8話
魔王教とは前回の終末の際に魔神が助けた人間たちに次の終末もお前たちだけは助けると言い、他の人間たちを獣だとそそのかして魔王を崇拝して悪事の限りを尽くすようにという教えの悪魔教のようだ。
特に他の神が助けたものになりすまし自分たちこそが神に選ばれた民だと主張し、それを理由に支配を正当化しようとすることもある、それだけでなく人間の数を管理する権利があるともいっている。そのため、その神が助けたものたちを目の敵にしている。
他の人間が獣というのは終末で強盗や強姦、殺人を繰り返す人間たちの様を見せこのようなことをする者たちはもはや人間ではなく獣だと魔神が助けた者たちに刷り込ませたらしい。
魔王教信者は他の人間は獣であり家畜のようなものだから殺そうが騙そうが搾取しようが何をしても構わないと考えるようになるという話だ。
悪魔の数字だか獣の数字だか知らないが666という数字を好み、自分たち以外の人間を666の獣と呼ぶ。理由は知らないが13という数字も好むようだ。
数呪術と関係しているらしいが詳しい事は知らない。呪術に詳しくないのでそこまでは理解できない。
魔王教幹部は海賊出身のようだ、残酷さが魔王教のやり方に合うらしくスカウトされた模様。魔王教幹部はレプティリアン(爬虫類人)変異体で人間を食べるとかいう噂もあったが、トースケは他の情報と合わせると海賊の方がしっくりくると感じた。
魔王教幹部は自分たちの事を悪魔の13血流とか呼び、13の血統で組織を構成している。
各国に散らばり影で政治や戦争に関わっているとされている。
13血流には有名な大国の政治家の一族も含まれており大衆の前で暗殺されたことで有名だが、恐らく魔王教に逆らったため消されたのだろう。
わざわざ大衆の前で暗殺したのは劇的にした方が恐怖を煽り、逆らう気を削ぐためと見せしめの意味があるとトースケは考えた。
その政治家の一族は親族などが事故などで死ぬことが多く、「呪いだ」なんて言われているが、なんてことはない魔王教が事故に見せかけて「呪い」のように仕立て上げ暗殺しているのだろう。
魔王教の手口を考えれば「呪い」なんかより遥かに合理的だ。
魔王教に逆らった者は一族まで呪いで死ぬと思わせられれば逆らう者もいなくなるという脅しと思われる。(数呪術は使うようだがそれで直接殺せるのならそうするだろう、回りくどいことをしているのを考えるとそれでは人を殺すことはできないのだろう。)
魔王教の手口は詐欺、強盗、暗殺、洗脳、脅迫、なりすまし、買収、裏切りなどありとあらゆる悪い事でモットーは大きな嘘ほどばれない、二つに分けて統治せよ、破壊と創造、白と黒など。特に裏切りは相手に絶望を与えるとかいう下らない理由もあるようだ。
大きな嘘ほどばれないとは大衆は小さな嘘だと気づくこともあるが大きな嘘ならば割と気づかないという意味。
二つに分けて統治せよとは一つの国を東西や南北に分けて統治することで片方が自分たちに逆らおうとすればもう片方をけしかけて潰す。
破壊と創造とは、戦争などで文化やインフラを破壊し、復興で金を巻き上げて儲ける。
白と黒とは善悪二元論で例えばコンピューターウイルスをばら撒いてからセキュリティソフトを売るようなものでマッチポンプである、白も黒も黒ということ。
他にもいわゆる死の商人、戦争が起これば両方の陣営に武器を売りつけ自分たちの手は汚さず儲ける。
加害者の癖に被害者の振りをして被害者特権を振りかざしヘイトをそらし批判を封じ込める。
戦争で魔法物質を独占し、脅迫を交えて売りつけることで儲ける、別のエネルギーは出てくる前に握りつぶす。
魔法物質で成功する前に魔王教幹部はこの世界で銀行業をして成功をしている、というのも主要な宗教が最初貸金業を禁止していたので、魔王教は宗教の違いを理由に貸金を始め銀行家として成功したというカラクリだ。
魔神に与えられた知識(この世界の先文明の知識?)を独占し権威を振りかざすことで、自分たちに都合の悪い知識は握りつぶす。自分たちは迫害されていたという立場を利用して貴族のお抱え錬金術師となりタブーとされている研究をして錬金術や魔法の知識を独占してきた。
99%の真実に1%の嘘(猛毒)を混ぜる、一見ほぼ真実なので間違っていないように見えるが、猛毒である1%の嘘を混ぜることによって本当の真実に気付かせない。
大衆による革命は彼らが主導することも多く、わざと権力を腐敗させて革命を起こさせいつの間にか自分たちが政治の主導権を握っているという事も。
大衆の洗脳には力を注ぎ、常に真実に気付かないよう繊細な注意を払う。
大衆が真実に気付くのを恐れてもいるが、気づいたとしても社会的、物理的に抹殺することでそれを事前に潰す。
こうして魔王教は大きくなっていき今や世界を脅かすほどの力を持っているようだ。
増えすぎた人口を減らすために様々な手段を使って人間を殺し、支配を永遠のものにしようと考えているらしい。
昔、終末予言が流行った時にも、魔王教はそれに合わせて終末を起こそうと考えていたようだが、幹部の一人が欲を出して延期することになったという話もある。
色々なカルト宗教も魔王教幹部が運営しているらしくカルトっぽいという噂の宗教の名前が挙げられていた。しかしそもそも宣教師を派遣しているある宗派の総本山が昔から魔王教の傘下であり権威を使ったマッチポンプをして自分たちを迫害させていたとか。そもそもその宗教に権威主義は矛盾しているなとトースケも感じた。
一部には厳しい戒律を守る信者もいて、それを見せて世間的には真面目に戒律を守っているだけだと思わせているが、それは隠れ蓑としてそういう人間も作っているだけでそういう集団とは別に魔王教の活動をしているようだ。
真面目に戒律を守っている者などは被害者を装うために、彼らの言う“生贄”(戦争などの犠牲者)とされることもあるという話。もちろん魔王教の工作員もその中に紛れていて被害者だとアピールする。
彼らにとっては戦争を起こすことは魔王に生贄の魂を捧げる儀式なのだ。戦争で何人殺したかなどは人口削減と生贄の両方の意味を持つ。(ポストに言わせればそういう格好をして恐怖心を煽っているだけということだが、真相は分からない。)
東の大国は魔王教が作ったとされている。表向きは宗教間の対立により移住した人々が作った国という事になっているが、その宗教、ヤズト教が魔王教の傀儡であり宗教間の対立というマッチポンプを起こすことにより移住を誘導し、国を作ったという話だ。その宗教の対立を率いた者や国を作る時の代表者が魔王教の一員とされている。代表者の肖像画に魔王教の組織の一員を表すマークが入っているとかなんとか。
魔王教は芸術にも力を入れており、ヤズト教の多くの芸術作品を魔王教の人間が作っていたようだ。魔王教の都合の良いような教義や表現をヤズト教信者に信じ込ませる狙いがあるようだ(主に終末に世界が滅ぶ的な何か)。中には、わざと魔王教の存在をちらつかせる様な事をして自分たちがヤズト教を支配していると煽っていると思われる。
魔王教は魔王の知恵の眼を表す単眼を象徴としているようだ。
これは大国の貨幣にもそのマークが入っているが、要は銀行業で成功した魔王教幹部が、気づいた人間の恐怖を煽るためにあるいは貨幣を支配しているという事で魔王教の権力を示し信者に魔王を信じさせるためにそうしているだけだろう。
魔王の力は強大で逆らえないと相手に思わせることで無理矢理従わせようとする。
借金の肩に脅迫して従わせる、買収する、いい思いをさせてやると懐柔するなども従わせる手口の様だ。
(こういう情報を見ると、黄金から解放されると魔王教から離れていくというのも分からないでもないな。)