第285話 リューキュリアの仲間たち
「ははは!それでは我々から話してやろう!!」
「ん?」
でかい声に振り返ると、
ジャンとサンディア、それにリョクとユウがすぐ近くまできたところだった
「あ、お疲れ様です」
すぐに立ち上がって向き直る
「そのままでいい!
お疲れであろう!ライ殿の活躍は聞いているぞ!」
どかっと、オレの隣の地面に腰掛けて楽しそうにするジャン
「あ、じゃあオレも」
それに合わせてオレたちも元の位置に腰掛けた
サンディアたちもそれにつづく
「この度は救援、ありがとうございました」
改めて、助けに来てくれたみんなに
あぐらをかいたままではあるが、頭を下げた
「ははは!
だからお礼は良いと言ってたではないか!
英雄ライ殿!」
「英雄って、なんすか、、テンション高いっすね、、」
「おお?知らんのか?
貴殿はクロノス神殿では英雄だとそれはもう評判だぞ!」
「なにそれはずい、、」
「昨日の教皇様との一悶着も民たちが楽しそうに話しておった!
おまえの大切なもんはなんだ!言ってみろ!
だったか?」
「ちょっ!?やめてくださいよ!」
昨日のことを暴露されそうになり、慌てて止める
「なにそれ!聞きたいわ!」
「ライ様、、そのセリフだけで、、キマってます、、」
「いやいや!やめて!」
「ライさんは静かに!ジャンさんどうぞ!」
抵抗虚しく、嫁たちに取り押さえられ、ジャンが楽しそうに話し出した
オレの武勇伝でんでんででんでん、を
ツラい、、
♢
「おにいちゃん、、カッコいい、、」
「惚れ直しますね♪」
「恥ずかしい、、恥ずかしいやつなんだから!」
「キマってます、、ライ様、、」
「ボクの方が恥ずかしくなっちゃうよ、、」」
「ふむ、やはり、、んん!いい夫じゃの、わしらの旦那様は、、ふふ、、」
三者三様な反応だった
でも、そんな反応は見たくなかった
オレは真っ白になって天井を見上げていた
「師匠が、、
あの、皆さん、師匠の魂抜けてますけど、、」
「別にいいのよ、大人しくなって怪我の治りも早くなるんじゃない」
「はは、ライのお嫁さん方は面白いですね」
「あん?サンディア、てめー
オレのことはいじってもいいが、妻のこといじったらしばくぞ?」
突如復活したオレは、サンディアの肩を持ってニギニギしてやる
「いたい!?ちょっと!!
友だちの肩握りつぶす気ですか!?」
「おまえもっと鍛えるべきだなー」
ニギニギ
「やめて!恥ずかしいこと暴露されたからって私に当たらないでください!!」
「おお?おまえー」
「はっはっはっ!!ずいぶん仲良くなったようだな!
良かったではないか!サンディア!
おまえ友だちいないもんな!」
「ジャン団長!?
わわ、私にだって友だちくらいいますよ!」
「ホントか〜?」
「だから痛いってば!!肩を握るのをやめろ!!」
オレたちはしばらく笑い合って過ごした
「いかんいかん、こんなことをしてる場合ではないのだ
もう出陣の時間だしな」
まだ朝早いというのに、ジャンが立ち上がる
「今日も戦ってくれるんですか?」
「もちろんだ!
豚どもを駆逐するまでは付き合わせていただく!」
「それは、すごく助かります、お気をつけて」
「おう!ではまたな!」
「サンディアも戦うの?」
「私は基本回復役ですね」
「そっか、気をつけて」
「はい、ありがとうございます」
「ユウも気をつけろよ」
「はい!ありがとうございます!」
「では師匠!僕も行って参ります!」
「待て、おまえはダメだ」
「な、なんでですか!?」
「当たり前だろ、実戦は早すぎる、ステイ」
「そんな!昨日だって戦えたんです!」
「一人でオーク一体殺せるのか?」
「それは、、」
「ならダメ
ステラ、こいつ止めて」
「はぁ〜い♪」
ガシッと両脇を抱えられ宙に浮くリョク
「ステラお姉さん!離してくださいー!」
そう言いながらマセガキのリョクの頬は赤かった
「じゃ、そういうことだからユウ
こいつは預かった」
「了解です!父にはリョクのこと伝えておきます!」
最後にユウが外に出ていって、来客ラッシュは終わった
大変なときに力になれないのは申し訳ないが、今無理するとダメだと自分の身体が言ってるのがわかっていた
だから、お言葉に甘えて
今日は、のんびり過ごさせてもらおうと思う
オレはまた、リリィの柔らかい膝にダイブし、すりすりとその感触を堪能しはじめた




