第130話 コハル・カグラザカ(前編)
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コハル・カグラザカ
好感度
100/100
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攻略スキルを確認すると、コハルの好感度はカンストしていた
「あの、、ライ、、」
「な、なに?」
「その、これから、、するんだよね、、」
「うん」
「するんだ、、ボクに、、えっちなこと、、」
「そうだ」
オレたちは宿で2人っきりで向き合っていた
あの後、ギルドの職員に事の顛末を説明し、納得してもらってから、
後日、報奨金を出します
という話になった
そして、ギルドの仲間たちや町の人たちに賞賛されながら、宿に戻った
オレたちはなんとかシャワーだけは浴びて、泥のように眠った
次の日のお昼ごろ起きると
女性陣が集まっていて、
「じゃ、わたしたちはしばらく出かけるから、
まぁ今日は2人で寝ていいわよ」
なんて言われて2人っきりにされた
つまり、そういうことだ
--コハル・カグラザカ視点--
ボクは今、昨日、旦那さんになった人と2人っきりになっている
今からボクにえっちなことをするらしい、、
恥ずかしいけど、、
ライのことを気になってきてから、ボクも興味があったことで、すごくドキドキしてる
まさか、ボクが
昔っから男の子みたいだって言われていたボクが
こんなことになるとは思わなかった
ボクは貴族の家の出身だ
昔から、なに不自由なく暮らしてきて、とても恵まれた環境だったと思う
父には、何でも好きなことをやれ
母には、お淑やかにしなさい
と言われて育った
ボクはどちらかと言えば父が好きだ
だって、母からお淑やかにしろと言われても、ずっと性に合わなかったから
小さいころ、父に読んでもらった絵本の英雄譚から英雄に興味を持ち、それからも色んな英雄たちの物語を読んできた
ボクの憧れは英雄になった
だから、ボクは父に頼んで、王宮の騎士たちに混じって剣の修行をさせてもらうように計らった
母は猛反対した
大事な嫁入り前の身体に傷がついたらどうする、とか言っていた
悪いけど、そんなの関係ないと思った
ボクはお嫁さんになりたいわけじゃない
ボクは英雄になるんだ
それから騎士たちに混じって剣を握ると、
最初は貴族の子どもの道楽か、という冷ややかな対応をされた
でも、その中でも副騎士長は優しく剣を教えてくれた
そのおかげで、半年もするころ、14歳のボクは神童と言われるほど、剣が上達した
これなら英雄になれるかも、そう思った
将来は騎士団に入るんだ
そして、みんなを救うんだ
ボクの目標はそうなっていった
でも、15歳になるころ、
母が、そろそろ嫁にいけ、という
もうお遊びはいいでしょう、とのことだ
遊びじゃない
憧れだ
夢なんだ
父に説得を依頼すると
私もコハルには家庭をもってほしいとお願いされた
騎士団にも推薦はできない、と断られた
父は申し訳なさそうにしていた
たぶん、ボクのことが心配だったんだと思う
でも、
ボクは勝手に裏切られた気になって、
それ以上2人と相談することもなく、
その日の晩に家を飛び出した
実家から追手がつかないくらいの場所まで離れようと思って、
何日も、何週間もかけて、工匠の町デルシアにたどり着いた
ボクは冒険者になって、そこで英雄を目指すことにした
新しい目標だ
新天地での活躍を夢見たボクは、すごくワクワクしていた
冒険者になって依頼をこなし出すと、ボクの剣の腕は上級以上だということがわかった
すごい!強い!
是非一緒に組もう!
そう言われて、いろんなパーティに誘われることになった
人気者だ
正直、天狗になっていた
そんなある日、キースたちのクラン、リーダーのアークから声をかけられた
デルシアで1番強いと有名なクランだ
英雄になるボクに相応しいと思った
だから二つ返事で了承した
今思えば、ボクの英雄譚はここからおかしくなっていった




