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やさしいあたたかみを求めて

作者: 若松ユウ

わたしが最初に()れたのは

かけっこが速い子で

その次に好きになったのは

正義感の強い委員長で

そのあと()かれてしまったのは

ギターが上手なハンサムで

最後に恋に落ちたのは

隣のデスクの照れ屋さん


わたしの夫になった彼は

徒競走ではビリばっかりで

リーダーに選ばれたこともなく

ハモニカすら吹けないけれど

デートでは歩調を合わせてくれるし

自分の考えを押し付けないし

変な見栄を張ることもない


時の流れは残酷で

かけっこが速かった子は

ビール腹のおじさんになってたし

正義感が強かった委員長は

理屈っぽい大先生に様変わりしてたし

ギターが上手だったハンサムに至っては

今頃どこで何をしているのやら


結果論にはなるけれど

照れ屋な彼を選んで正解だった

娘と息子に恵まれた現在

庭で一緒に遊んでいる彼を見て

わたしはしみじみ実感する

燃えるような恋は火傷がつきもの

わたしが本当に欲しかったのは

包み込まれるような温もりだったのだ


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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み終えたら顔がニッコリなるような、とても可愛らしい作品でした! 照れ屋の彼のやさしいあたたかみをしみじみ実感する奥さん、とっても幸せそうで、こちらまであたたかくなります(*´ー`*) ほ…
[良い点] 癒やされます〜。(o^^o)
[一言] 普通が一番と書こうとしたら、もう書かれていた。 ま、しかし、イケてた彼らもどこかで自分の一番と幸せに暮らしているに違いない。
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