表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第2話 紫の月
36/67

16.お盆休み〜陸と灯〜

陸のお盆休みです。

今回、後書きはありません。


文字数(空白・改行除く):1,515文字

神解(かみとき)駅〜、神解駅〜」

 俺はこの駅で降りた。

 異世界に行って大分経ったから、この神解市に、今の俺を覚えている人はいない。

 ヒリヒリン、ヒリヒリン。

 駅の近くの森からサンショウクイの鳴き声が聞こえる。

 駅を出て、森に向かう。

 人々は、楽しげに歩いていく。もちろん、楽しくない気分の人もいる。でも、心の底にあるのは「幸福」。

 この街のやつは、本当、単純だな。

 心の中が手に取るようにわかる。

「よっ、見ない顔だけどお前誰だ?下向いてると危ねーぞ?」

 と、制服姿のつんつん頭の男子高校生が声をかけてきた。

「てか、下向いてニヤニヤしてんなよ。気味わりぃだろ?」

 ニヤニヤしてたか、俺?

「何、考えてたんだよ」

「え?いや、この街のやつは単純だな、って思ってな」

「単純⁉︎お前、何様?チビのくせにかわいくねーな、お前」

「かわいくなくて結構だ!てかお前、誰なんだよ!」

「俺?俺は海部(かいふ)(ともし)。高1だぜっ」

 海部?

「お前、もしかして、(すぐる)の弟か?」

「ん?そうだけど、なんでお前が知ってんだよ」

「……友達の、兄さんの、友達が、卓。卓には、つんつん頭で5歳年下の弟がいるって聞いてたから」

「なるほどな。ところでお前、誰?」

「え、俺?俺は陸」

「名字は?」

「だーかーらー、俺は陸だって」

 陸だ、って言ったら陸なんだよ!

「え?お前の名前、陸陸なのかよ?」

「ちげーよ。下の名前だろ、どう考えても」

「え、だから名字は?」

「……秘密」

「なんでだよ。教えろよ」

「だってぇ、知らない人にぃ、名前を教えちゃダメだって習ったしぃ」

「どうやったら、そんな絶妙に腹立つ言い方ができるんだ?―っていうか、知らない人じゃねーだろ。お前、俺のこと、知ってるんだろ?」

「知ってるけどぉ、初対面だしぃ」

「……イラッとするからやめろ、その言い方。本当にお前、かわいくねーな」

「かわいくなくていい。―そういえば、お前、何高に通ってんの?」

「北神解」

「北神解?制服変わったのか?」

「変わったぜ。今年からな」

 前は、紺のブレザーにグレーのセーターだった。夏服は半袖シャツにグレーのズボン。

 今、灯が着ているのは、半袖シャツ、茶色のズボン。

 てかなんでコイツ、お盆なのに制服着てるんだ?

「あー、ばーちゃんが見たいっていうからさ、電車で見せに行って、帰ってきたところだったんだよ」

「なるほどな」

「じゃあ、俺、帰るわ。兄ちゃんにアイス買ってこい、って言われてるし」

「分かった。じゃあな」

「お前の友達の兄ちゃんによろしくな!」

「ああ!」

 灯は駐輪場の方に走っていった。

 まさか、卓の弟に会えるとは思ってなかったな。

 ―さ、森に入ろう。

 日本では、こんな森や林は少なくなった。

 この森は、神様に守られている鎮守の森。

 森を少し入ると鳥居がある。

 まず、会釈。

 くぐったその先に、拝殿がある。

 中央を避けてゆっくり歩く。

 手水舎で左手を清める。次に右手。

 右手に持ちかえて左手に水を受け、口をすすぐ。そしてもう一度、左手を清める。

 両手で柄杓を立て、柄杓を清めて、柄杓を戻す。

 また歩いて賽銭箱の前に行き、軽く会釈。そして賽銭を入れる。

 カラン、コロン。

 鈴が美しく優しくなり、俺を祓い清め、神を呼ぶ。

 2回、頭を下げておじぎをし、胸の高さで掌を合わせる。

 右手を少し下にずらして2拍手。その後、指先を合わせて祈る。



 神解社の土地神で、雷の神、神解様。今、俺の目の前にいらっしゃってください。そして、お話しをさせてください。



『誰かと思えば、陸ではないか』



 神解様!

 目の前に長く美しい黒髪と澄んだ目を持つ女神が現れた。

 檸檬色の着物。衿は朱色。

『よく来たな。さあ、中へおいで。ゆっくり話をしようではないか』

「はい。今の俺の状況も説明させてください」

『では入ろう』

 俺と神解様は本殿に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ