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第261話 聖剣様に会いに行こう

「おぉ〜でっけぇ〜」


「だね〜」


「はわぁ〜」


オレたち3人は聖騎士隊の駐屯地、というか神殿みたいな建物の前でその建物を見上げていた


軍事施設というより、教会とか神殿って言われた方がしっくりくる外観だ

冒険者ギルドに近い見た目をしていて、白い壁沿いにギリシャの神殿っぽい柱がたくさん並んでいる


オレたちの目の前には、身長よりも高い柵があり、柵の隙間から中の様子を伺ってみた


中庭には、たくさんの聖騎士が剣の稽古をしていて、門番も聖騎士の格好をしている


建物は神殿風だが、ここが駐屯地なのは一目瞭然だ


「結構厳重な警備っぽいけど入れるのかな?」


「ん〜?とりあえず聞いてみようよ」


タタタっとコハルが正門の方にかけていく


「どうかされましたか?」


門番を務めている2人のうち1人が、礼儀正しく話しかけてきた


「あの!ボクたちクリスに会いたいんだけど!

会わせてもらえないかな?」


「クリス?もしかして、聖剣様のことですか?」


「そうそう!それ!聖剣様!」


「いえ、、聖剣様はお忙しい身ですので、、えーっと、、」


門番さんは、邪険にはしないが困った様子だ

やっぱそんなにすんなりはいかないよな


「えー!ボクたちクリスの仲間だよ!

仲間なら会ってくれるのが普通だろ!」


食い下がるコハル


「な、仲間?ですか?それはどういう??」


コハルの言葉をちゃんと聞いてくれて、混乱していく門番さん

なんかすみません、、


「あれ?あなたは、、たしか、、」


そこで、門番さんがオレのことを見た


「昨日、聖剣様と一緒に戦っていた冒険者の方?ですか?」


「え?あぁ、昨日の小競り合いのときのことでしょうか?」


聖騎士隊とリューキュリア騎士団が争っていたとき、

彼もその場にいたのだろうか、と思い当たる


「小競り合い、、というかあれは、、

いえ、あのときは戦いを止めるのに尽力していただき、ありがとうございました」


ペコリと頭を下げてくれる門番さん


「いえ、そんな、当たり前のことをしただけですし」


「当たり前、、そうですよね、、

でも、私はなにがなんだか分からなくって、、何もできませんでした、、

ちょっとお待ち下さい

聖剣様のお知り合いということでしたら、取り次ぎます

お名前を伺っても?」


「はい、ライ・ミカヅチと」

「コハル・カグラザカ!」

「ミリア・ミカヅチ、、です」


「承知しました、お待ち下さい」


そう言い残し、門番さんは門を開けて中に入っていった


しばらくすると、

見知った顔の金髪がでかい大剣を背中に背負ってやってきた


「よっ、さっきぶり」


「よっ、じゃないよ、突然訪ねてきて

びっくりするだろ?」


「いいじゃん別に、なぁ?コハル」


「そうだよ!仲間なんだから!いつ会いに来てもいいはずさ!」


「仲間、、はは、嬉しいな」


「聖剣様、こちらの方々はやはり?」


「うん、友達、ううん仲間かな

通して大丈夫だよ、ありがとう」


「いえ!それではどうぞお入りください!」


言いながら、門番さんは門を開けてくれた


ペコリと会釈してから中に入る

クリスに案内されるがまま、立派な建物の廊下を歩き、3階まで上がって真ん中あたりの部屋に通された


「おぉ~?ここが聖剣様の部屋なん?」


扉を開けた先には執務用の机があって、右手には来客用のソファ、左手には本棚が並んでいた


内装は意外と質素で、聖剣様の部屋にしては豪華さが足りないような気もした


「はは、やめてくれよ聖剣様なんて

うん、ここが僕の執務室」


「へー、なんか思ったより普通だな」


「どんなの想像してたんだよ」


「なんかもっとこう、豪華な感じ」


「最初は豪華だったんだけどね

落ち着かなくて改装したんだ

あ、コハルさんとミリアさんはこっちにどうぞ

紅茶でいいかな?」


「うん!」

「はい、、大丈夫、、です」


「クッキーもあるよ、食べる?」


「食べたい!」

「じゃ、、じゃあ、、お願い、します、、」


コハルとミリアはソファの方に案内された

コハルは物珍しそうにキョロキョロしている


「キミも紅茶でいい?」


「あぁ、あんがと」


「おっけー」


カチャカチャとクリスが紅茶の用意をしてくれるので、

オレもソファに腰掛けて紅茶を待つことにした


すぐにクリスが紅茶とクッキーを運んできて、オレたちの前でカップに注いでくれる


なんだか可愛らしいティーセットだった


「おまえ、乙女趣味なん?」


「え?」


「ああ、いや、なんかうちの女子たちが好きそうなティーセットだな、と思って」


「ははは、、やだな、たまたま、たまたまだよ」


なにがたまたまなのだろう?

なんだか気まずそうにしているクリスの様子が気になった


なんだろう?別に可愛い小物が好きな男子がいても文句は言わないけど

恥ずかしいのだろうか?


「そ、それで、今日はどうしてココに?」


クリスが隣に腰掛けて本題を促してきた


とりあえず、乙女趣味のことは忘れることにして、

これからのリューキュリアの人たちの扱いについて、クリスに相談することにした

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