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第296話 避難民のこれから

レウキクロスの自宅での自堕落な日々を1週間ほど過ごしたある日のお昼ごろ、

オレたちのお屋敷に来客がやってきた


「ライ様、ジャンさんとサンディアさんがいらっしゃいましたよ」


「あの2人が?なんだろ?」


とりあえず玄関に向かう


「おお!ライ殿!噂通りの立派な邸宅だな!」


「あ、こんにちは

サンディアもいらっしゃい」


「お邪魔します、突然すみません」


「いや、ぜんぜんいいけどさ

とりあえずリビングへどうぞ」


「おう!すまんな!」


ジャンとサンディアをリビングに通し、座ってもらってからリリィにお茶を出してもらう


「ふむ?まぁまぁマシな人間のようだな」


雷龍様が骨つき肉を頬張りながら、ジャンのことを後ろから覗きこみ、話しかけてきた


「おお?なんだこの子どもは?」


しかし、雷龍様は見た目が幼女なので、この幼女の正体を知らないジャンは舐めた態度をとってしまう


角!つのつの!それに尻尾みて!

声を出さずにツッコむがとき遅し


「貴様、我が誰だかわからぬのか?」


雷龍様は、ゴゴゴゴ

と言わんばかりの凄みを発揮し、ジャンをひと睨みした

ジャンは冷や汗を流し始める


「こ、これは、、

どこぞの武人の方とは露知れず

失礼を働き申した

許されよ、この通りだ」


自分が敵うはずもない相手だとすぐに察したのだろう


雷龍様の方に向き直り、座りながらではあるが頭を下げてくれた

ほっ、さすが一流の騎士である


「うむ、許してやろう、我は寛大だからな」


「あの、ジャン団長、そちらの方が雷龍様なのでは?」


「なんと!こちらの方が!?」


「ええ、そうです

その人が雷龍キルクギオス様その人です」


「まさかこのようなお姿に変身されているとは!大変失礼致しました!」


椅子からおり、バッと片膝をついて頭を下げるジャン


「おお?

ここの人間はなかなか話がわかる奴が多くていいのう

貴様ももう少し強くなったら我の加護を与えてやってもよいぞ」


「誠ですか!?

私はまだまだ修行中の身ゆえ!

必ず雷龍様のお眼鏡に叶うよう精進して参ります!」


「よいよい、くるしゅうないぞ」

雷龍様がドヤ顔で殿様みたいなセリフを言っていた


「して!どのように強くなれば認めていただけるでしょう!」


「そうだのう、、」


「あー、、ところで何しにきたの?」


向こうは盛り上がってるのでサンディアに話しかける


「あー、はい、それはですね

そろそろ本格的にウチナシーレへの帰還に動き出そうということになり、

その報告にお伺いしました」


「おぉ、そうなんだ、ついにか

じゃあ、計画通り、まずは騎士団だけで様子見にいくんだよな?」


サンディアたちの動向は、数日おきに聞いていたので、この計画についても知っていた

だから、具体的な日取りが決まった、ということだけが初耳であった


「ですね

まずは3日後、先遣隊として約半数の50人で出発します

そして、国境沿いの砦で各都市からの援軍と合流し、ウチナシーレの様子を見てきます

モンスターがいたならその場で討伐し、いなければ遺体の弔いを行う予定です」


「そっか、、辛い仕事だろうけど、頑張れよ」


「はい、ありがとうございます」


「私とジャン団長は先遣隊として出向きますので、しばらくは帰ってこないかと

遅くとも1ヶ月ほどすれば一度戻る予定です

それから、避難民を首都に戻すかどうか検討する予定です」


もし、ウチナシーレの復興が不可能だと判断したら、

首都以外の別の都市に避難民を移動しなければならない


レウキクロスの外にはまだ1000人近くの人たちがテント生活をしいられてる

いつまでもそんな暮らしはできないので、

リューキュリア教国のどの都市に移動するのか考えないといけないのだ


そのあたりを先遣隊が判断するということだった


「わかった、教えてくれてありがとな

出発のときは見送りにいくよ」


「ありがとうございます

ライの方は、体調は大丈夫なんですか?」


「うん、教皇様と雷龍様のおかげで元気いっぱいだ

まぁ、半年は戦うなって釘刺されてるけど」


「そうですか、それはよかった

ゆっくり休んで身体を労ってください」


「おう、ありがとな」


「すまぬな!雷龍様とお話をさせていただいていた!

要件はもう伝えたか?」


ジャンが席に戻ってきて、オレたちに確認する


「はい、これからの予定はライに話し終わりました」


「そうか!では今日はこれで失礼しよう!

またな!ライ殿!」


「ええ、わざわざ伝えにきてもらって、ありがとうございます」


「ははは!それではまた!」


ジャンさんは上機嫌で帰っていった

雷龍様と話せたのがよっぽど嬉しかったようだ


玄関の外に出て、2人に手を振ってから家に戻り、

またリビングでまったりとしはじめる


ふと、台所でさっきのお茶を片付けているリリィが気になった


こっそり背後から近づき


「きゃっ!?」


可愛いお尻を触ってしまう

素晴らしい、嫁だから何をしても怒られないのだ

(ホントか?)


「あの、、ライ様、、」


「なにー?」

もみもみ


「きょ、今日もですか?」


「んー?今するか夜するか、どっちにしよーかなー?」


「、、、」


オレは宣言通り、リリィを毎日抱いていた


だから、リリィもちょっとそれっぽいことをすると過敏に反応するようになってしまったのだ


これから、こんな場所でされてしまうのでしょうか?

とうるうるしてる顔がすごく可愛い


へへへ、、


リーン


「おぉーい!ラーイ!いるかーい?」


「、、ちっ、いいところで」


玄関から呼び鈴の音が聞こえたと思ったら、クリスの声が聞こえてきた


オレは盛り上がりかけていた気持ちを抑え、

「じゃ夜にね」

とリリィに囁いてから、お尻から手を離す


名残惜しいが仕方がない


それにリリィからも

「はい、、夜に、、」

と答えが返ってきたのでニコニコになって玄関に向かうことにした


クリスのやつの相手をしてやらねばならない

なにしに来たんだろ?

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