リアムの心の内
自分の城に戻ったリアムはユリウスの「「西方教王」の地位を剥奪する」と言った言葉を憎々し気に思い出した。
そして、怒りに任せ、机をドカッと叩く。
普段の冷静なリアムにしてはありえないことだ。
「厄介なことになった…」
小さくつぶやくと、また怒りが再燃しそうになる。
貴族共は穀物類で儲けるのだろうが…。
目障りな害虫共が…。
彼にとっては皇帝の大義や民のことなどどうでもよかった。
大事なのは自分の領地である西方教会領の繁栄、ひいては自分の下に集まる巨万の富だ。
そのため、今回貴族たちの進める軍事侵攻は気に入らなかった。
戦争となれば大量の軍事物資を要求される。
それが西方教会領のような豊かな土地を持っているとなおさらだ。
だからこそ、長年にわたり開戦派の貴族と反開戦派の皇族の間をとり持っていたのだが、その立ち回りは変わろうとしている。
皇帝が西方教王を首にすると宣言した以上、皇帝側につく意味はない。
「今や、この国は変わらなければいけない。貴族共を…取り込むとしよう」
そして、リアムは西方教王の証である冠を机に置くと、部屋を後へとした。
残された、冠が怪しく光る。
変わらなければ…いや、既にこの国は機械科学の発展により変わり始めている。
そして、その動乱はやがて国をひっくり返す大騒動になることを、まだ誰も知らない。
レオは帝宮に近い宿で休んでいた。
少しばかり高級な宿だが、皇帝から報酬として金貨を一枚もらったので十分に足りた。
レオは、窓際のベットに寝転がり、窓から外の空を見つめる。
今日は晴天で、宿の前の大通りの人の数もかなり多い。
「魔物だからダメ、人だからいい、そんなことはないと思う…か」
その一文はレオの心を大きく揺り動かした。
それまでは人と魔は争うもの。
そう言う固定概念にとらわれていたレオの中に、もしかしたら違うのかもしれない。
という、感情が芽生え始めていた。
あまだれの香ばしい香りがレオの鼻をくすぐる。
起き上がって窓の外を見ると、宿の向かい側には串焼き肉の店があった。
「買ってくるか…」
幸い、まだ銀貨(一枚で約十万円)が八枚と銅貨(一枚で約一万円)が二枚、鉄貨(一枚で約千円)が八枚、そして、他にも紙幣が数枚ある。
肉を買うにしては十分すぎる金額だ。
「武器でも、買うか…」
レオは、そう決めると、魔法の杖を胸元にしまい、外へ行くことにした。
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