第136話 小悪魔デート召し上がれ
「次は、わたしが見つけたお店に連れてってあげるわ!」
「よろしくお願いします!」
「こっちよ!」
元気よく進行方向を指さして歩き出すソフィア
「あ!待ってソフィア!」
「なに?」
「あの、手を、、」
なんだか一度離した手を繋ぎ直すのが恥ずかしくって、ごにょごにょと言い淀んでしまう
「ふふ!かわいいじゃない!」
オレの意図をすぐ理解した小悪魔は、オレの手をぎゅっと握ってくれる
それにしても、かわいい、か
やっぱはずいな、次は黙って握ろうかな
そのあと、
ソフィアは昨日見つけたんだという花屋まで引っ張っていってくれた
色とりどりの花が並んでいて、とても綺麗だった
「いい匂いだね」
と話したりしていたが、
「キミの方が花より綺麗だよ」
というのはさすがに自重した
うん、キモすぎだよね
「次はカフェに行きましょ!」
「おっけー!」
次は、お昼ご飯兼で、おしゃれなカフェに連れてきてもらった
そのカフェの内装には、
観葉植物がいくつもおいてあり、天井からも植物が吊るされていてオシャレなカフェだった
「へー、すごくオシャレだね」
「でしょでしょ!コハルに教えてもらったの!
あの子ったら、ボクは男の子みたいだ、とか言うくせにこういう店も好きなのよ!」
「なんか意外だね」
「そうよね!今度からかってあげるといいわ!」
「はは、ほどほどにね」
ソフィアと話していると
飲み物とパンケーキが運ばれてきた
ソフィアはココア
オレはカフェオレにした
パンケーキはソフィアおすすめの同じものを注文した
2枚のパンケーキにクリームがかけられていて、アイスと小さいフルーツが添えられている
「かわいいし!美味しいのよ!」
「そうなんだ!楽しみだな!」
オレがフォークとナイフを持つと
「ねぇ、、食べさせてあげようか?」
控えめに、ちょっと遠慮したような仕草で、素晴らしい提案をされた
「お願いします!嬉しい!!」
「素直ないい子ね!」
ソフィアが自分のパンケーキをキコキコと切って、笑顔でオレにむかって
「はい!あーん!」
なんてしてくれる
「はむっ、、もぐもぐ、、美味い!
それにソフィアにあーんしてもらえてしあわせだ〜」
「ふふ!わたしも幸せな気分よ!ねぇ!わたしにもしてよ!」
「もちろん!」
オレも同じように、あーん、をしてあげる
「美味しいし!嬉しいし!楽しいわ!」
ソフィアが頬に手を当ててニコニコと食べる姿は本当に可愛かった
「あぁ、、可愛すぎて、、浄化されそう、、」
「なにまた変なこと言ってるのよ!」
そう言いながらも笑顔は絶やさなかった
楽しくお昼ご飯を食べたあとは、雑貨屋を巡ろうということになり、可愛らしい小物類を見て回った
工匠の町ということもあり、戦闘用のものだけじゃなく、
芸術品や繊細な日用品などもたくさんあって、見ていて面白い
「あっ!これ可愛いわね!」
ソフィアが猫の模様が描かれた陶器のコップを見つけていう
取手が尻尾になっててかわいらしいデザインだった
「ホントだね」
ちょうど2つ置いてあった
「ねぇ、これさ、今日の記念にお揃いで買っていかない?」
「ホントに!?すっごく嬉しい!」
「じゃあ買ってくるね」
「うん!」
こうしてお揃いのカップを手に入れて、またブラブラする
「はぁ、楽しいなぁ」
「えへへ、わたしも♪」
ソフィアはいつの間にか手を繋ぐのをやめて、
オレの腕にぎゅーっと抱きついて歩くようになっていた
楽しくデートしていると、あっという間に夕方になる
「夕ご飯もね!予約してあるのよ!」
「ホントに?なんか色々と悪いな、ホントにありがとう」
「いいのよ!デートの計画練るのって凄く楽しいもの!」
なんかでも、任せっきりで、少し申し訳ない気がした
次の機会はオレがエスコートしよう、ひっそりとそう決意する
ソフィアに案内されて、夕食を食べに行く
少し店内が薄暗くて雰囲気のある上品な店だ
少し高そうである
その店で、これまた上品なディナーをご馳走になった
予約してくれたから払うね、と言ってさすがに代金はオレが払う
外に出ると、空はもうすっかり暗くなっていた
「もう夜かー、早かったなー
もっとソフィアとデートしたいなー」
「、、、」
くいくい
ソフィアに袖を引っ張られる
「ん?なぁに?」
「わたしも、もっと一緒にいたいわ、、」
「うん、嬉しいな」
「、、だからね、、そこ、、」
ディナーを食べたレストランから出て、見える位置にある宿を指差すソフィア
もちろん、その宿は、オレたちが泊まっている宿ではない
「みんなにはね、明日帰るって言ってあるから、、」
「、、ソフィア、いこうか」
「、、うん」
オレたちは、手を繋いで近くの宿に入る
1番いい部屋をとった
リーン
部屋に入ったら、すぐにサイレントのベルを鳴らす
「ソフィア、、オレ、、」
「いいわよ、、でも、今日は優しくしてほしいな?」
「わ、わかった、こっちきて?」
「うん」
オレはベッドに腰掛けて、ソフィアを足の間に座らせた
背中からぎゅっと抱きしめる
「ソフィア、、」
「ライ、、」
顎を持ってこちらを向かせてキスをする
たくさんしてから、上着のボタンを外す
本屋で覗き見したのとおそろいの、淡いピンクのフリルがたくさんついた下着があらわれた
「可愛い下着だね」
「みんなで選んだの、、」
「そ、そうなんだ、、」
「うん、、」
みんなで選んでる光景を想像しながら、やさしく揉みほぐす
こ、これをオレのために選んでくれたのか、、
すこししたら、ぴらりとスカートもめくって、足の間に手をいれた
「あっ、、恥ずかしいわ、、」
「大丈夫だよ」
優しく準備して、
そろそろかな、というところで声をかける
「腰あげて?」
「、、うん」
「じゃあ、ゆっくり腰を下ろして?」
「わ、わかった、、」
オレはなるべく紳士的に振舞った
2人して限界がくるのはそんなに先のことではなかった
♢
「、、今日はもうこれくらいにした方がいいかな?」
今日は優しく、というのがお姫様のリクエストだ
無茶はしない
「、、ううん、もっとしたいな?」
か、かわいすぎる、、
こちらを向かせて深いキスをした
今度はベッドに寝転ばせて、正面から抱き合う
紳士的に、紳士的に、、
「ふふ、今日は優しいじゃない」
「たまにはね?」
「えっちなライにしてはよく我慢したわ」
「我慢してないよ?だって、こんなに凄くいいじゃないか」
本心だった
「ならよかった、でも我慢しなくていいのよ?」
「ううん、大丈夫だよソフィアはどうかな?」
「あのね、、すっごく幸せよ、、
それに、、いつもと変わらないくらい、、
きもちーの、、」
「、、大好きだ、ソフィア」
「わたしもよ、ライ」
その日、小悪魔の誘惑には屈しず、最後まで紳士的に振る舞うことができた
、、と思う
何回したかは、、
いや、やめておこう




