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りんきおうへん!  作者: 七賀ごふん


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5/16

#5



天井のライトを見上げている。視界が反転したことに困惑してると、友悠も隣に寝転んだ。

「疲れてる時に仕事するのは効率が悪い。起こすから、明日の朝にやんな」

「うえっ無理。不安で眠れない」

「寝ろ」

横暴だ。頬を膨らますと、友悠は可笑しそうに指でつついてきた。


「大丈夫だよ、弦美」


布団を胸まで掛け、完全に寝る体勢に入る。

「……大丈夫」

彼は優しい声で繰り返し、頭を撫でてきた。

子守唄か、安息の手引きのようだ。

視界が徐々に閉じていく。怖いぐらいホッとする場所で、彼の熱を感じている。

おやすみ、と耳元で聞こえたとき、しぶとく掴んでいた現実から手を離した。




『困ったわね。何で弦美くんまで泣いてるのかしら』


幼い頃の記憶は、黒で塗り潰したいものばかり。


地域の子ども会。ビンゴをやって一等の景品を当てたら、俺に焼きもちを焼いて泣き出した男の子がいた。彼の悋気により俺もしっかり号泣し、保護者達は戸惑った。

正直、俺は景品なんてどうでもいい。最新のゲーム機だったけど、それより泣き虫のレッテルを貼られる方が恐ろしくて、大泣きしてる子に譲った。


男の子はゲームが手に入り、すっかり上機嫌になった。一方で俺は中々涙が止まらない。いつまでも部屋の角で泣いてるせいで、また大人達が心配して集まってきた。


『弦美くん、やっぱりゲーム欲しかったんじゃないの。あの子のお母さんにお願いして返してもらおうか?』


いやいや、絶対駄目だ。

そんなことしたらまたあの子が焼きもちを焼いて、俺は永遠に泣くことになる。


でもどう説明したらいいか分からない。

どうしよう。どうしたら……。

痛いぐらい強く瞼を擦ったとき、阻むように腕を掴まれた。


なにかと思って振り向くと、知らない男の子がいた。


『ゲームじゃない。俺がさっき殴ったから泣き止まないんだと思う』


は。


訳が分からず、再びフリーズする。大人達も、顔を青くしながら彼に問い詰めた。

『な、殴った!? 友悠くん、何で弦美くんにそんなことしたの?』

『だって、ずっとメソメソしてて邪魔だから』

『な……!!』

辛辣な回答に、大人達は顔を見合わせた。言葉を失い固まってる彼らを置いて、彼は俺の手を引いた。


『よし。行こ』

『え。あ、ちょっと!』




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