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実験好き男子の魔法研究  作者: 日野萬田リン
第二章:学院編
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第十五話:呪い、そして禁書庫

500PV突破ありがとうございます。こんなに見てもらえるとは思わなかったので、これからも頑張っていきたいと思います。


前回のあらすじ:アベル先生に"呪い"について聞きに行く。


十五話目です。そろそろ呪いを解いてあげたいと思う今日この頃です。

呪いのことを聞いた途端、アベル先生が真顔になる。


「呪いか…。誰からそのことを聞いたのか知らないが、今はもう呪いの研究はしていないんだ。」


「それでも呪いの研究をしたことがあるんですよね。ちょっと事情があって、呪いについて詳しい人を探しているんです。」


「事情ね。その事情については聞いても良いかい?」


特に隠すようなことではないため、アイヴィが魔力は豊富にあるのに魔法が発動しないこと、そしてその症状が魔王に呪いを受けた勇者と似ていることを説明した。


「確かに魔王が勇者にかけた呪いのことは知っているし、そのアイヴィという子の症状は似ているように感じるね。だけど、その呪いがなぜその子に現れているのか。確かに気になることは多いな。」


「そんな訳なので、先生にご協力いただけたらと思いまして。」


「分かった。微力ながら協力させてもらうよ。」


アベル先生の協力が無事得られてよかった。まずは諸々の確認からしていこう。





「うん、呪いについての大まかな認識は君の考えている通りであっているよ。ただ僕は今まで呪いを受けた人間を何人か見たことあるけど、術者の魔族が討伐される以外で呪いが解除されたのは見たことがないな。特に、アイヴィ君の呪いの元凶が魔王のものなのであれば解呪は難しいと言わざるを得ない。」


先生クラスであってもやはり解呪の具体的な方法は知らないか。


「それにもう一つ大きな問題がある。そのアイヴィ君は魔族に会ったことがあるのかい?呪いは魔族が使用する魔法だけど、さすがに会ったこともない人間にかかる呪いなんてない。」


「彼女は覚えている限りでは魔族に会ったことがないらしいです。」


そう、それが問題なのだ。そもそも魔族に会わなければ呪いなどかけられるはずがない。もちろんアイヴィは魔族になど会ったことないため、呪いをかけられる理由など全くない。だとすれば、なぜアイヴィに呪いの症状が現れているのか。


「先生に質問したいのですが、呪いが他人に感染ってしまうようなことってあるのですか。魔族に直接呪いをかけられる以外に要因があると思うのですが。」


「呪いが感染るか…。そういえば聞いたことがあるな。呪いを受けて引退した冒険者の子供だったか孫だったが同じ呪いを発症したという記録があった気がするな。眉唾だと思ってしっかり見ていなかったからうろ覚えだが。」


その話を聞いて一つ予想がたった。呪いが"遺伝"するという可能性だ。この世界においてDNAや遺伝子構造がどうなっているのか今のところ確認できないが、おそらくその冒険者から呪いが遺伝したのではないのだろうか。


そして、ドレッド家は名家だ。ということはどこかで勇者の遺伝子が混ざっていても全く不思議ではない。そう考えれば、アイヴィに呪いが発症した理由として説明がつく。勇者の生きていた時代がかなり昔であることを考えると、アイヴィに呪いが遺伝したのは突然変異のようなものだろうが。


後考えるべきは解呪の方法だ。これに関しては先生からの情報を得ても分からないままだ。どうしたものかと考えていると、


「学園の教員用書庫なら何か見つかるかもしれないな。あそこなら様々な研究の記録の閲覧が可能だ。生徒だけでは入れないが、僕と一緒なら入ることができるだろう。」


「本当ですか?ぜひ入りたいです。今のままでは情報が少なすぎる。」


生徒が普段利用する図書館は、専門書(あまり役に立たなかったが)はあれど研究の記録などはなかった。もしかしたら誰も見向きもしないような研究が役に立つ可能性もある。





翌日、アベル先生とともに教員用書庫に来ていた。時間は有限であるため、急いで呪いについて書いてある研究記録を探す。あれでもないこれでもないと資料を読み漁るが、役に立つような情報は得られない。アベル先生も探してくれているが、大した成果は得られていないようだ。


そのとき、ふと厳重な鍵のついた部屋があることに気づいた。


「アベル先生。あそこの部屋には何があるんですか?」


「うん?ああ、あの部屋か。あの部屋は禁書庫だよ。危険な研究の結果とかがまとめられている部屋だ。かつてあった非人道的な実験とかもまとめられているらしい。鍵は学院長だけが持っていて、僕ら教員でも自由には入れない。」


もしかして禁書庫なら何か情報が得られるかもしれない。一度学院長にも掛け合ってみようかと考えていると、アベル先生以外の気配を感じた。気配の方を向くと、学院長とコッド先生がいるのが見えた。学院長がこちらに気づき、近づいて話しかけてきた。


「これはアベル先生。そちらは確か新入生のアイン君だったかね。試験を見ていたよ。その年で無詠唱魔法を使えるとは将来が楽しみじゃ。」


ふぉっふぉっと、いかにも老人が出すような笑い声をあげながらそんなことを言ってきた。しっかりと実技試験の様子を見ていたらしい。すると、コッド先生も遅れてやってきた。


「アイン、お前はこんなところで何をしている。授業の様子を見ていると、まだまだ学ぶべきことが多いはずだ。授業の復習はきちんと終わったのか?」


「まあまあ、コッド先生。若者が自発的に学ぼうとしているのを止めてはいけませんな。それで、君はアベル先生と何を調べていたのかな?」


コッド先生はいつもの調子だ。特にごまかす必要もないので、簡潔に「呪いとその解き方について調べている」とだけ伝える。


「呪い…ね。また面倒なものを調べているようじゃの。じゃが、ちょうどよいのかもしれんな。コッド先生が禁書庫で調べ物をしたいとのことだったので、鍵を持ってきたのじゃが、どうじゃろう。君らも入ってみるかね?」


コッド先生は驚きで目を見開き、学院長に意見する。


「何を言っているのです、学院長。禁書庫は下手に利用されると危険な研究も多くあります。生徒に見せて危険なことに利用されてはどうするんですか?」


正直に言うのであれば、禁書庫で調べたい。しかし、コッド先生が言っていることは間違いなく正しい。そういった良識のない人間に利用されると最悪の結果になりかねない。危機感というものが足りていないのではないだろうか。


「もっともじゃな。だが、わしの勘がこの者に協力せよと言っとるのじゃ。わしのこういう勘はなかなか外れんのじゃ。」


コッド先生は何か言いたげだが、学院長の機嫌を損ねて調べ物ができなくなることを恐れたのか何も言わなくなった。すると学院長は禁書庫の前に立ち鍵を開けた。


「わしも忙しいのでな、長時間開けてやることはできんので、早く調べるんじゃな。」


そうして俺は先生たちとともに禁書庫に足を踏み入れるのだった。

十五話目いかがだったでしょうか。この話を書くに当たって突然変異について調べていたのですが、突然変異はランダムに起こっているわけではないという研究結果が現れているらしいですね。ご都合主義の部分が多いですがお許しください。

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