夏にぴったりな手の繋ぎ方(200文字)
手を繋ごうとしたら、「暑いから嫌だ」と彼女に却下された。
その数日後。
「はい」
彼女が俺に差し出してきたのは、手のひらサイズの保冷剤。
「これなら暑くないでしょー」
「手と手の間に、保冷剤を挟めと?」
「うん!」
そんな自慢げに……。
「変だ」
「うるさいな! 手、繋ぐの? 繋がないの?」
「……繋ぎます」
彼女の手と、俺の手。その間には、保冷剤。
「ほら、涼しい」
「その割にはお前、顔真っ赤だぞ? この照れ屋」
「うるさい!」