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セカイ  作者: 語り屋
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エピソード2

「作戦地域到達まで10分。戦況はどうなっている?」


「現在太平洋方面軍が対応していますが、戦況は劣勢です。フォーリナーは現在日本海を横断中であり、このままでは日本列島への上陸を許すこととなります。なお超級も確認されておることから非常に困難な戦いになることと思われます。」


「了解した。到着次第超級の相手をHBMが引き受けよう。方面軍には他のフォーリナーどもの相手をするように伝えてくれ。」


「ではそのように伝えておきます。御武運を。」


またしても超級か。これで何度目だろうか。フォーリナーが現れた頃は下級どもばかりだったっていうのに今じゃ超級がワラワラと出てくるとはもはや世界の崩壊も時間の問題かもしれんな。

作戦地域に到着するとそこには膨大な数のフォーリナーどもが人類を殲滅せんと襲っている最中であった。

その中に一際大きなフォーリナーがいた。

その姿は白く、人間のような形をしていたが目や口といったパーツはなく、まるで子供が作った不恰好な人形のように見える。


「見た目では敵の戦力を図ることは難しいか。不用意に近くのは悪手だな。」


HBM用小銃を手に取り、超級に対して雨のように銃弾を浴びせる。

だが超級に効果があるようには見えない。

また何事もなかったかのように超級は動き出した。


「こちら太平洋方面軍。超級はとんでもない防御力を持っており、こちらの全火力を集中させてもなお、傷一つかないほどです。ですが超級自身の攻撃手段は今のところ確認できておらず、加えて質量自体は脅威でありますが、その力は歩く様子を見る限り弱いと分析しております。」


たしかに奴の動きは緩慢で、脚も随分重たそうに動かしている。とは言っても進んでいないわけでもないので無視するわけにもいかない。だが有効な攻撃手段もないと八方塞がりというわけか。


「こちら総司令部。方面軍の報告から超級の排除は不可能と判断されたため、新たな作戦を立案しました。只今より超級を殲滅から捕獲へと変更します。」


随分と大胆な作戦を考えたものだ。だがその作戦は一理ある。今回の目標は日本列島の防衛。もちろん超級の排除も重要であるが、その方法を考えている間に上陸されては元も子もない。それならばいっそのこと排除は諦めて、動きを止めさせるというのは非常に合理的である。総司令部もなかなか良い仕事をする。


「作戦は単純です。HBMが接近し、超級を海底まで押し倒します。そうすればHBMの力はもちろん水の力も加わり、貧弱な力しか持たない超級では起き上がることは不可能となるでしょう。その後はこちらで拘束用の重りを用意し、HBMとその役割を交代するというものです。」


「了解。では行動開始する。」


対峙するとわかる。奴のデカさ。だが、それだけだ。

すぐさま背面のブースターを使い、一気に奴の懐に潜る。

近づかせまいと奴も腕を大きく振るってきたが、その速度は余裕で躱せるものであった。

奴の腹部にまでたどりつく。そして垂直に頭に向かって駆け上がっていく。その間も何度もこちらを殺さんとする拳が襲ってくるが余裕で躱していく。


「しかしこいつはいくら私を滅するためとはいえ、自分を殴り続けている。知能はそこまで高くはないのか?だが持ち前の防御力を考慮すれば合理的ではあるが………。」


そして頭まで駆け上がったところで、頭を土台にして全力で飛び上がる。

流石にこの程度の力では奴を押し倒すのには及ばないらしい。

だがつい先程までいた顔に拳が遅れて来た。

追い討ちとばかりの顔への自身の拳には奴もバランスを崩している。

これは好機だ。見逃してやる義理はない。

飛び上がったところから自由落下とブースターによって一気に加速。その莫大なエネルギーによって奴の顔面を思いっきり蹴る。

バランスが崩れていたところでのさらなる追撃に奴の体はどんどん傾く。


「リミッター限界解除。」


確実に押し倒すために、出力も増大させる。

そして至近距離で奴の顔面に銃弾を浴びせる。

これだけのエネルギーを受けてやっと奴はバランスを完全に失い、転倒。起き上がらないように一気に押し込む。海中となっても変わらず押し込み、海底までひたすら押し込み続けた。


「こちらHBMパイロット、超級の押さえ込みが完了した。」


「了解。先程海上の超級以下のフォーリナーの殲滅作業も終了しました。至急拘束用の重りを輸送いたしますので今しばらくお待ちください。」


もう終わったのか。だいぶ数がいたようだが、最前線の太平洋方面軍は随分と優秀であるようだ。超級以下のフォーリナーをここまで短時間で殲滅できるのであれば案外人類の未来は明るいかもしれんな。


「さてこいつとはいつまで二人っきりで過ごさなければならないのだろうかね。」


奴はHBMの機体の重さと水圧などで少しも動く様子には見えなかった。

しかし、その瞬間であった。とんでもないエネルギー反応が画面に表示される。


「チッどこだ!?この反応は超級…いやそれ以上!?まさか災厄級か?」


必死にこちらもエネルギー発生源を突き止める。災厄級はまずい。あの人類を大陸から叩き出したフォーリナーとタイマンなどして勝てるわけがない。


「……出た!。……ちっ。」


私は一気に上昇する。超級の拘束などしてる場合ではなかった。なぜならあの高エネルギー反応はヤツからだったからだ。

そして深海にて超級を中心として大爆発が起きて、私は意識失った。

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