表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

300字SS

紙切れ

作者: こどー

 処分を決めた古机の引き出しから皺だらけの紙が出てきた。一度は丸めたものを広げ、畳み直してあったらしい。いちいち見てるから片付かないと言われるのを承知で広げてみた。

 正体は両親の名前が書かれた離婚届。びっくりして大声を上げたら、母と姉がすっ飛んできた。

「えぇー、いやだあ、お父さんたら。昔、冗談で書いたのよぉ、これ」

 とぼける母に、笑い出す姉。

「もぉ、笑わないでよぉ。こんなの、もう捨てちゃうんだから」

 母はわたしから紙を奪ってくしゃくしゃに丸めた。いつか誰かがそうしたように、年齢を刻んだその手で。

 いわゆる、たかが紙切れ一枚の縁。切れなくてよかったのかもねと、姉が小声でつぶやいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ