空と海と水
──ここは、地獄。
怨霊が、妖怪が、跋扈する世界。
そこにいる地獄烏もまた、妖怪だ。
「海ー!早くしなさい!」
「す、すみません、空様!」
「海(うな)」と呼ばれた少年。
本名を「霊鴉 海(れいが うな)」という。
地獄烏の中ではかなり若い分類だ。
一方、「空様」と呼ばれた少女。
本名、「霊烏路 空(れいうじ うつほ)」。
地獄烏たちをまとめる、リーダー的存在である。
その実力もやはりずば抜けていた。
そして、海は──
空に、憧れを抱いていた。
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「全く…もう少し早く動けないの?」
「ぐっ…すみません…」
旧地獄街道を歩きながら、2人は話す。
「…まぁ、間に合ったから良かったけど。それより…」
そう言いながら、空は水を渡してきた。
それは、先程まで空が口にしていたものだった。
「飲む?」
不意に、空が海にそう告げた。
一瞬の空白ののち、海の顔が一気に赤くなった。
「あ、え、これってさっきまで…!」
「ちょっと多かったからさ。飲んでいいよ」
「いやいやそうじゃなくて…これ、僕が飲んだら…その…間接…というか恐れ多いですよっ!」
「だーかーらー、飲んでいいよって言ってるでしょ?遠慮せずに飲みなさいよ」
「…はい…」
顔が一層赤くなる。
自分でも分かるほど。
「(こうなったら、いっそのこと一気に…!)」
一息ついて、残っていた水を、思いっきり飲み干した。
直後。
「けほっ、げほっ…!!?」
喉に強い刺激が来た。
「な、何これ…ただの水じゃない…?」
「あ、それ炭酸水よ。海、炭酸飲めなかったっけ?」
「飲めないというか…飲んだことなかったです…」
「そうだったの!!?ごめんね、知らなくて…」
「い、いえ…心配には至りません…(というか別の意味で危なかった…)」
続く。
初めまして、エフイーと申します。「エフィー」じゃないです、「エフイー」です。
そんなわけで(どんなわけだ)、東方二次創作小説を書き始めました。
テーマは「おねショタ」。好きな人もいるのでは?
…まぁ、この小説がおねショタ好きに届くことを微妙に願ってます。
あとお空ちゃん可愛いよね。