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第222話 黒髪オッドアイイケメンの刀使い

「あ〜、そうなんですか」


ギルドの食堂で話しかけてきた黒フードの怪しいやつに回答する

なんだぁ?こいつ

とりあえず、警戒しておく


「キミはじめてギルドにきたよね?見ない顔だ」


「そうですね、2日前にレウキクロスに来たばかりです」


「そうかそうか、ならレウキクロスのことやギルドのこと教えようか?」


「え〜と、、」


悩む、情報を仕入れたいという気持ちと、他人と関わりたくないという気持ちが背反する


「、、ところで、キミの剣ってもしかして刀かい?」


「え?あぁ、そうです」


雷帝剣キルクを見せてそう答える


「そうか!僕も刀使いなんだ!奇遇だね!」


「え?」


言われてから、そいつの武器を確認した


そいつの腰には、白と金の装飾がされた鞘がぶら下がっていた

鞘は洋風のデザインだが、刀の形だ


「おぉ、同じ刀使いの人、初めて見た」


「だろう!刀使いは珍しいからね!

あ!座ってもいいかい?」


「あ、はい、どうぞどうぞ」


そいつは嬉しそうにオレの正面に座る

そして、フードをとって顔を見せた


黒髪だった

この色の髪もこちらの世界に来てからは珍しい

久しく見ていない髪色だった


ニコニコしている顔は、、イケメンだ


それに、右目は金、左目は赤のオッドアイ

嫌でも昨日のあいつを思い出す


「この町にはオッドアイが多いのか?」


「おや?オッドアイの人物に恨みでも?」


「いや、別にないけど、、」


「そうかい?あきらかに態度変わったけど、まぁいいさタメ口でもなんでも!

好きに話してくれ!僕もその方が気が楽だ!」


「なら、そうするけど

昨日、門の辺りで金ピカの鎧を着た金髪ヤローが町の人たちに騒がれてたもんでね

そいつもオッドアイだった」


「あー、聖剣と呼ばれてる男だね

あいつはアステピリゴス教国 聖騎士隊のお飾りさ

聖剣なんて呼ばれてるけど部隊は率いてない

マスコットみたいなもんだよ」


「ふ〜ん?

ならなんで聖剣なんて呼ばれてチヤホヤされてるんだ?」


「それはね」


「誰この人?」


お盆を持ったコハルとティナが帰ってきた


「あ、お邪魔してます、美しいお嬢さん方」


「、、、なんか情報教えてくれてたけど、

もういっていいぞ、さようなら」


イケメンがオレの女に近づくのがイヤで追い払おうとする

シッシッ


「おいおい、そう邪険にするなよ、同じ刀使い同士だろ?」


しかし、そいつは食い下がった


「、、、」


オレは黙って立ち上がり、円形のテーブルに残っている2つの椅子、コハルとティナの椅子をオレの方に近づけて、もう一度着席する


「美しいお嬢さんという評価は許そう

2人とも最高に可愛いからな

でも、オレの女に指一本でも触れたら殺す

あと、必要以上に話しかけてもコロス」


席を立とうとしないそいつに対して釘を刺しておくことにした


「おぉ、こわいこわい」


「ガルル」


「はずかしいやつじゃ、、」


「やめてよ、、もう、、」


2人は恥ずかしがりながらもオレの両脇に座ってくれた


「あ、どうぞ!食べながら聞いてくれていいから!」


「もちろんそうする、今は昨日見た聖騎士隊と聖剣のことについて話してた」


「聖騎士隊というのはあれじゃろう、アステピリゴスの騎士のことじゃな

聖剣というのは聞き覚えがないのう」


「あーあれか、昨日門の前で見た騎馬隊の」


「そうそう」


「ほう?」


ティナに昨日コハルとミリアと見た光景について話す


「なるほどのう、その聖剣とやらについて聞いておったのじゃな?」


「そう、まぁ興味ないけど一応聞いてる」


「それじゃ、その聖剣について続きを話すけど、

このレウキクロスの中央、クロノス神殿には伝説の剣が貯蔵されていたんだ」


伝説の剣ときた、リンクだろうか


「その伝説の剣は塔の中央の台座にささっていて、選ばれた者にしか抜けないと広く知られているものだったんだ」


はい、リンク


「その聖剣を抜いたのが、あいつさ

名前をクリスタル・オーハライズ、元は庶民でこの町の住人だけど、

伝説の剣エクスカリバーを抜いてからは聖騎士隊のマスコットに就任したのさ」


エクスカリバー!エクスカリバー キタ――(゜∀゜)――!!

欲しい!


あ、浮気じゃないですよ?キルクさん?


腰の雷帝剣様に怒られそうな気がしたので撫でておく


「へ、へ〜、面白いシステムだな

その剣を抜いたのはそいつがはじめてなのか?」


「いや、6代目だ

エクスカリバーは持ち主が死ぬと勝手に台座に戻るらしい

そして、次の所有者が現れるまで頑なに抜けることはない」


「ふ〜ん?」

カレーうま、食べながら黒髪イケメンの話を聞く


ティナを見るとサラダを

コハルを見るとパスタを食べていた


ティナたん、それで足りるんですか?


「その聖剣様って強いの?」

コハルがやつに質問する


「強いらしいよ?聖騎士隊曰く、だけど

最近は聖剣が活躍するような相手がいないからね〜」


「そっかー、強かったら手合わせしたかったのになー」


「えっと、お嬢さんは」


「あ、コハルでいいよ」

「わしはティナじゃ」


「コハルさんは剣士なんだよね?腕に覚えがあるんだ?」


「うん!ボクは特級Bの冒険者なんだ!実力はもっと上さ!」


「へー!特級B!そんな冒険者なかなかいないよ!強いんだね!」


「えっへん!」


「ティナさんは?」


「わしはコレと魔法がメインじゃ、コハルのように血に飢えてはおらん」


「その言い方だと悪者みたいじゃないか!

ボクは英雄なんだぞ!」


「すまんすまん、わしはコハルほど血気盛んではないのじゃ」


「けっきさかんって、なんだっけ??」


アホ可愛かった


「あはは!面白い人たちだなー!」


「そういえばおまえ名前は?

あ、オレはライ」


「え?あー、、クリスだ、クリスという」


「クリス?」


「あぁ、、」


「そうか、よろしく」


「お、おう、、」


なんか安心したような顔をしたけど、こいつまさか、、いや、まさかな


「なぁライ!もし良かったら僕とパーティを組まないか?」


「良くない、さよなら」


「おいおい!冷たいじゃないか!いろいろ教えてやっただろ?」


「別に頼んでないし、カレーうめぇー」


「ひどいやつだなぁー、、」


「クリスって冒険者ランクいくつなの?」

コハルがパスタ片手に質問する


「特級A」


は?こいつオレたちより上なの?


「、、ギルドプレートみせろよ」


「いいよ、ほら」


本当に特級Aだった


「、、自分の方が上なら大袈裟に驚くなよ」


「ごめんごめん、でも、特級自体珍しいのは本当じゃないか

この町にも数えるほどしかいないよ」


「まぁ、たしかに」


「ライ、ミリアに強敵を慣れさせるためにも、パーティの話は良い話ではないか?」


「う、う〜ん、、」


たしかにティナの言うとおり、強い前衛職がもう1人いれば、後衛を守る盾が増えるから安心できる

その点、このクリスという男は最適だった


でも、男だしな〜、と悩む


「おまえ、結婚してるの?」


「え?してないけど?

あー、、大丈夫、ライのお嫁さんたちには手を出す気ないよ

僕には心に決めた相手がいるのさ」


「ホントだな?」


「もちろん!」


「みんなにも相談してみる」


「わかった!ありがと!」


「まだ組むって決めたわけじゃないぞ」


「大丈夫!考えてくれるだけで嬉しいよ!」


黒髪オッドアイの刀使いクリス


妙なやつと出会ったが、はじめて会う自分たちより強いかもしれない人間

こいつからなにか学べるかもしれない


そう思って、一旦そいつとはわかれ、ギルドを出た


「結局どうするの?」


「なやみちゅー」


「なにが気に入らないのじゃ?」


「みんなに男を近づけたくない」


「だからー、ボクたちはライ一筋だってば」


「こ、コハル、、ちゅーしてもいい?」


嬉しいことを言ってくれたのでしたくなる


「ここじゃダメ!」


「わかった!」


グイッ!


「あっ!」


建物の影に連れ込んで、ポニテの根元を掴んで逃がさないようにしてから

ちゅっちゅっしてやった


「帰ろっか」


「うん、、」


最初は抵抗していたが徐々にコハルからも反応してくれて、今は高揚している

その赤い顔をみて満足する


「すんだかのう?」


「ティナもおいで」


「また今度でよい」


素直じゃないなー、と呆れ顔のティナを横目に、コハルと手を繋いで宿に戻ることにした


帰り道、すぐにティナからも手を握ってくれたので、

宿の廊下で抱きしめてちゅっちゅっしてやったのは言うまでもない

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