第281話 団欒
「てわけよ!」
ドドン!
そんな効果音が聞こえてきそうなポーズをしたソフィアが
これまでの経緯について話し終わった
ソフィアは、両手を腰に当て、目を閉じて仁王立ちしていた
なんでソフィアがドヤ顔なの?
と思ったがお口にチャック
「なんでソフィアがドヤ顔なのさ?」
天然のコハルは止めれなかった
「なによ!いいじゃない!熱い展開でしょ!燃えるわよね!」
ソフィアが珍しく興奮気味に鼻息を荒くしていた
なんだか見ていて面白い
「ソフィアって、少年漫画とかすきなんでしょうか♪」
「かもね」
ステラとこそこそ笑い合う
「ん?てかオニキスは!?
そのへんの草原に置いてきたなら危なくないか!」
バッとリリィの膝から上半身を上げて外を見る
オークの残党はまだいるはずだ
今の話だと、オニキスは疲労困憊で、みんなと別行動をとっていることになる
「大丈夫だよ、オニキスなら、ほらあそこ」
コハルが指を指した方を見ると
オニキスとアルテミスが隣り合って寝そべっていた
教会の中で、避難してきた人たちにお世話してもらっている
子どもたちが笑顔でたてがみを撫でていた
「ほっ、よかった、合流できたんだ」
「うん、リューキュリア騎士団と森を抜けたあたりで合流できたんだ」
「そっかそっか」
コハルの説明を聞いてから、もう一度お馬さんたちのことを見る
「あれ?アルテミスって、翼が生えたんじゃなかったの?」
遠目ではあるが、アルテミスの背中に翼のようなものは確認できなかった
「キャンプ地についたら精霊が身体から出てきてのう
それと同時に透明な翼も消えたのじゃ」
「へぇー、不思議だ
あいつ一体なにものなんだ?」
「それはわしにもわからぬ
もし、翼が精霊の力でなく実体であればペガサスを疑うところじゃが、違うようじゃしのう
今のところ、精霊との相性が特別よい賢い馬、というのが現状でわかってることじゃな」
「ふむふむ、そっかぁ〜
まぁ、全員無事ならそれでいっか」
ゴロン、とまた寝転んでリリィの膝にダイブする
柔らかくていい匂いがした
「それよりも!サンディアとジャンが騎士団を説得するところなんて!
特に熱かったわよね!」
とまだ興奮冷めやらないソフィアが言い出した
「あ、うん、たしかに
すごい熱い展開だった
てか、オレのことめっちゃ褒めてくれてて恥ずかしいな、、」
サンディアやジャンのセリフを思い出し、気恥ずかしくなる
「恥ずかしがることなどなにもない
おぬしはそれだけのことをしたのじゃ」
「ライ様は最高です、カッコいいです」
ふんす!とリリィまで同意する
「いやぁ、、でも、、恥ずかしい、、」
「ふふ、、おにいちゃん、、照れてる、、の?」
ミリアがクスリと笑いかけてくる
「お?このー、お兄ちゃんのことからかう気かー?」
ぐりぐりと頭を撫でてまわしてやった
「あはは、、だって、、かわいいから、、」
なんて言ってる妹
「おほん、、ところで、そのサンディアさんとジャンはいずこに?」
「クロノス神殿の方じゃないでしょうか?」
「そうなんだ?」
「もう夜ですし、おそらくは」
「よし、挨拶しに行こう」
「いや、ダメじゃ、明るくなってからにせい」
「えー?でも心配じゃん
他国の中に少人数でいるんだし、不安だよ?きっと」
「だとしても、夜中に敵のうろつく場所に出るべきではない」
「まぁ、、たしかに、、」
「リョクも来てるので指輪で話しかけてみてはどうでしょう?」
とステラ
「それだ!」
てか、マジであいつも来てるのか
小学生のくせに、、根性座りすぎだろ
と呆れてしまう
オレは首から下げていた指輪の一つを掴み、小さな剣の弟子に話しかけた




