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第154話 ツインテ少女甘やかします

「お、、おはようございます、、」


「おはよう、ミリアさんは1人で起きれて偉いね」


よしよし、と頭を撫でる


そんな突然頭なんて撫でて大丈夫か?

とオレ自身も思っていた


でも、昨晩表示された攻略さんのアドバイスに従ったのだ


ミリアちゃんの反応はどうだろう


「はわっ!?、、え、、えっと、、ありがとうございます??」


不思議そうにされてしまった

でも、嫌がったりはしない

よかったよかった


「あ、、朝ごはんの準備しましゅ!」


撫でられた頭を両手で触ってから、恥ずかしそうにして、パタパタと台所に消えていく


「あ!オレも手伝うよ!」


急いで後を追った



台所でミリアちゃんの隣に立って、食材や調理道具を取り出し、

2人でサンドイッチの準備をする


「あのさ、ミリアさんのこと、ミリアって呼んでもいいかな?」


「え、、えっと、、いい、、ですよ?」


あんまり良くなさそうだが、了承してくれた

押しに弱そうな子だ


でも、呼び方を変えることで距離が縮まるように思うので、強行させてもらう


「ありがとう!じゃあミリア!

このキュウリを切ってくれるかな?」


「は、、はい、、」


ミリアが手際よくキュウリを切ってくれる


「おぉ!上手だね!」


「そ、、そうですか?」


「うん!とっても上手だ!」


「、、、」


あれ?ノーリアクションだ


オレは、攻略さんのアドバイス通り、ミリアのことを褒めちぎっているのだが、今のところ大きな変化は見られない

いや、こういうのは継続が大事なのだ

それに美少女を褒めることに苦はない、むしろ楽しい


よし、引き続き、頭も定期的に撫でていこうと思う


ミリアに積極的に話しかけながら料理していると、サンドイッチが完成した


「美味しそうにできたね!ミリアが手伝ってくれたおかげだ!

ありがとうな!」


よしよし、と頭を撫でてみる


「そんな、、お仕事ですから、、」


無抵抗に頭を撫でられているミリア

特に嬉しそうにはしていない


「あ、、運びます、、」


「大丈夫!運ぶのはオレがやるから!

ミリアは見てて!

重力魔法を使えばこの通り!みんなの分も運べるんだ!」


オレは覚えたての重力魔法を使って、お皿に乗ったサンドイッチを浮かせて、まとめて運んで見せた


「わ、、わぁ、、お皿が浮いてる、、すごい、、です」


頭を撫でるより、こっちの方が反応がいいような気がする


ふむふむ、やっぱ魔法に憧れがあるのかな?

と考えながら、ミリアを従えてリビングに向かう


今日もみんなで食卓を囲んで、手を合わせてから朝食を食べはじめた


「ミリアどう?美味しいかな?」


「は、、はい、、すごく美味しいです、、」


「いつもは、どんなものを食べてるの?」


昨日のシチューはステラ特製だから、

"すごく美味しい"

のはわかるが、今食べている朝食は簡単なものだ


だから、

"すごく美味しい"

という感想に少し違和感を覚えた


お世辞をいうタイプの子には見えないから、普段あまり良いものを食べていないのかも、と思ってしまう


「あの、、畑で取れたお野菜、、を、、」


やはりか


「そうなんだ、答えてくれてありがとうな」


「い、、いえ、、」


台所の備蓄を確認したとき、野菜が少しだけしかなかったのが気になっていた

パンとかお米など、主食になるものを普段食べていないように見えた


しっかりと栄養が取れているのか心配になる


心配になると、なんだかミリアの顔色が悪いような気がしてきた

うん、今日からはしっかり食べさせてあげないと


「朝食の後はいつもなにしてるの?」


「畑しごとを、、手伝ってます、、」


「そっか!じゃあオレも手伝うよ!」


「え?、、でも、、お客さん、、ですし、、」


「大丈夫!ミリアの手伝いがしたいんだ!」


「?、、わかりました?、、」


なぜ?と頭にハテナマークを浮かべたままだったが、オレの申し出を受け入れてくれた


「あ!ボクも手伝うよ!」


「ピー!」


「ピーちゃんも来るって!」


「私もいきまーす!」


「では、わたしもご一緒しますね」


「わしはちょっと気になることがあるからパスじゃ、すまんの

ソフィア手伝ってくれるか?」


「わたし?

別にいいけど、じゃあ、そういうわけだから、いってらっしゃい」


「はーい」


こうして畑仕事組と留守番組の2組にわかれることになった


朝食の食器を片付けてから、ミリアの家から外に出る


「畑仕事の道具はどこかな?」


「あ、、ここです、、」


ミリアが家の外の物置を開けると、鍬が1つ、スコップが1つ、籠が1つだけ入っていた

物置のサイズにしてはガランとしている


「、、えーっと、今日の仕事内容は?」


「土を、、たがやす、、らしいです、、」


「わかった!じゃあ鍬とスコップを持っていこうか!」


オレは、物置からそれぞれ道具を取り出して、両手に抱える


「あ、、もちます、、」


「いいのいいの!こういうのは男が持つから!」


「そんな、、えっと、、」


ミリアが困ったように周りをみる、みんなに助けを求めているようだ


「ライ様に任せて大丈夫ですよ」


「うん!ライは優しいし力持ちだから大丈夫!」


「わ、、わかりました、、」


リリィとコハルの言葉で納得してくれたようで、ミリアが畑に向かって歩き出した

オレたちも、その後ろについて歩き出す



ミリアについて、本日の畑仕事の場所までやってきた


畑の持ち主らしきオッサンに挨拶して、畑の中に入る


「ココから、、あのあたりまで、、やるそうです、、」


ミリアがオッサンからの指示を教えてくれる


「よーし!やるかー!」


「ボクもやるよ!」


「おぉ!ありがとな!」


コハルに鍬を渡す

オレはやりづらそうなスコップだ


「あ!あの!、、わたしが!、、」


ミリアは、自分に道具を渡されないことにあせったのか

あわあわとオレに近づいてきた


「大丈夫!ミリアはそこでみんなと見てて!」


「で!でも!、、、」


「ミリアのことを助けたいんだ、ダメかな?」


なるべく優しい声を心がけて、でもちょっと強引目にお願いしてみる


「だ、、だめじゃ、、ない、、です、、」


「ありがとう!よーし!コハル!どっちが早く耕せるか競争するか!」


「いいよー!負けないぞー!」


そして、ザクザクと2人して畑を耕しだした


「あの、、わたしの、、おしごとなのに、、」


「大丈夫ですよ、誰がやっても同じなんですから、それにライさんたちがイヤそうに見えますか?」


「み、、みえない、、なんだか、、楽しそう、、」


「でしょ、2人とも楽しそうにしてるから大丈夫です

私たちはココで待ってましょう」


オレは畑を耕しながらチラッと向こうを見ると、

リリィがアイテムボックスからイスをとりだして、3人とも腰掛けるところだった


よかった、立ちっぱなしだと疲れちゃうからね

のんびりと待ってて欲しい


「よそ見してるなんて余裕だねー!競争なんだぞー!」


となりのコハルが笑いながらペースアップしていた


「おぉ?ま、まちたまえ!」


「いやだよー!」


「飛ばしすぎるとバテるぞー!」


「やーい!負け惜しみー!」


ザクザクと掘り進めていくコハル


ふむ、なるほど、あのお子様にはオレの本気を見せないといけないようだ


オレは気合を入れてスコップを握り直した

負けるわけにはいかない、男として

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