も答えない。


金をとらない店など不可解なことだが、ただなら別に問題もない。


武器庫に回るとするか。




武器庫を開けると、中はひどいものだった。


錆びた武器、ひびの入った防具。なかには折れている折れている剣もある。


とても使い物にはならない。


「そういうことか…」


金をとらない分、詐欺とまではいわないが…。


だが、あの親父の腕は確かだったはずだが…。


不可解なことに、横に置かれていた刀は玄関から差し込む陽光に照らされ、見事な光を放っていた。


確実に名鍛冶師と言われる部類だろう。


それなのに、ここに入っている武具はボロボロなものばかり。


何かわけがありそうだな。


親父に聞いて、いや、その前に…。






ガタのきたドアをキーッと音をたてて開ける。


敷居をまたいで部屋の中に入ると、武器庫の中から適当にとってきた剣を見せる。


「親父、これはどういうことだ?」


聞いても、親父は刀を研ぐばかり、答えてくれる気配がない。


「なぁ、親父!」


また声を大にして問いかけると、ギロリと鋭い目つきで睨みつけられる。


「名品は国に徴収された」


その静かな口調には、親父の底知れない怒りが込められている。


「…全てか?」


「戦争とはそういう物だ。一部の貴族と大商人が肥えてわしらのような工農の者どもは貧しくなる。うちは新しい刀を作る金属まで持っていかれてしまった」


武器だけでなく、金属まで…。


人間の国も、魔国とやってることは一緒だな。


思わず口からため息がこぼれ出る。


「親父、俺のために刀を打ち直してくれ。こんななまくらでもあんたの手にかかれば新生できるだろ?」


「鉄がなければ、刀を打つことなどできない」


片っ苦しい親父なことだ。


「鉄はないが、鉄よりいいもんなら、あるぞ」


胸元から重さ、三キロほどの七色光鉱石レインボー・オアーを取り出す。


それを見た親父は少しばかり、驚いたのか眉を上げた。


「それをどこで?」


「武器庫の中にあった錆びれた刀を魔法で鉱石に戻しただけだ。どうだ?親父、打ち直してくれるか?」


「俺も、もう老いた。打ち直しなんかじゃねぇ。最後に一本、最高の一本を打ってやらぁ」


「感謝す…いや、ありがとう」


「だが、なんでだろうな。あんたにはこんな話をしていい気がする。おおものっつうか、カリスマがあるんだろな。あんちゃん、名前は?」


「レオだ」


「レオか…。いい名前だ。俺は、ドラウン。鍛冶屋のドラウンだ。この俺が鍛冶屋の名誉にかけて一週間で作ってやると誓おう」


何かが吹っ切れたのか、流暢に話すドラウンの姿は、それが本来であるようだった。


「俺も、名前に誓って一週間後に取りに来ると誓おう」


「ハハハ、取りに来るだけでそんな大げさな内容かよ」


「いや、俺にとってはポーチ屋は品切れ、肉屋は結局ただでくれて初めての買い物だからな」


実際、魔国では金品の支給などがあっても、買い物をすることなどほとんどなかった。


それに、人の国で買い物をするのは本当に初めてだ。


「初めての買い物って…。今日の、初めてだろ。だが、そうだな、刃の部分以外にも最高の素材を使いたいから、金貨一枚ほどは願いたいな」


金貨一枚となると物価の低い辺境では年収に当たるらしい。


それほどの額となるとかなり高額だが、親父はそれに見合う腕を持っていた。


「分かった」


すぐさま、懐から金貨を取り出す。


アダバルトに渡された給料だ。


「へぇ、あんちゃん、そんな持ち合わせが。意外と金持ちみたいだな」


「いや、常に全財産を持ち歩いている」


「常にか、冗談も言えるんだな。じゃぁ、また一週間後取りに来てくれ」


冗談じゃねえんだがなぁ…。


俺は、どこか浮き立つ気持ちで、店を後にした。

読んでくれてありがとうございます。

次回あたり、武器を受け取って、その次あたりからそろそろ本格的に無双開始するかも!

続きが気になる・おもしろい、そんな人は良かったら下にある☆☆☆☆を押して、応援よろしくお願いします。

右下と上にあるブックマーク登録も是非押してね。次話が出た時にすぐわかるよ。

それではまた次回。バイバイ~!

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