夜
夜が好きだ。
僕が物思いに耽る時、それはいつだって夜だ。
その日あった出来事を振り返る時も、好きなあの子の声や顔を思い出す時も決まって。
ああ、なんて素晴らしい時間なんだろう。
一人で部屋のドアを閉め、一人で灯りを消し、一人でベットに入り、一人で布団をかぶる。
静かな夜の世界では、心臓の鼓動すら大きく響いてくる。
君は今、何をしているのだろうか?
僕と同じように、考え事をしているのかな?
それとも、もう眠ってしまったのかな?
昼間に会う君は、いつだって笑っているね。
きっと将来は君にお似合いの人が現れて、君の笑顔は今よりさらに輝くんだろうね。
僕は君とは釣り合わない。
君の側にはいられない。
でも、それでいいんだ。
君が笑顔でいられるなら、僕がそこにいる必要はない。
だから……
この想いが夜空に溶けて行く。
太陽が沈み
また昇るまでの
物語