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第217話 家族の本音、そして観光へ

「あんなのひどいわ!」


「そうですよ!」


教会から出たあと、みんなしてさっきの会話について怒り出す

あの場では我慢していたが、外に出ればその限りではないのだ


「ありがとう、みんな」


でも、そんなオレたちを見ても、リリィは笑顔でお礼を述べていた


「リリィちゃん、、だいじょうぶ?、、」


「大丈夫ですよ

、、いえ、、やっぱり少し悲しかったですね、、

でも、わたしは諦めませんので」


「まぁ、会話ができないわけじゃないしのう

何度も通えば聞いてくれるかもしれんのじゃ」


「ん〜、ボクのときは、すぐに家を飛び出しちゃったからな〜

家族とのことはちょっと自信ないかな、、

ごめんね!リリィ!うまくアドバイスできなくって!」


「いえ、2人ともありがとう、明日からあの人が折れるまで通い続けます」


「あの、、オレ、、」


さっき余計な口を挟んだことが申し訳なくて謝ろうとする


「ライ様、先程はありがとうございました」


「え?でも、、逆効果だったような、、」


「そうかもしれません

でも、わたしは嬉しかったです

家族として、お母さんにそう言ってくれて」


「リリィ、、そっか、、うん」


悪いことをしたかと思ったが、リリィがそう言ってくれるなら良かったのかもしれない

そう思うことができ、気が楽になった


「辛気臭いのは無しにして、今日はリリィに町を案内してもらわんか?

わしも今日は探検したい気分なのじゃ!」


珍しくティナがそんなことを言い出した

場を明るくしよう、そう思ってくれてるのかもしれない


「そうだね!ボクも探検したい!」


「そうですね、今日はみんなにわたしの育った町を見てもらいたいです

行きましょう」


「なら!なにか甘い物食べたいわ!」


「昨日の今日で、、太りますよ〜、ソフィア」

クスクスと笑うステラ


「ふと!?太らないわよ!!あんたこそ!」


「私は、毎朝運動してるので大丈夫で〜す♪」


「くっ!、、ならわたしもたくさん食べたときは修行するわよ!」


ガヤガヤとかしましくなってきたところで、教会から離れてレウキクロスの町に繰り出すことになった


リリィの育ての親、ユーシェスタさんとのコンタクト初日は上手くいかなかったが、明日にはなんとかなるといいな、そう思いながらオレはみんなの後を追った



「まずは観光名所から回ってみましょうか」


「うん!お願いします!」


リリィが先頭に立ってオレたちを案内してくれることになった

アステピリゴス教国の首都レウキクロスの観光のはじまりだ


「では、クロノス神殿に向かいますね」


「探検だー!」

「ピー!」


歩きながらリリィのガイドを聞く


「ちなみに、先ほどの中央教会もレウキクロスでは有名な観光名所です」


「たしかに、見事な絵画とステンドグラスだったのう」


「はい、クロノス教のシンボルである時計をカラフルなステンドグラスで表現しているのは中央教会だけで、他の教会では真似できないように制限がかけられているんですよ

なので、あの美しいステンドグラスが見れるのは中央教会だけなんです」


「へぇ、そう聞くとレアなものが見れた気がして得した気分ね」


「それと、天井の絵画にはクロノス様を中心に、このレウキクロスに加護をあたえてくれた使いの天使たちが描かれていて、

レウキクロスの歴史を学ぶ上でも貴重な文化財として登録されているんです」


「綺麗な絵画でしたもんね♪

そんなすごいものが2つもある教会が実家なんて、リリィはラッキーでしたね♪」


「ふふ、そうかもしれませんね」


「リリィちゃん、、説明じょうず、、だね」


「たしかにね、なんだか説明慣れしてる感じ」


「それはですね、中央教会にいたときはたまに観光ガイド役もやっていましたから

観光客の方に何度も説明してきたんですよ

まぁ、お母さんの受け売りではありますが」


「なるほど、だから説明が上手かったんだね」


「ありがとうございます

あ、クロノス神殿に到着しましたよ」


路地から大通りに出て、リリィが足を止めたので、正面の建物をじっくり見ることにした


「おぉ~」


「でっかいね~」


みんなして、クロノス神殿と呼ばれた巨大な塔を見上げる


首が痛くなりそうなほど高い塔であった


塔の周りには相変わらず巨大な輪っかが宙に浮いている


「では、中に入りましょうか」


またリリィが歩き出したので後ろに続いた


「教皇様が住んでる神殿に入れるんだ?」


「ええ、1階部分は開放されています

もちろん、それ以外のところには自由に入ることはできませんが」


「なるほどね」


神殿の前の10段くらいある横に長い階段を上って、建物の中に入る


正面の巨大な扉は身長の3倍以上の高さがあって、複雑な模様が描かれていた

その扉も中央教会と同じように開けたままになっている


「中もすごいわね、、」


「ほんとだね、、」


クロノス神殿の中は、真っ白な大理石のようなもので作られていて、大きな柱が壁沿いに添って何本も並んでいた


天井は高く、一部は吹き抜けになっていて、上の方も見ることができる

円形の塔に添って、螺旋階段がぐるりと囲っていた


首を上げるのをやめ、正面を見る


扉から入った正面には、10人くらいが並んで登れそうな大きい階段があり、赤いカーペットが引かれていた

でも、その階段の前にはロープが張られており上には行けないようだ


階段の左右には門番と同じ鎧をきた騎士が1人ずつ立っていて、勝手に登ろうとした人を止める役目を担っていそうだった


「あの鎧を着た人たちって?」


「彼らは、アステピリゴスの聖騎士隊の方々です

祖国の守護を司る騎士たちですね

クロノス神殿と教皇様を守るのも彼らの重要な役目の一つです」


「そうなんだ、門番の人も同じ鎧を着てたけど、あの人たちも聖騎士なの?」


「ええ、その通りです」


「聖騎士っていうと、なんだか聖なる力を持ってそうなイメージだけど

う~ん、ボクには普通の騎士に見えるなぁ?」


「ふふ、アステピリゴス教国の騎士たちの総称ですので、特別な人だけしかなれない、というわけでありませんよ

剣の心得と国籍があって、試験に受かればどなたでも入隊できますから」


「そうなんだぁ~、聖なる力とかあったら見たかったのにな~

ね~?ピーちゃん?」

「ピ~」


「ふふ、もしかしたら、聖騎士の方の中にはそういった力を持ってる方もいらっしゃるかもしれませんね

そろそろ次に参りましょうか」


「うん!案内ありがとうね!」


「いえいえ、次はソフィアのリクエストにもあったので、美味しいデザートのお店に」


「ホントに!?楽しみね!

あっ!ステラ!ちゃんと運動するから変なこと言わないでよね!」


「なにも言ってないじゃないですか~、せっかちさんですね」


「それはあんたが太るとか言い出すから!」


「はいはい、言いません言いません

ソフィアは細くってちっちゃくってカワイイですよ」


「ちっちゃくっては余計よ!」


やんややんや言いながらクロノス神殿を後にする


リリィの観光案内はこのあとも続いて、おかげ様でオレたちはレウキクロスの町を満喫することができた

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