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四十四話 第二エリア準備編

 戦闘エリアへ行くゲートの有ったところとは反対側の広場の隅。

 そこに木造りのアーチを発見。

 こんな場所が出来ていたなんて気づかなかったよ。


 アーチは森と広場の境にぽつんと建っていて、その奥には森しかない。

 でもアーチの中にうっすらとエリア切り替えのエフェクトが見える。

 スキップしながら入ってもいいんだけど、もし敵が襲ってきたら嫌だからカレンちゃんの背中を押して通る。


「うわー! すごいね」

「ああ。随分な品揃えだな」


 私たちがアーチをくぐったらそこは、ホームセンター並の棚数が有るレンガで出来た倉庫だった。

 正面の棚には回復薬。その横には色の違う回復薬。

 天井からは売り場案内の様にどのアイテムがあるかを示した看板。

 後ろを見ると入ってきたゲートの隣には同じ大きさの何処かへ通じているゲートも有った。


「これなら回復薬以外にも使えそうなアイテム有るかも! カレンちゃんは持ってかないの? いっぱいあるよ」

「いや、そういうのは全てあんずに任せてある。私が求めているのは……こっちだな」

「そういやそうだったね。なんのアイテム見に行くの?」

「まあ消耗品には変わらないんだが、こっちだ」


 色んなアイテムの乗った棚を見もせず目的の場所へ一直線に進んで行くカレンちゃん。

 時間あるんだし少し見て歩いてもいいのに。

 ほら例えばこのクラッカーとか良くない?

 すっごくでっかいよ。きっとモンスターも逃げてくんじゃないかな。


 あっこっちには剣とかも有るんだ! 武器もくれるのって凄くない? サービス良いねー。

 こんなに色々あるなら1エリアはもうちょっとサボってても良かったじゃん。

 ミーちゃんも内緒にしてさ、敵の攻撃をアイテム化を狙えんて言っちゃって。

 その言葉を信じてあんな木の実まで拾って頑張ったっていうのにさ。


「おお確かに有ったな。これを探していたんだ」

「どれどれ? ああー! それあれだよ電気出せるやつ! 良かったぁこれで変なことしなくて済むよ」


 カレンちゃんが棚から手にとったのは個人的にこのゲームで一番馴染みのあるアイテム、黒水晶だ。

 そういえばこれって射撃職用のアイテムだったんだっけ。


「貴様も使うのか? クラス制限が有るようだが」

「リッくんは人じゃないからそんなこと気にしないのだ」


 しかも黒水晶は私が持っていた(雷)以外にも(炎)(氷)(岩)と便利そうなバリエーションが揃ってる。 

 やっとまともな攻撃手段ゲット!!

 私はそれらを十個ずつと、射撃用アイテム繋がりで隣のフリスビーみたいなアイテムをまとめてバックにしまった。


「アイテムはこの程度でいいか。確か練習用のモンスターも居るんだったな? そちらにも行くか」

「もうそんなに時間ないからちょっとだけね」

「ああ、貴様の技を見るだけだ。それで十分」

「また言ってるの? たぶん嫌でも見るんだし今はいいんじゃない?」

「いや、それがどうやって攻撃するのか今みたい」


 もう仕方ないなあ。

 カレンちゃんに強引に押され、私達は入ってきた方とは別のゲートに。


 こっちの中は高い壁に囲まれたコロッセウムみたいな場所。

 壁上の客席ではNPCさん達が何もないのに歓声をあげている。


「こっちも手が混んでるねーイベントのサブ会場みたいなものでしょ? こっち側」

「ふふふっ実にいい趣向だな」

「あっ看板に説明あるよ。ボタン押したら敵が出てくるんだって。でも今は別に敵いらないよね?」

「見せてくれるなら私はどちらでも構わん」


 闘技場がよっぽど気に入ったのか感心したようにふらっと歩いて行くカレンちゃん。

 そんな彼女をよそに私はさっさと終わらせようと準備する。

 バックに入れた黒水晶のうちどれを使おうか。


(雷)の効果はわかってるし、炎はなんとなく想像できる。

(岩)かな。物理遠距離ってのも有ったら便利だし。


「おーいカレンちゃん! 戻ってこーい。いい、見ててね? まず蓋を開けて」

「……頭蓋を開かれてそいつは平気なのか」

「大丈夫なんじゃない? モンスターだし」


 カレンちゃんを呼び戻してリッくんにアイテムを入れる様子を見せる。

 蓋を開けると彼女に痛くないのかとか言われた。だけどリッくんの意思なんて私わかんないし。

 だからよくわかんないと答えながらリッくんを揉む。


 ポンッ


 リッくんからボーリングの玉サイズの岩が転がり出てきた。

 岩は私の足元に落ちているだけで何も起こらない。

 敵が出てきたら反応してくれたりしないかな。

 ただの岩って可能性も高いけど。

 

「どう? こんな感じで攻撃してくれるんだよ」

「ふむ。中々に面白い生物だな。貴様の手の内も見れたし、そろそろ集合時間にもなるな。戻るぞ」

「うん」


 私達は二つのゲートを潜って広場へと戻った。



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