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実験好き男子の魔法研究  作者: 日野萬田リン
第二章:学院編
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第十一話:試験、そして入学

感想やレビューの設定をミスしていました。誰でもできるようにしましたので、もし良ければ感想・レビュー・評価いただけたら幸いです。


前回のあらすじ:リーネはアインのことを別の世界の人間ではないかと疑っている。


十一話目です。魔法学院に入学します。

魔法学院の入学のため、家を出る時が来た。ヨーダ兄さんやラット兄さんの時と同様、母さんが寂しそうな顔をしてこちらを心配している。


「アイン、本当に大丈夫。しっかりご飯を食べるのよ。あと定期的に連絡するからちゃんと返信しなさいね。それから…。」


「母さん、俺はもうそのセリフ二回は聞いたよ。大丈夫分かってるから。魔法学院の寮に入るわけだし、心配はいらないよ。」


母さんの心配性はいつものことだが、そろそろ慣れてほしいものだ。母さんと話していると止まらないので、父さんの方に話しかけに行く。


「いいかいアイン。向こうでもきちんと訓練をしておくんだよ。お前は魔法が使えるけど、最後に信じられるのは自分の体だからな。それとこれを渡しておく。魔法学院で剣を持っている人間は珍しいかもしれないけど、お前の実力なら持っていても問題はないだろう。絶対に使い方を間違えないようにね。」


そういって父さんは一本の剣を渡してきた。騎士学院の生徒なら剣を持つのも珍しくないが、それ以外の学院の生徒はめったに剣など持たない。一応護身用にと持つ人間もいるが、ほとんどの場合飾りに過ぎない。特に魔法学院の生徒なら剣より魔法を使うので、剣を持つ人間など皆無だ。

父さんから剣を受け取り、鞘から抜いて数回振って感触を確かめる。かなり手にしっくりくる。


「アインに合う剣を用意してみたんだが、どうだい?」


「すごくしっくりくるよ。ありがとう父さん。」


「それは良かった。体がまだ成長するだろうから、合わないと感じたらちゃんと新調するんだよ。」


その後、少しだけ会話をして出発の時間になった。母さんがハンカチで涙をぬぐいながら手を振って、父さんはこちらを仁王立ちしてじっと見ている。俺も馬車の上から二人に手を振る。そして馬車は出発し町から離れていくのだった。




およそ一か月の旅を終え、俺は今魔法学院の寮の前に来ている。受付に行き、自分の部屋を確かめてから自分の部屋に向かう。まだベッドしか置かれていない簡素な部屋だ。二人一部屋らしく、二人で過ごすには広くもないし狭くもないというちょうどよい大きさの部屋だ。片方のベッドの横に荷物をドカッと置き、ベッドに横たわる。旅の疲れだろうか、眠気に襲われてゆっくりと目が閉じていった。


部屋から妙な物音がして目を覚ます。もう一つのベッドの方を見ると、茶髪の男が荷物を整理している様子が見えた。


「あれ、起こしちゃったかな。音をたてないようにしていたんだけど、ごめんね。」


徐々に意識がしっかりとしてくる。寮の部屋が二人一部屋であることを思い出し、この男が自分のルームメイトなのかと理解する。


「初めまして、僕はラビ=ターコイズ。ラビって呼んで。」


「ああ、俺はアインシュ=ヴァレンタイン。アインって呼んでくれ。これからよろしく。」


簡単にだが自己紹介をすます。これから卒業まで同じ部屋なので親睦を深めようということで夕食の時間まで話をすることにする。


「それじゃあアインは魔法について詳しいんだ。僕は全然だからうらやましいよ。」


「詳しいといってもほとんど独学だからね。入学試験では魔法学の筆記が一番苦戦したし、世間からするとかなり異端だと思うよ。」


「僕は魔法なんて使えればいいと思ってる人間だからね。魔法が得意というわけじゃないけど、見ての通り体を動かすのも苦手だし、頭もよくないから魔法学院に入ったんだし。」


ラビは世間一般でいうところの"ぽっちゃり"に当たるといえるような体形をしている。それでも運動が得意な人間もいるが、ラビは苦手なのだろう。頭にも自信がないから魔法学院に入るという人は結構多いらしい。実際、貴族にとって将来的に役に立つのは官吏学院で学ぶようなことが主なので、その分官吏学院のレベルは高くなりがちなのだ。


「入学式まであと二日か。僕は町の探索とかをしようと思っているんだけどアインはどうする?」


「うーん。俺はちょっとやっておきたいことがあるからそれを済ませるかな。もし余裕があれば町に出てみようと思う。」


そこまで話したところで夕食の時間になり、食堂へ移動することにした。同室の人がとっつきやすそうな人で良かったと心の底から思うのだった。




今日は入学式だ。今は講堂に新入生全員が集められて、先生方のありがたいお話を聞いている。どの世界でも偉い人の話が長いのは定番であるらしい。式の最後にかなり年を召されたいかにも"おじいちゃん"といった感じの人が壇上に上がっていった。どうやらこの人はこの学院の学院長であるらしい。


「わしはカイル、この学院の学院長じゃ。若者たちよ。諸君らの未来はまだまだ無限に広がっておる。この学院に入って魔法の実力を向上させる者もいれば、うまくいかず悩む者もいるだろう。たとえどんな状況になっても、自分で道を決断しなさい。わしからは以上じゃ。」


学院長のありがたいお話も終わり、新入生はクラスごとに分かれ自分のクラスの教室へと移動した。試験の成績が良かったからか俺はAクラスになった。


「君たちAクラスの担任となったコッドだ。入学試験で優秀な成績を収めた君たちはこれからの努力でさらに伸びていくはずだ。努力を怠らないようにすること。今日は簡単な自己紹介をみんなにしてもらう。最初はエスカ=ヴィレッジ、君からだ。」


そういわれて立ち上がったのは、実技試験の時に大爆発を起こしていたあの赤髪の少女であった。


「エスカ=ヴィレッジです。魔法に関しては誰にも負けるつもりはありません。得意魔法は火魔法です。」


彼女の発言に周囲がどよめくが、実技試験を見ていた人間だろうか。何人かは当然だというようにうなずいている人間もいた。そこから数人自己紹介を済ませた後、ついに俺の番になった。


「アインシュ=ヴァレンタインです。いろんな魔法を使うのでどれが得意とかは特にないです。まだこの世にないような魔法を開発したいと思っています。よろしくお願いします。」


周囲が少しどよめいているが、多くは俺の腰に差さった剣を見て怪しげな目でこちらを見ている。やはり魔法学院で剣を持つというのは珍しいのだろう。周囲の目線に一つ刺すような鋭い視線を感じたのでそちらを見てみると、先ほどのエスカという少女がやはりこちらをにらむように見ていた。彼女に何かしただろうか?全く心当たりがない。今日はこの自己紹介で終わりなので、からまれる前にさっさと退散しよう。



十一話目いかがだったでしょうか。第二章学院編がスタートし、新キャラが続々登場しました。ちなみにラビはAクラスではありません。

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