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第264話 命を何に懸けるのか

クリスを見送った後、オレはみんながいる部屋に戻り、

改めて、さっきの件について話し合うことにした


みんなそれぞれ、ベッドに座っていたり、椅子に座っていたりしていて

オレはリリィが用意してくれていた椅子に腰掛けた


コハルはまだステラに寄りかかって悲しそうな顔をしていた

その横にはソフィアもいて、コハルの頭を撫でてくれている


「えっと、、さっきはみんなに心配をかけるようなこと言ってごめん」


オレはまず全員に頭を下げる


「さっきはさ、命懸けの戦いでも、コハルに付き合うって言ったけど、、」


「却下よ、ありえないわ」


「そうじゃな、わしも反対じゃ」


「ミィ、、は、コハルちゃんと、、おにいちゃんと、、ずっと一緒に、いたい、、よ?」


「私はさっきも言った通りです

コハルも許しませんし、ライさんももちろん許しません」


「わたしももちろん反対です、ライ様」


「、、、」


コハルだけがなにも言わない

そこで、オレから自分の気持ちを伝えることにした


「そうだよね、ありがとう、みんな

オレもさホントは怖かったんだ

でも、オレのわがままでコハルがやりたいことを縛るのは違うかなって思って

だから、コハルのことだけ考えてあんなことを言っちゃった

改めて、コハル、いいかな」


オレはコハルの目を見て、コハルに向けて話出す


「うん、、」


コハルもステラにもたれかかるのをやめて、オレに向き直ってくれた


「ごめん、やっぱり、オレ、怖いよ

コハルとみんなとお別れするの

だから、なるべく、命懸けの戦いはしたくない、、かな

ごめんな、、」


「ううん、、謝らないで、、

ボクの方こそごめん、、

あのね、、やっぱりボクの中には、英雄になりたいって気持ちがある、、

でも、、ボクも、、ボクもみんなとはお別れなんてしたくない、、

もし、そうなったら、、すごく、、怖い、、」


「うん」


「だから、みんなのため以外には命はかけないことにする」


「うん、オレも、それでいいと思う

みんなはそれで納得してくれるかな?」


「そうですね、それならいいですよ

私も家族の誰かがピンチなら全力で助けますし」


「そうね、わたしもいいわよ

ホント、あんたたちってバカなんだから」


ぐしぐし

ソフィアがコハルの頭を乱暴に撫でながら言う


「ごめんなさい、、」


「もういいわよ」


と、いうことで、この件についてはひと段落した


コハルが英雄になりたいってことは知ってたし、いつかこういう話題になるかもって予測すべきだったのに、今回はコハルを泣かせてしまった


最終的には丸く収まったけど、コハルが泣いていたのが頭から離れない

あとでもう一回ちゃんと謝ろう、そう思いつつ、もう一つの問題についても話し合うことにした


「よし!それじゃあ改めて!

オレたちがウチナシーレの出兵に同行するかについて話し合おうか!」


パン!

っと手を叩いて空気を変える


「クリスが言うように聖騎士隊にオレたちが同行するっていうのは、

もしウチナシーレの人たちが首都にいた場合、意味があると思う

聖騎士隊とリューキュリア側の無用な争いを止められるかもしれないからね」


「そうじゃな

しかし、その場合、ジャン騎士団長も一緒でないと、わしらだけ同行しても意味はないのう」


「だね、もし同行するならジャンさんに声をかけに行く必要がある

で、

もしウチナシーレの人が誰もいなくて、例のモンスターがまだ首都にいた場合は、かなり危険な戦いになるかもしれない」


「そうなったら逃げればいいわよ

コハルも納得したことだしね」


「うん、わかった、ボクは大丈夫」


「、、ただ、これは言いたくはないけど、、

もしモンスターがまだいて、出兵した聖騎士隊とぶつかったら、、

彼らが殺されている中を、オレたちは見捨てて撤退することになる、、」


「、、私は大丈夫です

家族を、みんなの命を優先すべきです」


「ボクは、、そんなの見たら、、逃げれないかも、、」


「そのときはわしが眠らせて」

「わたしが重力魔法で運んであげるわ」


「うん、、ごめん、コハル、それでもいいかな?」


「、、うん、わかった

そのときは、、大人しくみんなに捕まるよ、痛くしないでね?」


困り顔で、でも、ちょっとおどけてそう言ってくれるコハル


「じゃあ、方針として、オレたち全員の安全優先ってのは決まったとして、

聖騎士隊についていくべきかどうかだけど、

オレとしてはジャンを連れて行けるなら同行すべきかと思う」


「理由を聞いてもいいでしょうか?」


「うん、やっぱり、リョクやショウの国の人たちと、リリィやクリスの国の人たちが争うのは見たくないから、かな」


「ライ様、、とても、嬉しいです

素敵な考えだと思います」


「うふふ♪そうですね♪

私も一緒に過ごした大切な人たちには幸せでいて欲しいです♪」


「わしはもちろん子どもたちのためならば力を貸すのじゃ」


「いいわよ、カッコいいと思うわ」


「ボクも、できるだけたくさんの人を助けたい」

「ピー!」


「ミィは、、ミィは、みんなを応援することしかできないけど、、ついてく、、」


「ありがとう、じゃあまずはジャンのところに行って同行してくれるか聞いてみようか」


みんなが頷くのを確認して、これで会議は終わりかな、と思ったとき


「あ、、すみません、ライ様、、」


リリィが言いにくそうに口を開いた


「なぁに?なにか問題あったかな?」


「いえ、、そういうわけではないのですが、、

今回の聖騎士隊への同行ですが、わたしはついていけないと思います、、」


「え?それは、、あ、修行があるから?」


すぐにユーシェスタさんとの修行が思い当たった


「はい、、結界魔法の修行は数日開けてしまうと習得が難しくなるらしくて、

はじめてからは続けてやるようにとおかあさんから言われていまして、、」


「なるほど、とすると、リリィと何人かはお留守番になるかな?

心配だし前衛のステラかコハル、と魔法使いの、、」


「いえ!わたしのことは大丈夫です!

レウキクロスの町から出ることはありませんし!

みんなが向かう場所の方がよっぽど危険です!

なので戦力はそちらに集中させるべきです!

わたしのことはお構いなく!

ホントは、、ついて行きたいのですが、、」


「そう?うーん、、」


とは言っても、リリィ1人を残していくのは不安だ

それに愛する嫁と離れたくない


「心配ならば、クリスにリリィの護衛を頼むというのはどうじゃ?」


「あいつに?うーん?まぁ?」


クリスのことを考える

たしかに信頼してはいるが、、


「なに悩んでんのよ?あいつもかなり強いじゃない」


「あ〜、クリスさんが男だからでは?」


「ライ様?わたしがライ様以外の方となにかあるとでも思ってるのですか?」


リリィが珍しく怒った顔でオレを睨む


「そ!そそそ!そんな!

そんなこと思ってないよ!

ご、ごめんよぉ、、怒らないでくれよぉ、、

その、、リリィと、離れたくなって、、それだけなんだよぉ、、」


指をもじもじさせながら、凹んで答える


「そ、それは、わたしも寂しいですが、、、

んんっ!修行なので仕方ないのです

これも、愛するライ様と家族のためですので、我慢してください」


「うーん、、

じゃ、じゃあ、、正直イヤだけど、、

まぁ、、」


「歯切れ悪いわねぇ、カッコわるいわよ

とにかく、まずはジャンを同行させられるか、ライとティナ、ステラで頼みに行ってきてよ

あとのみんなは旅の準備と、クリスのところに行ってリリィの護衛をお願いに行きましょ」


ソフィアが仕切ってくれて、みんなが首を縦に振る


オレだけはリリィをお留守番させることに納得いってなかったが、

ティナとステラに背中を押されて宿を出ることになった

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