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二十六話 成長できた?

 翌日。

 学校も無事終わり今日も私はゲームをしています。


 本日は昨日の夜に手に入れたカスタムチケットを使ってみようと中央タワーへと一人で来ているのです。

 たくさん並んだNPCのお姉さん達。その中で前回キャラクター登録のときにお世話になったお姉さんに話しかける。


「すいませーん!」


 ちょっとだけ周りに人が居ないかを確認して声をだした。

 ゲームのキャラに声をかけるのはまだ気恥かしさがあるんだよね。

 ミーちゃん達との会話は電話とかと同じ気分でいけるんだけど。


 私の声に反応したお姉さんは今日も優しい笑顔で私を迎え入れてくれる。

 彼女は笑顔のままシステムウィンドウを開き私に見せてくれた。


「えーっとカスタムってどれだろ」


 ページをめくると職業変更とかの並びにカスタムの項目発見。


 あっ、手順説明有るじゃん。


 1・職業名変更

 2・希望変更科目選択

 A ・職業ステータス

 B ・職業スキル


 3B・変更スキル要素選択

 4B・新スキル確定


 まずはカスタムに到達したことの証明であるクラス名変更か。

 元の名前であるテイマーにスーパーテイマーとかプロテイマーなどの冠を乗せることが出来るらしい。

 でも別に強制ということでもなくミーちゃんはノーマルな剣闘士のままにしてある。

 さて私はどうしようか。


「伝説のテイマー、プロテイマー上級テイマー。うーんどれもいまいち心にこない」


 候補として使用可能な文字列が並ぶがどれもピンとこない。

 無理につけないで私も保留しとこうかな。


 お次は科目選択。

 スキルを弄るのか、ステータスを弄るのか。どっちなのってところだ。

 当然今回はスキル変更。


「さてさてどんなカスタムができるのかな」


 指揮範囲 

 威 圧  

 観 察 

【    】

 スキルカスタムを選択すると画面には初期の三つプラス空欄の四項目。

 これから今変えたいものを一個だけ選ぶ。


 正直なところ初期のスキルがそれぞれがどう作用してるかまだ完璧には把握できていない。

 でもこれらを弄るよりは新しい4個目のスキルを貰った方がいいよね。

 空白をクリック。


 新しくスキルを貰うにはまずどういう系統かジャンルを選ぶ。

 そうすると候補スキルがランダムに生成され、その候補内から選ぶらしい。

 今選べるジャンルは次の4つ。


 アイテムサポート系

 モンスター強化系

 テイマー職強化系

 戦闘補助系


 うーん。戦闘はしたくないし、リッくん強化してもしかたないし。

 アイテムってのもあれだから……ということはクラス強化しかないか。

 クラス強化を選択するといよいよスキルの候補が出てきた。


【計略・幻】

【地脈の声】

【流転の蔵】

【生命判断】


 字面だけではどれがどんなスキルかわからないので一番上のを選択。

『スキル【計略・幻】 これでよろしいですか?』

 あーまたスキル詳細みれないんだ。


 なら直感でこれにするよ!


【流転の蔵】

 プレイヤーの所持アイテム上限を20上昇。

 プレイヤーのアイテム使用スピード上昇。

 モンスターのアイテム使用スピード上昇。


 ……まあアイテム上限は大きいのかな?

 思ってたような劇的な変化はなかったけど、これでスタートラインに立ったような物らしいしまた森にでも行こうかね。


「お姉さんまたねー」

 会話終了に合わせお姉さんが自動で手を振ってくれるので、私もそれに手を振り返しながらタワーを出た。


 リッくんと一緒に森の方へ街の中をのんびりと歩いていると、昨日の最後に取ったアイテムがリッくんに入れっぱなしだったことを思い出した。

 ちょっと道のはしっこに寄って中身を取り出す。

 中に入っていたのは錆びた人形。

 昨日の小人サイズのそれは、人形というには少し大きな毛糸の体で錆びたヨロイを着込んでいた。


「そういえばボスの兵隊食べさせたんだっけ」


 ちょっとヨロイの金具が気になるけどトータルで見れば全然可愛い。

 うん。そのうち部屋を借りたら飾ろう。

 でも今はアイテムバックに入れておく。


「ん? 入んない」


 人形は何故かアイテム化したまま小さくならない。

 んー家具は一度出したら再収納不可とか?

 まあ考えてもわかんないよね。そのうちミーちゃんに聞けばいいや。


 私はとりあえずぬいぐるみをリッくんの上に置いておくことにした。

 ぷにボディーと人形の組み合わせがなんとかナイトみたいな感じ。

 スキルのあれよりも見た目に変化あって良いね!


 うん。成長も感じられたし元気に森へ行こう!

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