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正体

2話目です。

初めて書いたので読みにくかったらごめんなさい。

10分後悶絶状態から復帰した幼馴染みが恨みがましそうにこちらを睨んでいた。

そんな幼馴染みに当たり障りのない話題を振ってみる。

「おう、久しぶり見ない間に随分と変わったけど元気か?」

本当は随分とどころではない変化だかそこはとりあえず無視する。

「まあな、そういうお前は全く変わってないな」

「よく言われる、逆にお前は変わりすぎだ」

「それで、お前はこんな時間に人の家に来てまで何の用だ?」

「お前の母親から音信不通になったから様子を見てくるように頼まれた」

事情を簡潔に答えると幼馴染みは呆れた顔で俺の説明に訂正を入れる。

「頼まれたじゃなくて押し付けられたの間違いだろ?」

「まあな、それで何でそんな事になってるんだ?」

「それ聞く?」

「むしろスルーしたまま本題に入ってで良いのか?」

「本題?まだ何かあるのか?」

「非常に言いにくいんだけど、お前を実家に連れて帰るように強引に押し付けられた」

「そういう事か、とりあえず嫌だ」

「あの人がそれを許すと思うか?」

「無理だな、だから俺は音信不通にしてたんだよ」

「その、格好というか見た目はあの人から逃げる為か?」

「いや、むしろこの見た目だからこそ母親から逃げたい」

幼馴染みの母親は恐らく今の幼馴染みを見たらヒステリックに怒るだろう。

確かにあの人から逃げたいのはよくわかる。

というか俺も逃げたい。

何だったら現在進行形で逃げ出したい。

正直今の幼馴染みを実家に連れ帰れば俺も巻き添えになるのは確実だった。

困り果てても結局その元凶に相談する以外の選択肢はないのだから仕方ない。

「どうしよう?」

そんな俺の言葉に幼馴染みはうんざりしたように返す。

「どうしようもない」

そう言われてとうとう堪えきれずこの問題の発端を聞く事に決めた。

「そもそも何でそんなに姿なってるんだ?」

「言いたくない」

「何故?」

「黙秘する」

そのままダンマリな幼馴染みに何を言っても無駄なのはよく知ってるので素直に引き下がった。

かわりにこのやり取りの間に受信していたメールを確認して幼馴染みに別の質問をする。

「お前の妹から意味がわからないってメール来てるけどどう返したら良いと思う?」

そう聞かれた幼馴染みも意味がわからないといった顔をするのできちんとその前のメールから説明する事にした。

「お前の妹に兄貴が女体化してるけどどうすればいい?って写真付で聞いたら意味がわからないって返信が届いた」

そう説明すると幼馴染みから冷めた声でキレた。

「お前は鬼か?」

「いや、幼馴染みだけど」

「これどうするんだよ」

「困ってるからお前に聞いたんだ」

「済まない俺が馬鹿だった」

「ようやくわかってくれたか、とりあえず何て説明すればいいかな?」

そう言って絶賛着信中のスマホを幼馴染みに差し出す。

画面には幼馴染みの妹の名前が表示されていた。

それを確認した途端幼馴染みがこちらにスマホを

突き返してくる。

「お前への着信だろ自分で電話に出ろよ」

「俺への電話でも用件はお前だろ」

そう言ってスマホをお互いに押し付け合う。

そんな風にやってるうちに画面に手が当たってテレビ通話の画面に切り替わったのか聞き慣れた声と顔がスマホから流れてきた。

「やっと電話に出た、ところで何してるの?」

「見ての通りだけど」

「ごめん、全くわからない。てか隣の人誰?」

「桐乃の兄貴だよ」

「マジ?」

「マジ」

「エイプリルフールはまだ先だよ?」

「残念ながら本当だ」

「それ、お母さんは知ってんの?」

「あの人にはまだなにも言ってない、その前に相談したくて」

「あの人絶対キレるよ」

「だから桐乃に先に相談してるんだよ、頼むから明日実家でコレについてフォローしてくれ」

「無理でしょ、てかマジで兄貴なの?」

「うん、お前も何か喋れよ」

そう言って隣に居る幼馴染みに喋るように促す。

「いや、無理だ。というか家族への初カミングアウトが妹とかどんな地獄だよ」

そう言ってこちらに言う幼馴染みに呆れながら桐乃に現状を見せる。

「聞いての通り桐乃の兄貴の声だろ?」

「有り得ないでしょ?こんなの」

「気持ちはわかるが、本当だ」

そう言って髭の生えた顔をアップにして映す。

「とりあえず、メールの通りだろ?」

「そうね、むしろそれ以外の表現なんてないくらいだわ」

「ああ」

溜息と共にお互い同意して建設的に話を進める事にする。

「それで明日だけどとりあえずオレ1人だとどうしようもないから実家に居て欲しい」

「拒否権は?」

「ないな、もし拒否したらお前の部屋にアイツを連れて行くから後の面倒を見てくれ」

「まあいいわ、それで兄貴をどうやって説得するの?」

「力尽くで引き摺ってでも連れて行く」

「後の事は?」

「知らん」

「じゃあ、また明日」

そう言って切られたスマホを置いて隣に居る幼馴染みに声を掛ける。

「そんな訳でお前明日実家に帰る事になったから」

言うと同時に俺の前から幼馴染みが逃げ出した。

咄嗟に幼馴染みの片足を掴んで全力で引っ張る。

バランスを崩した幼馴染みが顔面からフローリングに転倒した。

その隙に馬乗りになって手近にあった延長コードを引き抜いて逃げないように拘束しようとすると思いっきり暴れられて先程と同じような泥仕合になってお互い顔を腫れさせてどうにか拘束すると辺りを見回すと物が散乱して悲惨な事になっていた。

正直今から片付けていたら朝になりそうだしそんな気力もなかった。





読んでくださった読者様ありがとうございます


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