エピソード1
ソレは再び目覚めた。
最後に目覚めたのはいつだっただろうか。
わからないがずっと昔だった気がする。
ここはどこなのだろうか。自分はなぜ寝ていたのだろうか。
ココはどこなのだろうか。ジブンハダレナノカ。
ただ唯一わかるのは自分には役割があること。
誰に与えられたのかはわからない。
だけど己が本能はそれを忠実に従うように訴えている。
ソレはゆっくりと課せられた役割を果たすために動き始めた。
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西暦2040年
「ユーラシア防衛ラインに超級のフォーリナーが発生。現在、前線部隊が応戦していますが、すでに壊滅的被害が出ているようです!」
「前線より、既に壊滅的被害で戦闘継続は不可能、並びに撤退の要請!!」
「後退は許さん!ありったけの兵器を前線に送れ!それと工兵隊には今すぐ第二防衛ラインの構築を急がせろ!この時間を無駄にするな!超級には爆弾でもなんでもいいから動き遅らせろ!」
「空軍より、制空権を喪失、被害甚大とのことです!報告によると超級の対空能力は我々の力では為す術がないとのことです…。」
「くそ………遂に空は奴らに奪われたか。こうなってはこの戦いは奴らが主導権を握ったわけか………。」
「警告!!基地上空に高エネルギー反応あり。報告にあった超級であると推測します!」
「なに!前線の部隊はどうしたんだ!?」
「応答ありません!おそらくは………。」
「ここまでか……。まさかこんなあっさりとやられるとはな。諸君、皆と戦えたことを光栄に思っ」
その言葉を遮るかのように司令部は光に覆われ、人も司令部も文字通り消滅した。