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第二章 辺境の町


「ガルダナ」




風の噂で聞いた話なんだが、


ジラソーレと連合正規軍との間で最近小競り合いが起こっているらしい。


現に俺が調査の依頼を受けたのもその小競り合いの様子を探るためで、


情報収集というのは名目で実際は小競り合いの真相を探るためだ。


ジラソーレは連合正規軍が駐屯しているガルダナを返還して欲しいのが目的と聞くが、


そうとも思えないのが俺の本心だ。ガルダナを含むイルーツ丘陵は戦場になっても自軍の部隊


を優位に出来る地形になっている。そんな穴場を正規軍は放って措けなかったんだろう。


元々四大傭兵勢力は連合正規軍には属してない国家がまとめた他民族国家だった。


そのため正規軍は異民族の討伐を掲げ次々と周辺国家を滅びしていった。


だが周辺国家でも力を持っている国はあった。それが四大傭兵勢力だ。


ようやく今では正規軍と対等に戦える程強大な勢力に成ったと言う訳だ。


だが、四大傭兵勢力の中でも領土問題や武力抗争は後をたたず決して平和ではない。


特にガルディスとジラソーレ、ラナ・ジェラとサラセンは仲が悪く争いが絶えないんだ。


俺は正規軍の農民と偽って情報収集のためガルダナに滞在していた。


「大変だ!!皆逃げろ!ジラソーレの傭兵が攻めてきたぞ!!」


なんて事だ!まずいここで攻めてくるとは…奴らは俺を知っている。


ガルディスの傭兵だって事をな…!くそっどうすれば良いんだ。くっ身を引くか…


「マスター!今回の分は、つけといてくれよ!」


速く逃げなければ…ガルダナの駐屯兵ではジラソーレの騎馬兵に勝てないだろう。


ガルダナがジラソーレ軍の手に落ちるのも時間の問題だ。


「何やってるの!急いでスクイード!」


少女が門の前で待っていた。第三分隊の魔道戦士エリス・フィヴァトールだ。


俺と同期なんだが如何せん年が違う。10才位違うんじゃないか?


そんな事はどうでも良い。速く脱出するほうが先だ。


「馬の準備は出来てるのか?」


息切れしそうな状態でエリスに話しかける。


「うん!向こうの農場で借りてきたよ」


助かった…徒歩で帰ると20日は掛かるからな。馬に乗ればジラソーレの騎馬兵が来る前に逃げられ


る。機動性からするとジラソーレに軍配が上がるかな…





「馬を求めて」


ようやく農場に着いた何て広さなんだイルーツ丘陵は…


「あぁ予約しておいた軍馬だね。」


軍馬?予約していたのは軍馬だったのか…相当値段が張る筈なんだが大丈夫なのか?


「すまない…軍馬2頭でどれ位になるのか教えてくれ」


レート的にいうと35000アーツ位の筈…


「100000アーツと6900ハンドだ」


冗談じゃないのか?100000と言ったら最初の旅費の半分だぞ。そんなにあるわけない。


「なぁエリス本当にこの馬なのか?違うのじゃないか?」


恐る恐る聞いてみた。


「えっこの軍馬に間違いないよ?」


なっなんだって!!!そうだとすると今の現金は確実に足りない!どうするスクイード…


「お客さん御代金をそろそろ良いですかね」


くっどうする…馬は必要だからあきらめる訳にいかないからな。


「なぁ主人。この軍馬より安い馬はないのか?」


こんなに高い軍馬を買ったら帰りの旅費がどう考えても足りない。少しでも安い馬があれば


多少良い宿には泊まれるのだがな。


「うーん…今殆ど馬が足りなくてね正規軍のお偉いさんに持ってかれちまったのさそこの


ポニーで良かったら格安で販売するんだけどねぇ」


こんな弱弱しいポニーじゃ帰りまで持ちこたえるか不安だ…しかたない。


「軍馬の方を売ってくれ」


くっミルド酒を帰りしなに飲みたかったな。さて帰路につくとしよう。何せ大変な情報を手に入


れてしまったんだからな。






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